・ シエナ  サンタ・マリーア・デイ・セルヴィ聖堂と、パリオのお話

シエナ2日目の午前中、雨が止んでいるのを幸いに、計画通り
ドゥオーモ訪問の後、サンタ・マリーア・デイ・セルヴィ聖堂
Basilica dei Santa Maria dei Selviに出かけました。

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未だ実際に訪問した事がなく、ただ聖堂正面の写真を見ただけで、
その如何にも古いロマネスク様式の雰囲気に魅かれており、

実際にはたくさん見るべき絵画もあったのを端折った見学に
なったのですが、でも素晴らしいパノラマ風景を見れた事、

そして、この記事を書くために調べたちょっとした切っ掛けで
パリオの細部についてもあれこれ知りましたので、

そんなこんなを絡めて、お楽しみ頂けます様に!


楽に歩いて行ける距離、グーグル・マップによると8分と出て、
カンポ広場から北側の一番端からの道を真っすぐでOKと。

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有難い事に、坂道があちらにもこちらにものシエナにしては!
なだらかな道が続き、時に坂道でも緩やかで、


途中家並みの途切れた隙間から見えた谷の向こうに見える
大きな教会風建築。

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サン・ドメニコの背後ではないし、どこだろ?と思ったのでしたが、
教えて頂けましたので後程。



道は両側からこんな風に建物が迫り、大体4~5階建て。

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左の少路の角に見える、白とオレンジ色の旗を覚えておいて下さいね。



左下の道にこんな建物が見え、調べましたら、

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サン・ジローラモ教会・修道院で、表から見ると小さく見えますが、
元は13世紀からの、内部はロココ式に改装された大きな教会の様で!

知らないというのは恐ろしいもので、はは、そのまま通り過ぎましたが、
時間があり、歩きと探検心に満ちている方なら、内部の教会だけでもね。



途中で道が分かれましたが、右に「ヴィア・デイ・セルヴィ」と
標識があり、まるで迷わず、

ほらぁ、見えた!

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左手の古い煉瓦積みの建物の壁に、聖母子のニッキがあり、

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小さな一見素朴そうな感じが、なんとなんと大変優雅で、
とりわけ背後の模様が私めの好みで!
ただ、聖母の手がちょっとゴツイなぁ、と‥。 済みません。



さて、サンタ・マリーア・デイ・セルヴィ聖堂前に。 坂道の傾斜の上、
左右に大木が茂り、聖堂前が狭く・・。

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この正面の、ロマネスクの荒削りの建築中途のまま整備されず、
の味わいが逆に素敵で、一度実際に見たかったのです。

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前に突き出している膨らみの部分は、当時はどの様な意図があったのか、
現在は背後との開いた部分を塞いだままになっている様で。

内部は3廊式、結構広々としているのですが、この日は曇りで
いささか薄暗く、外の魅力に比べ、失礼、少しがっかりの内部で。

聖堂の正式名称は、サン・クレメンテ・イン・サンタ・マリーア・デイ・セルヴィ・
San Clemente in Santa Maria dei Serviというのだそうで、


元々サン・クレメンテの教区教会があった所に、1250年頃より
新しく増改修が始まり、この名になったのだそうで。

というのも、フィレンツェの北部で設立された最初の「セルヴィ会派」
からの僧侶たちが1234年頃やって来て城壁外に住み着いたのに、
コムーネが、城壁内の、当時のサン・クレメンテに教会を、と招待。

シエナの裕福な貴族のトロメイ家が土地を寄贈し、煉瓦などの建材は
自治体が寄贈、という事で、数年後に工事が始まった、というのです。

「セルヴィーティ・セルヴィ会派」は、托鉢会派、つまりフランチェスコ会派
と同じ会派と思うのですが、

考えて見ると、アッシジのフランチェスコ会派の始まりは1209年というので、
その影響で出来た会派なのかも、ですね。


という様子で、建設の始まりは早かったものの、工事はゆっくりと、
ほぼ3世紀に渡り、15世紀半ばまでにゴシック様式の翼廊と
礼拝堂が完成し、

1471年から1528年に描け、ルネッサンス様式の3つの身廊の
縦長の教会が建設され、

1533年5月18日に聖別式が行われたものの、作業はまだ完了せず、
1537年に内部工事は終了し、

3つの身廊を分割するのに4本の円柱が購入されたものの、

15世紀の正面壁は、そのままで完成せず。

横の祭壇はバロック時代に追加され、1750年大聖堂前の
石段が追加、という事。

鐘楼は14,15世紀にロマネスク様式で建設され、
1926年に鐘楼上の中央と角に尖塔が追加され、
シエナの大聖堂に似た形に、と。


内部は3廊になっており、

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入り口内部の洗礼盤。 大変美しい細工で。

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入り口右隅の礼拝堂。 14世紀のフレスコ画があり、
この奥は鐘楼内部になるのだそう。

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内陣、後陣部の祭壇画とステンド・グラス。

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祭壇画は、聖母被昇天、ですが、金が単純にキラキラし過ぎません?

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天井部は、やはりシエナの大聖堂の天井に似た様式で。

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こちらは「幼児虐殺」、マッテオ・ジョヴァンニ、1491年。
暗い画面に金色が光り過ぎで。 でも嫌いではないので、はい。

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こちらがサイトから引いたもので。

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他にも、ドゥッチョや、ピエトロ・ロレンツェッティなど、かなりの
フレスコ画もあった様なのに、なぜかまるで見ておらず・・! 
はい、またのチャンスに。



こちらは唯一美しいなぁ、と思い撮った、リッポ・メンミ・
Lippo Memmiの「聖母子」 1325年頃と。

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ですが、これは模写なのだそうで、原画はシエナの国立絵画館にと。


リッポ・メンミについては、今回パラッツォ・プッブリコの
シモーネ・マルティーニの素晴らしい「マエスタ・Maestà」に再会出来、
あれこれ読む内に、
シモーネ・マルティーニの師であり、お舅さんに当たる、と知り、

他の絵も見ると、シモーネの絵によく似ているのも発見し、
改めても少し読んでみたいと思っています。



今回改めてシエナでパラッツォ・プッブリコのゴシック絵画、
ゴシック装飾の中にじっくり埋まり、

また、街中で耳に入って来るシエナの人々のあのゆっくりとした話し方、
カ行とハ行が逆になる、独特の訛りがとても心にしみ、

ああ、シエナは良いなぁ! 好きだなぁ!と、改めて思ったのでした。
良いね、素敵ね、とはまた別の 「好きだなぁ!」に進行中かも!
チャンスがあったら、また是非出かけようと!!



で、聖堂を出て来た所で、目に入ったこの景色!
囲いの高い煉瓦塀でここしか見えずでしたが、

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その塀に、聖堂側に大きな木の扉があるのが、開いているではありませんかぁ!

頭を覗かせながら入り込み、きょろきょろとして誰もおらずを見て、
1枚失礼して、と思った所に、シニョーレが出て来て、

済みません、一枚撮らせて下さい、とお願いすると、
勿論、勿論。 あの奥に行くと、素晴らしいパノラマが撮れるよ。
あ、良いですか? 勿論!


で奥のテラスの方まで行くと、 わぁ~い、マンジャの塔と
プッブリコ宮の上のテラスも見える!

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喜んでいると、先のシニョーレがやって来て、色々説明してくれ、

途中来る時にも見えたあの大きな教会背後は、サンタゴスティーノ・
Sant’Agostinoと教えて貰いました。 こちら。

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地図で見ると、右がサンタ・マリーア・デイ・セルヴィ聖堂で、
谷を挟んでの左に、教会ではなく「修道院・モナステーロ」と。

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どうやら私めが入り込んだのは、聖堂所属の何かのクラブ事務所の
様子で、

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パリオの話から、ここはレオコルノの地区に入るのよ、とも聞き、
前夜祭の地区民総出の食事会はこの道も使ってして、
2千人程も集まるんよ、と。

20年ほどフィレンツェの仕事に行き来したけど、今はヴォルテッラの
方に行く、娘が住んでいるので、
なんぞともっと話したそうでしたけど、先の予約もあるしと、
良いチャンスを有難うございましたぁ! でサヨナラを。


てな事で、例により、すっかり聖堂の裏に回る事を忘れ、ドジ!


で、石段を下って来た所で、この猫ちゃんに。
shinkai好みの、丸く重みのある綺麗な猫ちゃんで。

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所で、シエナのパリオに話題を変えまして、
シニョーレの話に出て来た「レオコルノ・一角獣」の地区の旗が、
来る途中の道の左に見えましたが、

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あれこれ探していて「レオコルノの道」という記事というのに出会い、
これがその地図で、

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つまり、この道が他の地区・コントラーダとの境界線で、
この内側、そして道脇の建物もこの地区に含まれるという、
つまり他の地区も同じように境界線が決められている訳で、



こちらが現在17ある地区の境界線と、その地区の旗印。
真ん中にちょこっと開いている所が、カンポ広場。

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で、上の線の地図と、私めが歩いた聖堂への道が一致で、
ただ最後辺りがどうなんだろ?という感じなのでしたが、

それを、あのシニョーレが、ここはレオコルノなんよ、と言われたのでは
ないかな、と納得したのでした。


で、この境界線を決めたのが1729年、当時シエナの統治者で
あった、メディチ家のトスカーナ大公フェルディナンドの妃であった
ヴィオランテ・ベアトリーチェ・ディ・バヴィエーラ・
Violante Beatrice di Baviera.

それまでは明確な境界線がなく、頻繁に発生していた領土紛争に
決着をつけた「御布令」だったのだそうで!

オーストリアからの妃がねぇ、シエナの統治者として、あの熱狂的な
コントラーダの各境界線を決めた、と知ると可笑しくなって。



各地区のその自分の地区に対する熱狂度はもうそれはもう、もうもう、
なんですが、

この指輪、これは今回はレオコルノですが、「フェーデ・Fede」と
呼ばれる、自分の地区への忠誠度を示す!指輪なんですと。

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だって皆さん、結婚指輪も「フェーデ」なんすよ、ははは。

こんな指輪をはめた男達が寄り集まって気勢を上げてるのを想像すると、
ちょっと怖い気もしますがぁぁ、ははは。



なんぞとあれこれパリオの写真を探していたら、あの熱狂度が
懐かしく思い出され、

カンポ広場をうずめる、溢れそうな、この頭数を見てぇ!!

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これは、レオコルノの馬と騎手が1位でゴールに入った時ね。

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左端で、シニョーレたちが耳を塞いでいるのは、一位が到着と共に、
ドッカーンと、大爆竹が撃たれるのでね。



勝った馬と騎手は、もう、もみくちゃにされ、地区の男達は殆どが
大泣きして齧りつき、可愛いの。

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ああ、懐かしい! この夏は忘れずにTV中継を見るぞぉ!!


という様な、今回はパリオのお話でお終いですが、

パリオについて余り良くご存じない方にも分かりやすく説明したのから、
実際に見に行った時の様子までも集めましたので、
余韻を楽しんでくださ~い!

シエナのパリオ ・ Il Palio di Siena
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462677150.html

シエナのパリオ 2008.7.2 ・ その前日
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462678205.html

n.1 シエナのパリオ ・ 2008.7.2
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/466779099.html

n.2 シエナのパリオ ・ 2008.7.2
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/466779309.html

n.3 シエナのパリオ ・ 2008.7.2          
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/466784900.html

シエナのパリオ 2018.7.2 TV中継から
https://www.italiashiho.site/archives/20180706-1.html

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