・ グロレンツァの町 ・ 「イタリアで一番美しい村々」の一つ  n.2


  グロレンツァの町のご案内、その2に続きます。


  shinkaiは広場からも一つ南の道を西に入り込み、
  この角は靴屋さん、と言ってもバッグなども売っておりました。

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  今回気が付いたのは、店の看板は張り出した鉄製の飾り看板も
  ありますが、大概は壁に書かれた文字である、というイタリアとの、
  ははは、ここもイタリアですが、違いに気が付きました。

  その意味では、イタリアの方が派手というか、
  ドイツ語圏の方がやはり質実剛健!ですね。

  どこか違うなと思ったのが、5月中旬なのに窓辺の花が殆どなしで、
  少し寂しく、店の前に木や枝の鉢植えは見ても、花鉢は本当に少なく、
  それもあって猶の事「質実剛健」という言葉が頭に浮かんだのと、

  イタリアでの「一番美しい村々・・」の町村の壁は石積みが見えたり、
  趣、味わいを感じるのが常ですが、
  ここ南ティロルとなると、頑丈一式、イタリア式趣とは違う、
  というイメージを受けたのでした。

  が、今回これを書くのにグーグルのサイト・ヴューを見ましたら、
  10月の撮影でしたが、窓辺にたくさんの花々が見え、・・?!
  5月半ばだとまだ花鉢には遠い季節なのでしょうか? 
  夏が本当に短いのかも!





  道を入っていくと突き当りに見えた納屋の壁と、右に住居。
  そしてすぐ左は城壁内の道が通ります。

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  今回あちこちで見かけた、扉のこのチョークの文字を見かけ、

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  ちょうど家の扉前を掃除中のシニョーラに、イタリア語が話せますか?
  と声をかけ、あちこちで見るこの扉の文字は何の意味かと尋ねました。

  シニョーラのイタリア語は訛ってましたが、お互いになんとか通じ、ははは、
  中のK+M+B は、この一帯は毎年1月6日に東方の三博士に扮した
  人物が家々を祝福に回り、扉にこの文字、キリストが祝福を与える、
  という意味を書きつけ、
  頭の20と、最後の消しては書きが、今年の(20)17なんだそう。

  町中のレストランの扉の上にも見えたこの文字の意味、
  なるほどなぁ、と納得し、シニョーラにお礼を言った事でした。





  城壁と間の細い道。 塔のひとつも備えている場所。

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  近くで仲間のエレオノーラやレオナルダと出会い、一緒に行きますが、

  小さな家の角から葡萄の枝が壁を這い、飾ったようになっていて、

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  あんな小さな角の土からこんなに?!と、ちょっと可哀そうでもあり・・!

  上の写真に見える城壁沿いの枝も、ほんの小さな土地からなんですよ!
  こういうのも、葡萄が質実剛健なのかな?! ははは。





  城壁の上に上れそうな階段を見つけ、レオナルダが最初に上り始め、
  狭く少し傾いた、そしてかなり高い急な階段をはぁはぁと上り、

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  見えた景色がこれ! 左から右に、

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  そして南の奥。 一番奥の白い3つ並びのは何だろ? 
  左のには小さな鐘楼風のが見えるのですが、教会と住居かな?

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  これはすぐ前の建物の屋根の瓦で、他も大概この形の瓦で、
  細い筋が入った平板な瓦なんですね。
  この方が積雪に強いのかな?

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  銃眼から覗く外。

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  城壁の上のパトロール道。  
  そんなに長い距離は開いておらず、途中に柵がありましたから、
  夜間には閉まるのでしょう。

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  でも、満足して下に降り、





  中心広場に向かいますが、

  これは薄い浮彫を施した扉。 勿体ないですねぇ、これは!

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  泉があり、小さな花鉢と、反射する影と光。

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  一旦広場に戻り、

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  教会横の、低いアーチの続く道を戻りつつ、

  如何にも古い、厚い頑丈な壁に落ちる影に見とれつつ、

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  道角にあった小さな鄙びたカフェかな、トラットリーアかな?

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  ちょっと寂しいのは殆ど町の人の姿を見かけない事で、
  2,3人の男性がたむろしているのを見かけたのみ。



  所であれこれ読んでいて、大変可笑しな逸話を
  グロレンツァの町に1510年民事裁判所が置かれ、
  1519年10月21日にSimon Fliessというステルヴィオ・Stelvio、
  グロレンツァより南の山村の住人が訴訟を起こします。

  一帯のネズミ(普通のよりも体の大きな種)が畑や草原に
  大きな損害を出している、と。

  これにはグロレンツア側からネズミの弁護人も付き、論戦が行われ、
  判決が出たのは翌年1520年5月2日。
       
  それによると、ステルヴィオの住人に有利な判決となり、
  ネズミたちはその一帯を立ち退かねばならない事。

  但し弁護人の異議申し立ても通り、ネズミたちが立ち退くのに際し、
  嫌がらせや被害を受けないよう、犬や猫は家に閉じ込めること。
  そしてネズミたちが立ち退きやすいように、川や流れには橋をつける事、
  という判決だったそう!

  ははは、なんともユーモアのある判決ですが、
  さて、ネズミたちに立ち退きを申し聞かせるには、実際にどうしたのか?!
  ネズミの皆さんは、無事に立ち退いたのでしょうかぁ?! ははは。






  乳母車を押した女性と年上の女性、大きな黒いワン君が戻り、
  扉を開けると、最初にワン君がすっと入っていく姿が見え・・。

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  古い重厚な壁の前、自作の額に入った絵と写真、なんだろ、これ?
  単純な装飾かな? 扉の上には、ここにも祝福の印。 

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  最初の町の門に戻って来て、今度は内側を通り抜けてみると、
  こんな様子で、かなり広く。

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  外に出てバスの駐車場に戻る時、お家の庭に咲いていたアイリス。
  やっとお花を見た感じで、目に鮮やか、美しかった!

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  そして町の外にある工場越しに見えた、コイラの城。
  グロレンツァに来る前に見学したのでしたが、興味深い城でした。

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  グロレンツァにはメラーノから鉄道が連絡しており、
  小さな可愛い客車が走っているのも見ました。

  夏のシーズンには賑やかで華やかな可愛い町の姿を見せる様子で、
  また11月2日にはかっての商業交易で栄えた町の姿を偲ぶ
  「Sealamorkt・魂のメルカート」というお祭りがあり、
  クリスマス市も賑やかな様子。
  入口門脇の広場も整備中でしたし、夏にはきっと様々な催しが。


  という事で、南ティロルの小さな歴史ある古い町のひとつ、
  グロレンツァのご案内でした。
       


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