さて最終回のメラーノ・Meranoのご案内は、サン・ニコロ教会からどうぞ!
この教会は一般に「メラーノのドゥオーモ」とも呼ばれている様子ですが、
「ドゥオーモ」というのは司教座のある教会、という定義ですので、
正式には教区教会に当たります。
ちなみにトゥレンティーノ・アルトアディジェ州にあるドゥオモはというと、
県都であるボルツァーノに、そしてトレント、ブレッサノーネの3つだそう。
トップは、後陣背後からの鐘楼の姿で、
見える鐘楼の下のアーチをくぐり、教会脇に行きます。
後陣左脇、鐘楼手前に細めの塔が見えますね。
この塔には教会内から連絡があり、鐘楼に上る階段が付いていると。
これは後陣脇の壁に見えた碑のいくつか。
かって教会脇にあった墓地を、先回見て頂いたサント・スピリト教会脇に
移した際のいくつか、という説明がありましたので、それかと。
鐘楼下のアーチ内にはいくつかの碑やフレスコ画がありますが、
このピエタ像の他に2つあり、
これはしっかり残っていて、林の中で巡礼が、オリエントの男が示す十字架に
祈りを捧げる姿1413年作、ボヘミアの画家ヴェンチェスラーオ・Venceslaoとみられ、
この画家はトレントの城のアクイラの塔、歴月の画の作者と同じです。
見直していて、後半部のご案内を忘れている事に気が付きました、あれま!
このアーチにはもひとつ彼の作品とみられるのがあるのですが、
色が落ち白黒のどこか怪しい雰囲気になっていて、曼荼羅の様なイメージで・・。
教会南面の壁。
真ん中扉上部にある壁画、サン・クリストフォロですが、顔が分かりますか?
左手に杖を持ち、肩の上に子供(実はキリスト)を乗せ川を渡る姿で、
子供のキリストの下に顔が見えます。 が、これは19世紀末の物と。
ニッキの中の聖人像は、14世紀作のサン・ニコラ像。
聖人の衣服にも彩色の跡が見えますが、その左の壁にもフレスコ画の残りが見えます。
多分かっては壁面にフレスコ画が施されていたのかも、ですね。
この扉が現在主たる入口扉として利用されている大きな脇扉で、1430-1440、
ゴシック式飾りが上に重なり見え難いですが、一番内側の下の層には
聖母や子供のキリスト、聖人像が。
では、内部にどうぞ!
この写真でお分かりになるかどうか、実はこの教会内部の内陣後陣部分と、
手前の参拝者席部分との軸が真っ直ぐではありませんで、
正面真ん中に見えるステンド・グラスからの線が、祭壇手前から左にずれています。
というのも、元にあった教会12世紀の物を、町が発展し重要になった事から
1302年に拡張したのが大変にお高くつき、1世紀半以上も建設にかかったそうで・・!
で最初1367年に、ロマネスク様式だった内・後陣を打ち壊しゴシック様式にしたのが
完成、その後に参拝者席部を3廊式に、そしてこの時少しずらした形になり、
多分地形の関係かと思いますが、最後、屋根部分は1450~60年に。
後陣部分のステンド・グラスは15世紀のもので、ティロル式ゴシックの最たる物のひとつと。
振りかえって、入口正面壁側、合唱隊席部分を。
南面に窓が多く、大変に明るい教会内でして、
薔薇窓。
そしてサント・スピリト教会と同じ様に、木製彩色による折り畳める
祭壇式彫像がたくさんあり、
参拝者席の端には、それぞれの浮彫が施されており、
床はタイルと思うのですが、大理石を見慣れた目にはどうもイマイチでして・・。
我々は入った脇の入り口から出て、そのまま広場の方に行きましたので
正面を見ておらずで、はい、ウィキペディアから拝借の写真でどうぞ。
入口扉の隅切り飾りも、南面脇の扉の飾りの方が見事な程ですが、
上部の三角部分タンパンにニッキ風の飾りが3段になっていて、
屋根上の小塔式の飾りも少し厳つい感じで・・。
という様に、やはりいつも見慣れている教会様式とはやはり違い、
内部もフレスコ画がなく、北国の香りの濃い木彫彫刻類がたくさん、という様に。
奥に見える鐘楼は高さ83mあり、アルトアディジェにおいて壮大な鐘楼の一つで、
下の3層までは15~16世紀のもので、
1617年に上層の8角形の物が加えられ、全体で約3世紀掛かったと。
教会の南西部にはこんな広場があり、周囲を囲む建物も中世の面影を残しますが、
広場の端のトランペット吹きが大変に上手く、一帯に心地よく響き渡り、
小路の一番奥に、ほら、最初の回でご覧頂いたボルツァーノ門の屋根が見え、
その手前にも何か古いのがありそうで、ここを通れなかったのが残念でした!
で、我らは広場から西に延びる道、ポルティチ通り・Via Porticiを行きますが、
まさに中世からの間口の狭い家並が続き、ポルティチもずっと続く道で、
そして道の奥に聳える、雪を頂いた高山!!
途中で角を曲がり、見えたこの建物の一番下にTEA SHOP とあり、
茶 という字が見えますか?
で、この木の形は何?と考えていて、あ、鳥居のつもりなんだと、ははは。
最後に広場に出てきて、ここは町のご案内の最初に出た橋を渡った奥の広場、
テアトロ広場で、
我らはパッシーリオ川脇の散歩道に出て、橋を渡りバスの駐車場迄行き、
郊外の「シシーの庭園」に、という行程でした。
美しく明るいメラーノの町散歩、お付き合い有難うございました。
お楽しみ頂けましたように!!
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