・ ジェノヴァに架かる新しい橋 と、 レンツォ・ピアーノの美しい作品あれこれ

昨年夏8月14日、ジェノヴァの街の上を渡る高速の橋が突然崩壊した衝撃は、日本でも
大きなニュースとして報道された様子ですから、ご記憶にまだ新しい事と思います。

12月半ばから残っている橋の撤去作業が本格的に始まると共に、ジェノヴァ生まれの
世界的な建築家レンツォ・ピアーノ・Renzo Pianoが無償で提供した
「新しい橋」の設計図等が年末に公表され、いよいよ再架設への道程も始まりました。

大晦日の夜、年越しに招いて貰ったルイーザの家で一緒した建築家のジャンニ・Gianni
との話題に、橋崩壊について、また新しい橋の話題も勿論出ましたし、
レンツォ・ピアーノの今迄の仕事についても新しく知ったりで、とりわけ私めが受けた
大きな刺激について等など、少し取り上げてみたくなりました。

とはいえ、建築についてはまるで門外漢で、単に美しいと思ったかどうか、という
観点からですが、へへへ、お付き合いくださいませませ。


で、こちらが公表された設計図、想像図、模型等ですが、

まず、崩壊した「モランディの橋」はどこにあったか、という地図を。

1-2-genova.jpg

ジェノヴァの街はすぐ背後に山が迫り、街を東西に分ける真ん中にポルチェヴェーラ川が流れ、
川の両脇にも山が迫る細い谷の隙間に東西を結ぶモランディ橋、
長さ1182m、道路の高さが45m、橋脚の一番高い所が90m、が架かっていたのですね。


橋に至る高速の接続などは今迄と同様と思われるので、新しい橋の長さなどは説明がなく、
モランディ橋に比べ、橋脚数が多く、間隔が短くなり、ただ線路の上を渡る部分が幾分広く、

2-Presentato-in-Regione-il-progetto-sul-Polcevera_articleimage.jpg



この図では川幅が広く描かれてますが・・、橋脚は橋幅の真ん中に1本、細長い楕円形の
船の舳先を思わせる形で、橋の上には高い街灯が43本、橋崩壊で亡くなった方の数で、
船の帆柱を表し、そして灯りは帆のような形にと。

3-ponte-genova-renzo-piano-1053408.jpg



設計図はこういう形で、

4-DSCN6734.jpg

5-Dmfyf6tWwAApNEy.jpg



こちらは夜間想像図で、橋の下は公園、企業の為のインキューバ施設、住宅などに
なるという事で、

6-32D78981-FDA1-452E-9276-F96E6359B9F0-710x400.jpg



あの災害がジェノヴァ人に与えた傷から誇りを取り戻し、ほったらかしに因って起こった
事故の償いになる様に、という願いも込められているそう。

7-rendering03.jpg


上のジェノヴァの地図の西端に見えるPegli・ペーリでレンツォ・ピアーノ(1938年生)は
生まれたのだそうで、あの橋崩壊の日にジュネーヴにいたという彼は、

「あれ以来、橋の事しか考えられなかった」と、災害の後いち早く「何か役に立つ様に」と
橋設計の無償提供を申し出、早くも2週間後には州の庁舎に模型を運び込む
彼の事務所の係員の姿も報道されましたが、
その時のは応急の設計だったと思われる、今とは違う姿だったのを覚えています。

勿論無償提供だからと即受け入れた訳ではなく、彼の設計以外にも、ヴェネツィアの
大運河にかかる憲法橋や、レッジョ・エミーリアの高速鉄道駅、近くの高速道路接続の橋
設計したカラトゥラーヴァや、
設計事務所、若い設計家達の応募もあったそう。

ですが、やはりジェノヴァ生まれのレンツォ・ピアーノが崩壊後いち早く、お役に立ちたい!
と申し出た事、世界的に実績がある事、そして彼はイタリア国会の終身上院議員でもあり、
提出案が素晴らしい橋であるならば、やはり決定は妥当な線だっただろうと思います。

橋はこの春の建設初めから1年間をめどにしていて、急ぐ為もあり、すべて鋼鉄製の橋で、
経費は202,000,000エウロだそう。 桁を間違えていませんように!

工事業者はフィンカンティエーリ・Fincantieri、これは大型沿岸周遊船の建設などで
有名な所で、https://www.fincantieri.com/it/

もう一つはサリーニ・インプレジーロ・SaliniImpregiloが発表されました。
https://www.salini-impregilo.com/it/

橋の名は、モランディの橋とは呼ばない、という事ですが、さて、どういう名に。


大晦日に設計家のジャンニからモランディ橋の欠陥について聞き、その時に出た言葉を
探していて出会ったブログ記事がこちらで、
http://span35m.blogspot.com/2018/08/blog-post_95.html

橋崩壊についての考察や、崩壊後の現場にも行かれ、分かりやすく説明して下さっていて、
一読をお勧めします。



所で、レンツォ・ピアーノの設計では、日本には関西空港のターミナル・ビルがあり、

8-Kansai International Airport_photo_50b7914885d01.jpg



銀座に美しい、とりわけ夜の光がほんわり柔らかいヘルメスのビルがあるのも知りましたが、

9-c49db617f52fa5ea48efee7 (1).jpg



こちら彼の生まれた街ジェノヴァ、でパッと思い出す、旧港再開発で生まれたヨーロッパ一の
水族館、これは楽しかった!と、如何にも帆船を想像させる植物園。

10-genova_sfondo2.jpg



若い彼が一躍世界に名を知られるようになった、パリのポンピドー・センターとか、

11-2916b5c49db617f52fa5ea48efee7.jpg



ロンドンの何ともきりっとした姿のロンドン塔と呼ばれるシャード、とか、

12-renzo-piano-architecture-05.jpg

その用途目的、環境に沿っての、建築物の姿が著しく違うのにも少し驚いた今回で、

というのも、ジャンニとの話に出たあちこちの建築物の姿、またジェノヴァ近くにある
彼のイタリアにおけるワークショップ、などに刺激され、あれこれ写真をサイトで探して
受けた印象が、なんとまぁ、それぞれに違う姿の建築物を作る事! だったのでした。



が、その中で一番、わぁ~お! 凄いなぁ! 美しいぃ! と思ったのが、
このニューカレドニアのジャン・マリー・チバウ文化センター。

13-3t1k9jexuzkz.jpg

14-aa26jwj129o11.jpg

自然の中に如何にもすんなり溶け込み、まるで大きな木、植物か、はたまた帆船か、と
いうイメージの建築物で、



大きな木材を使い、太陽光線や風も防ぐのだろう、とジャンニが説明してくれましたが、

15-Eco-cultural_Tjibaou-Cultural-Centre-New-Caledonia-900x279.jpg

16-cf7b72c2d61dd88b25a3e660c12f6be7.jpg



こうして背後から見える屋根の下に、すべての施設が収まっているそうで、

17-5318e3d1071e6b3f4e41e431e3d46894.jpg

18-nou__205-1.jpg


これはもしも見に行けるチャンスがあったら、これだけでニューカレドニアを好きになりそう、
満足しそう、と思いましたです。

レンツォ・ピアーノの個人嗜好というのか、やはり生まれ故郷のジェノヴァ、大航海時代に
世界に乗りだしたコロンブスや、大海運国として栄えたジェノヴァ人の血がほの見えるなぁと!



そして最後、これもジャンニが教えてくれたジェノヴァ湾の西端の位置にある
彼のワークショップですがなんとも素晴らしく、羨望がこもりそうな仕事場の様子を。

こんな風に青い海を見晴らす位置にあり、おまけに何とも素敵な土地名を持っていて、
プンタ・ナーヴェ・Punta Nave、船の先端、というのです!

19-renzo-piano-building-workshop-punta-neve-italy.jpg

レンツォ・ピアーノのワーク・ショップは、このイタリアの他、パリとニューヨークにもあり、
やはり凄い仕事量なのだろうと想像しました。

右下の白く平べったいのが仕事場で、右上に四角く見えるのが事務所の様子。



海側から見ると、こんな様子。

20-openhouse-piano-workshop-studio-punta-nave-genoa-italy-12.jpg



上の仕事場はこんな階段状になっていて、

21-renzo-piano-architecture-07.jpg


屋根はガラスで、リグーリアにある温室風と。 自然採光たっぷりで、時計代わりにも。

22-natural-lighting-inspiration-renzo-piano-building-workshop-punta-neve.jpg



仕事机が広く、部屋も広く、明るく、植物にも囲まれ、

23-2017-05-05_590ca8f5df150_Ves_192.jpg



海を見晴らせ、

24-punta-neve-renzo-piano-offices-italy.jpg



お隣に見えるのも、緑だけ。

25-natural-light-interior-renzo-piano-workshop.jpg



全世界から集まって仕事をしている、同僚達の部屋のドアはいつも開いていて、

26-renzo-piano-building-workshop-genova-italy-office.jpg



ジェノヴァ方面がこんな風に見晴らせ、

27-punta-neve-renzo-piano-building-workshop-italy.jpg



下の道からの連絡は、このリフトで。

28-Renzo-Piano-Building-Whorkshop-02.jpg



夜はこんな様子。 まぁさか、残業続きではないと・・、ははは。

29-serene-tranquil-peaceful-building-house-office.jpg



こんな仕事場で働く、働けるのが、建築設計という未来への見果てぬ夢にも繋がるのかも。

30-srenzo-piano-building-workshop-architects-group-shot.jpg

いやぁ、今回は思いがけなくも嬉しい刺激を受け、知る事が楽しかったです!
Grazie Gianni!

*****

記録庫ブログには、
コネリアーノとその周辺 に 6記事 
アップしております。

ご訪問よろしくお願い致しま~す。

*****

色鉛筆+水彩画ブログには、
ウルビーノ 描き始め と、 ルイーザの家での年越しは を  
アップしています。 
 
見てやってくださ~い!  
http://italiashinkai.seesaa.net/

*****

いつもブログご訪問、有難うございます!
見たよ! の応援クリックも宜しくお願い致しま~す!


*****

コメントの書き込みについてのお願い。

ブログの記事下に、「コメントを書く」が出ていない時は、
上か右の、記事タイトルをクリックして頂けると
記事の一番下に「コメントを書く」が出ますので、よろしくお願いいたします。
非公開コメントをご希望の場合は、非公開で、と書いて頂くと、  
コメント承認制ですので、保留にし、お返事だけ公開しますので、
それもご了承下さいませ。
スポンサーリンク