この14日の日曜日、仲間と近くの小さな町サルメデ・Sarmedeで
開催中の「子供の絵本挿絵原画展」に出かけて来ました。
展覧会については、今迄にも何度かご案内しておりますが、
会場の様子、サルメデの様子などはこちらに。
今回はとりわけ「日本」が主テーマだというので、
友人ともども興味を持って出かけました。
今回の主賓招待作家は、フィリップ・ジョルダーノ・Philip Giordano
という方で、日本に住み、日本での絵本出版もされておられるようなので、
詳しい方もおいでかも。
私めなどは付いていけない、ははは、着想と作品でして、
これは「かぐや姫」ではないか、と思いますが・・。
こちらが今回トップの写真の絵本「昔、むかし」に、
作品を出されている方々で、 やはり日本人の名が多く見られ、
作品原画はこういう、いわゆる日本的な雰囲気の物もありますが、
モチーフは「一寸法師」と思いますが、
上の絵は、確かに着物を着た女性ではあるものの、中国やアジアの
雰囲気もあるように思いますし・・。
会場にはこんな風に、原画の下にその絵本が下がっていて
読めるようになっており、
子供たちが来て読んだり、お母さんが読んだり、またゆっくり座って、と
いう場所も設けられています。
今回は、俳句のコーナーもあり、「俳句、日本の詩の花」と。
時々、日本のアイクの本を読んでいる、とか、アイクの会がある、
とか聞くほどに、こちらイタリアでも日本の俳句は有名なのですけど、
イタリア語のHを発音しない読みで「アイク」と言われると、
いささか抵抗を感じ、ははは、
友人たちには「アイクではない、ハイクだよ」と教えますが・・!
幾つか撮ったものの中からご紹介を。
里古りて 柿の木持たぬ 家も無し 芭蕉
ただ、良く知っている俳句は頭に漢字、ひらがながすらっと出ますが、
ローマ字で知らない俳句を読むと、逆にイタリア語での俳句を
読まないと、ああ、そうか、 となりませんで・・!
春雨や 猫に踊りを おしえる子 一茶
これは絵がまさにその場の状況を伝えており、友人たちにも
評判が良かったもの。
山道の 案内顔や アブが飛ぶ 一茶
鹿の角 借りて休みし 胡蝶かな 一茶
取り上げられている句は、すべて芭蕉と一茶で、
一茶の様に生涯で読んだ句数が多いと、確かめるのも難しく・・。
初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり 芭蕉
初時雨、という季語自体に「初冬に降る最初の冷たい雨」という意味が
ありますから、我ら日本人には即その底冷えの寒さが感じられますが、
イタリア語にはその言葉が無いためなのか、
訳では単に「最初の雨」で、こういう所に、う~~ん、という感じを。
古池や 蛙飛びこむ 水の音 芭蕉
ああ、やっと有名な一句が出た、と喜んだのでしたが、
Ah! と、感嘆符のついたああ!があり、
これだと、蛙がちゃぽんと飛び込んだ小さな水音、ではなく、
大きな蛙がドボン!と飛び込んだ音みたいだなぁ、と、
小姑shinkai。ははは。
行く春や 鳥啼き 魚の目は涙 芭蕉
これは一番違和感を感じた作品で、この句は老いた芭蕉が
「奥の細道」に旅立つ朝の、送ってくれた人々との別れの句と言いますが、
何だぁ、この赤い色! 花を持ち頭にも花を飾った女性が歩いて行き、
水鳥が後を追い、魚が目に涙を浮かべている!
俳句は、世界一短い詩、である事にのみ意味があるのではなく、
その短い中に込められた世界は感傷の世界でもあり、
これだと侘び、寂という説明はあるものの、
日本人の意識が本当に伝わっているとは思えんなぁ、と。
俳句を訳す方の仕事も大変なんでしょうけど、も少ししっかり
その奥にあるものを知って欲しいなぁ、
そして絵を描く人も、一句の重みを知って描いてほしいなぁ、と。
会場には、日本の絵本のコーナーもあり、
中に一冊、「被爆者」という本があり、これは絵本ではなく写真で、
広島と長崎の被爆から生き延びて居られる方々の本があり、
日本語でしたので、簡単な説明ですけど友人達にしました。
日本の妖怪を描いた歌留多かな、があり、どんな妖怪かの説明が
横にあったので、皆が喜んで読んでおりました!
イタリア語での出版の本もありましたが、こちらはフランス語での出版の
フジモト ススムさんの絵本で、いわさきちひろの少女像を思い出し。
こちらはスロヴェニアのマヤ・カステリック・Maja Kastelicという
作家の作品。 柔らかい光の入り方と、優しい線、色が気に入り、
本原画が出来上がるまでの試行錯誤の過程も興味深く。
会場はあまり広くなく、1階と2階に分かれているのですが、
2階への階段上に、小さな僕の靴とコートがあり、なんとも可愛く!
僕はソックスで走り回っておりました、はは。
一緒していたルイーザは家でレナートが留守番なので戻り、
この日のお昼は、コネリアーノに戻る途中のカペッラ・マッジョーレ、
ここは以前ロンゴバルドの教会を見に行ったすぐ近くですが、
そこの「タビアラ・Tabialà」という所に。
いつもサルメデの展覧会の後は、急傾斜、旧カーヴの坂道を上った
アグリトゥリズモに行ってたのですけど、
今回はshinkaiが、食べる時に少し飲んで、その後あの急傾斜の道を
戻るのはあまり嬉しくないから、平地に降りてからレストラン・
ピッツェリーアがあるからそこに行こう、と提案したのでしたが、
以前一度行った事があり、知っていた事もありましたが、
これが正解でした。
内部はかっての古い建物を改装したと思われる
頑丈な石壁と木組みが残っており、
2階は干し草置き場だったものと。
夏にドロミーティの山の家に行った時、以前案内してくれた村の
個人博物館が確かタビーアと言いましたから、その種の言葉からと。
壁も床もテーブルも古い板を使っていて、感じが良かったですが、
いつもの仲間、左がジュリアーナ・ミラン、 そしてエレオノーラ。
エレオノーラのは、ファジョーリ・エ・パスタ・インゲン豆のスープに
ショート・パスタが入ったもので、既にパルミッジャーノをかけて混ぜ混ぜ!
ジュリアーナ・ミランは、グラーシュ・ハンガリア風肉の煮込み。
今回は久し振りにタータ、左も来て、右はいつものジュリアーナ。
タータは、バカラ・鱈のトマト・ソース煮、ポレンタ添え。
味見しましたけど、美味しかったぁ! 次回はこれにしよう!!
ジュリアーナとヘルガ、shinkaiは、ラディッキオ・トゥレヴィッジャーノ
のリゾット、美味しかったですし、量もたっぷり!
そしてセコンドに、野菜のフリットと、ズッキーニのフリット・唐揚げを
3人前ずつ頼み、半分ずつ分け、それにラディッキオ・トレヴィッジャーノの
グリルを一皿頼んで、皆でちょっとずつね。
という事で、これがshinkaiのお皿。
誰かが何かもう一品頼もうとしましたら、到底食べられませんよ、
とウェイトレスの女性が教えてくれたりもありましたし、
プリモの後で、ナイフとフォークを全部取り換える、という様な、
この頃我らが行く店ではない様なサーヴィスも、ははは。
生ビールの中を頼み、ついでにいつものようにジュリアーナが頼む
小ビールの半分も頂き、ははは、
皆が美味しくお腹いっぱい頂いたので気分よく、
ここはとても良いから、いつもピッツァではなく、また来よう!という事に。
サーヴィスの若い可愛い女性も気持ちの良いサーヴィスで、
最後は皆がカフェに、消化を助けるというグラッパ酒を入れたのを頼み、
ははは、手前に見えるのは、グラッパに干し葡萄を漬けたもの、
エレオノーラは、フェルネット・ブランカという消化用リキュールを頼み、
その味も久し振りに味わう、仲間との賑やかなお昼でしたぁ。
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◆ 個展のお知らせ ◆
広島の絵の先生、友人の田谷行平さんが、恒例の新年の個展を
1月20日から28日まで、ギャラリーたむら にて開かれます。
今年の個展のテーマは、day after day との事。
どうぞお出かけ、ご高覧頂けますよう、ご案内申し上げます。
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