
クレモーナ訪問時に、2013年開館の新しいヴァイオリン博物館
を見ましたが、余り時間が取れずで、
おまけにストラディヴァリの視聴が出来る、と聞いていたのが無しで、
いささかがっかりで戻りましたが、その後あれこれ調べているうちに、
「ヴァイオリン」という楽器にすっかり嵌まりました!
実際の演奏会には行ったことは少ないのですが、弦楽器全般、
そしてヴァイオリンの音色は大好きで、今も毎日絵を描く時に
BGM的に常にCDを掛けて聞きながらですので、
今迄余り考えた事がなかった、ヴァイオリンという楽器そのものが、
知り始めると大変に興味深く、
もっともっととあれこれといつもの芋づる式に・・!
という事で、何とか上手く纏まるよう、お伝えできるよう
頑張りますので、よろしくお付き合いの程を!
新しい、クレモーナのヴァイオリン博物館入り口。

上記した様に2013年秋オープンで、以前のストラディヴァリ博物館
があったパラッツォ・アッファイターティ・Palazzo Affaitatiから
移された楽器や、ストラディヴァリの遺品など10室の展示室、
そして新しい音響室と素晴らしいもので、
ゆっくり時間があれば、と思ったものでした。
前庭にあったストラディヴァリの像。

こちらは建物の中庭にある、五線譜を使った鋼鉄の像。
スペインのプレンサ・Plensaという人の作品とか。


下はサイトで見つけた写真ですが、
・・こういうのは、どうも、ですねぇ・・。
「宝の宝庫・Lo scrigno dei tesori」と呼ばれる部屋。
この博物館のお宝である、1715年ストラディヴァリ作の
クレモネーゼ・Cremoneseを初めとして、アマーティ・
Amatiや グアルネーリ・Guarneriの作品、
1556年から1734年にかけての、全10点が収められた部屋。

壁も床もしっとりと布張りで、一つ一つの楽器がガラスケースに入り、
多分湿度調節とか様々な設備が施されているのでしょう。
たまたま我々が行った時、最初のケースが空だったのですが、
そのうちに一人の男性が持ってきてケースに入れ、
それに続いて来た小グループにフランス語で説明しているのが
聞こえましたから、視聴もあったのかも・・!
博物館のお宝であるクレモネーゼは、
この部屋の一番奥の真ん中、ケースが明るく見えるのがそれで、
後ほども少し詳細に。
これはズッカ・カボチャと呼ばれる、ははは、ヴィデオ視聴室で、
中は暗く、円形状にそって椅子が並び、
天井に映る音楽ヴィデオを視聴出来ましたが、

う~ん、いくら良い試聴室でも、ヴィデオではねぇ・・!
新設の音楽室464人収容、真ん中で室内楽やソリストの
演奏が出来、この設計には日本の技術者トヨタ・ヤスヒサさん
という方が携わったと。

他に、楽器の科学的研究や診断も出来る工房が開設と。
博物館のサイトは http://www.museodelviolino.org/
日本語版もありますし、右にはヴァーチャル・ツァーも出ます。
さて、ヴァイオリンという楽器の歴史ですが、
イタリアでというよりも、歴史に残るヴァイオリン製作者の最初として
名が挙がるのが、ガルダ湖畔サロ出身のガスパロ・ダ・サロ・
Gasparo da Salò、
そしてクレモナのアンドレア・アマーティ・Andrea Amatiですが、
これが上記YAMAHAのサイトの、1565年頃のアマーティの作品。

当時のヴァイオリンは現在のと比べ、指板、左手で弦を抑える板
の部分、が短いのにご留意下さいね。
で、上のヴァイオリン博物館のお宝の部屋には、
1556年のアマーティの作品もあった、と帰ってきてから知る、
見なかった馬鹿が感じるこのちょっぴりの無念さ!
通常ヴァイオリン発明者と言われるガスパロ・ダ・サロについては、
彼は20歳の頃父親が亡くなり、サロからブレーシャ・Bresciaに移り、
当時音楽が大変盛んだったブレーシャで活躍した様子ですが、
彼の作というヴァイオリン、これはまだ彼の作とは確定出来ていない
様ですが、
大変に美しいオレ・ブル・Ole Bullというのを見つけました。


指板にも装飾が入り、少し長い様子で、裏板装飾も変わっていますが、
ブレーシャではガスパロの作品としての研究が進んでいるようです。
ヴァイオリンは15世紀に登場した時既に、現在の形とほぼ同じで
故に後に改良されたのはほぼ僅かな部分と言われますが、
古いタイプをバロック・ヴァイオリン、
新しいのをモダン・ヴァイオリンと呼び、
それの違いは、これもYAMAHAのサイトの図がとても分かり易いので
使わせて頂き、

かって室内楽で使われてちょうど良い音量であったヴァイオリンが
大会場で使われ始めた事、と、
高音が出やすいよう改良したのがモダン・ヴァイオリンで、
高音がもっと弾けるように指板が長くなり、駒を高くし、
ネックも少し傾いていて、
これは弦の張力を増し、音量を高く、輝きを増す為なんだそう。
と、胴の厚みは減り、かっては脇からすっと丸かったのが、
現在のは一旦少し薄くなり、それから丸みを増している様子。
これは1628年のニコロ・アマーティの作品で、
彼はストラディヴァリの師匠として知られますが、
これも指板が長いので、現代風に改良されている様子。

という所で今回をお終いにし、その2に続きます。
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