チヴィダーレ・デル・フリウリ・Ciuvidale del Friuliの再訪記、
先回のドゥオーモとその博物館に続き、
今回はロンゴバルドの小寺院・テンピエット・Tempiettoという名で
良く知られている、大変に美しい小さな礼拝堂のご案内です。
ロンゴバルドの小寺院、と書きましたが、正式の名は
オラトーリオ・サンタ・マリーア・イン・ヴァッレ・
oratorio di Santa Maria in Valleと言い、
ずっと以前訪問した時とは入り口が変わっておりました。
ドゥオーモから南側の道を左に折れ入って行くと、
通りからアーチの門越しにサンタ・マリーア・イン・ヴァッレの入り口が見え、
ここが入り口というか、切符売り場の入り口で、
表の入り口にも書いてありましたが、現在小寺院の合唱隊席の
木製品部分の修復中でして、
透明なプラスティックで仕切られた広い場所で、男性2人がせっせと修復中で、
その様子を眺める事が出来ますが、
多分この大きな部屋は、かっての教会だった部分だろうと。
ここはサンタ・マリーア・イン・ヴァッレという修道院だったのが、
現在は博物館になっていて、
この小寺院は2011年からユネスコの世界遺産に指定。
こちらはディスプレイに写る木製品の細部の様子。
そこを抜けるとかなり広い回廊を通り抜けるようになっていて、
これは外にあった平面図で、下側の実線の濃い部分が小寺院。
回廊部分から右側をぐるっと迂回する形で下側の通路に出て、
平面図の左側の小さな入口を入ると受付、ブックショップ。
そして右側にある入り口、から内部に。
小寺院はいわば長方形で、図面上側の正方形になった部分が合唱隊席、
とありますが、参拝人も座ったのだろうと、でないと座る場所がありませんものね、
で現在の入り口である手前側が内陣部分。
で、中に入り、手前の内陣部分から見る、正方形の広い部屋側の
正面の壁部分で、ここに素晴らしい漆喰の装飾と、女性像が。
いわば3層に分けられた形で、女性像・聖女像は一番上の段にあり、
左から右に、3人ずつの聖女像で、等身大よりも少し大きいと・・。
柔らかい微笑を浮かべ、手に十字架や王冠とみられるものを持ち、
衣服の襞の流れもとても美しいもの!
◆ 追記です ◆
ミ~タさんがコメントで、この6人の聖女像の中、漆喰製の中には
麦藁が芯に入れられていて、地震などからの崩壊を免れたのだ、と
教えて下さいました。
ミ~タさん、有難うございました!
段毎に装飾の帯の仕切りが入り、この柄はロンゴバルドの典型的な物といい、
中の段には、半円をかたどった葡萄の葉と房の柄があり、
半円内にはキリストと、大天使2人の姿のフレスコ画。
ここの葡萄の葉と房の装飾が美しく素晴らしいものですが、
上と下の半円形の中には、ガラスを使った球状の物が嵌められていたのも
良く分かりますね。
ほぼ完全な状態で現在まで残っているのが信じられないようなものですが、
この礼拝堂が造られたのは8世紀の中頃で、この場所にはもともと当時の
この町の貴族、町の領主でもあったガスタルド・Gastaldoの邸宅があった場所で、
いわば貴族の宮廷の礼拝堂として造られたものの様子。
後に、(今は既に無い)修道院となったここには、ロンゴバルドの執政官の
事務所や住居もあったのだそうで、
現在小寺院内の、元の合唱隊席の木製部分が修復中で取り払われている
部分の床下部分の調査では、
ローマ期後期から初期のカトリック文化時代の構造も残っているのが分かったとか。
中層の半円部分の横に残る、様々な後世のフレスコ画部分。
こちらが現在修復中の木製部分がすべて取り払われた跡で、
かなりの臭気があり、shinkaiはひょっとしてお墓があったのかと!
受付の女性に尋ねた程でしたが、
上記したように古い建物構造が残っていたのだそう。
こちらが元あった姿で、昔尋ねた時は、受付の人懐こい女性が、
こちら側にも入らせてくれましたっけ!
現在は入り口が内陣側の横から入り、逆にこちらを眺める格好ですから、
一瞬どうなっているのかと掴みにくい感じもするのですが、
この写真で見える様に、本当はこちらの入り口、回廊側に開いている
入口から、以前は入ったのでしょうね。
広い側の天井部分と、
正面に向かっての左の壁、そして右の壁。
これはサイトから見つけた写真で、逆向きに見た内陣部分。
かまぼこ型のアーチが3つ並び、
真ん中の大きなアーチの天井部分には玉座のキリストと、
右側が3博士の礼拝と、左側は諸聖人たちかな?
内陣の3つのアーチの仕切り部分の円柱と、仕切りの装飾。
床には様々な石が敷き詰められていて、大きさも色も様々。
外に出て、現在のショップ、元は聖具室だったとみられる部屋の
美しい女性で、撮らせて貰いましたぁ。
本当に久し振りに素晴らしい小寺院の内部に再会、満足して外に出て、
すぐ脇を流れる美しいナティゾーネ川・Natisoneの流れと、
奥に見える古い造りの家並。
お天気が曇りでとても残念!
昔来た時は、あの家並の道も奥にずっと辿り、葡萄畑などで楽しみましたっけ。
せめても、お天気の良い日の写真を見てやって下さいね。
見学を済ませ、出て辿るナティゾーネ川沿いの崖の細い通路。
かってはこちら側からが入り口でしたっけ。
で、広場に出てきて正面に見える教会、サン・ビアージョ・San Biagioと
いう名前を今回調べましたが、
この壁画は昔の写真の中では殆ど色が落ちていて見えないのが、
今回はかなり鮮明で、修復されたのが分かりました。
鐘楼の下、右端に見える丸にIは、「ここはイタリア」の標識で、
このフリウリの地や、トリエステの山手の方に行くとよく見かけます。
この広場で出会った、肩に黒猫ちゃんを乗せて散歩中のシニョーラ。
ほんのちょっと触らせて貰えましたが、かなり警戒の目つきで、ははは。
それにシニョーラのコートは、爪のひっかき傷があちこちに!
ドゥオーモの方に戻りますが、
町自体が古い造りを感じますが、とりわけこの一帯、如何にも中世からの建物、
という重厚な石造りの建物がそのまま残っているのをあれこれ見かけ、
これなど、この日は閉じていて、土日に開きます、という張り紙の見えた
ロンゴバルドの装飾を模したアクセサリー店で、建物は13世紀からの物と!
で、サイトを探していて、この建物の2階が「中世の家」として
公開されているのが分かりました。
備えられた設備品などは新しすぎて少し興ざめですが、
それでもかっての中世の家の大きさを感じるには良いかも。
時間がちょうど良い方、どうぞ。
道も壁も家も、すべてがっしりとした石造りで、ちょっと威圧感も受けるほど。
一応、町の有名な「悪魔橋」にも行き、橋の右側(東)と、
左側、 モミジの赤が美しく、
ナティゾーネ川の、本当に澄んだ美しい水、エメラルド色なのです!
お昼を食べに近くのトラットリーアに。
曇り空で、寒い日ではなかったのですけど、
ミネストローネのスープを、パルミッジャーノをたっぷりかけて頂きます。
そして、ポレンタを敷いた、香草入りの卵焼き。
デザートには、この町のお菓子グバーナ、シュトゥルーデル式の味、
と、カフェを飲まないshinkaiは、オルゾ・大麦カフェを。
お昼を食べている内に漸くに晴れてきて、
チヴィダーレ再訪の最後は、ドゥオーモの隣にある国立ロンゴバルド博物館に。
ですが大急ぎの見学で、余り写真もないので、
分家の方の第2部で見て頂きますね。
チヴィダーレからバスで行ける信仰の地カステルモンテの様子は
11年ぶりかの再訪で、最初は驚いた新しい駅周辺でしたが、
町の中心部は以前と変わらずの、落ち着いた豊かな雰囲気と、
見学場所はかなり整理された、という感じを受けました。
多分ユネスコの世界遺産指定が影響しているのでしょうね。
ウーディネから近いので、是非時間を取ってお出かけを!
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◆ お知らせ ◆
ロマネスクの教会を訪ねて、スペインのカタルーニャ地方から
国境を越えてのフランス南部をめぐる旅行記が
クリスさんのブログで始まっています。
なかなかshinkaiも行けない場所ですが、
素晴らしい教会のご案内に楽しませて貰っています。
どうぞ皆さまもご訪問を。
こちらから、どうぞ。 https://4travel.jp/travelogue/11301596
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