先回に続き、トスカーナ州の南東の端、南のラツィオ州、東のウンブリア州に
近いピティリアーノ・Pitiglianoの町のご案内、2回目を。
ピティリアーノがどこにあるか、などの地図は先回載せていますので、
そちらをご覧下さいね。
以前のトスカーナ州のご案内は
まずは上空からの写真、郊外に広がる新市街から南に向かい、
崖の上にまるで樹海に浮かぶ島の様に突き出した様。

手前右に見える大きな内庭を囲む建物は、オルシーニ家の館で、
ここは現在美術館と図書館に。
中ほどに突き出している高い太めの鐘楼は、この町の主要教会
サンティ・ピエトロ・エ・パオロ聖堂の物で、後程内部を。
こちらは4泊した宿の窓から見る、朝日の町の姿。

この宿グアスティーニ・Guastiniはちょうど旧市街の入り口に位置し、
眺めも良く、お値段もお安くお勧めです。
レストランもあり、2食付きのメッゾ・ペンシオーネもあるそう。
我らは朝食しかここでは食べなかったのですが、
たくさんあれこれ出て良かった記憶があります。
これは朝に窓から見た鳥たち。ラツィオに行った時も見たのですが、
なんという鳥なのか、カラスより鳩よりも少し小さかったと。
目の周囲が黒いので、ちょっと凄んでいるみたいでしょう、ははは。


さて、先回町の代名詞「小さなジェルサレム」の由来ともなっている
かってのユダヤ人居住区ゲットー跡にある、博物館の様子も少しご覧頂き、
谷に向かって下る石段、建物類もご覧頂いたので、
今回は町中の様子と教会を2つご案内致しますね。
町の先に行くにつれ、最初は町の幅が広いので3本ほどある縦の道が
次第に終結し、最後1本となる道が、ヴィア・アルドブランデスキ・
Aldbrandeschi通りで、名の由来は領主だったアルドブランデスキ家から。

アルドブランデスキ家というのは、名前からご想像の様にロンゴバルド系で、
8世紀終わりからトスカーナからラツィオにかけて広い一帯を領していた伯爵家。
で、当時はピティリアーノの西にあるソヴァーナ・Sovanaの方が大きかったのが、
13世紀の終わりに、最後の嫡子であったアナスターシャがオルシーニ家と
婚姻関係を結び、ロマーノ・オルシーニは本拠をこちらピティリアーノに
移したのだそう。
その後分枝のアルドブランデスキ家も15世紀には消滅していきます。
で、このアルドブランデスキ通りが始まるのが、この教会前からで、
2つの通りが一本になっているのが分かりますが、
教会の名はサンタ・マリーア・エ・サン・ロッコと2人の聖人名。

教会は元異教徒の宗教的なものの跡に12世紀に建設されたものだそうで、
内部はこんな様子ですが、身廊の奥にはキリスト教らしいマリア像の
フレスコ画も見えますが、

上部には1891年と書かれて、かなり世俗的な紋章が描かれていて、

一時は教会が閉められ、普通の工場的に、住居にも使われていたとか、
サイトに説明がありました。
道は緩やかな下り坂で、お年のシニョーレがゆっくりとこちらに。

脇道にそれ、かっての共同洗濯場、閉まっていましたが、を見たり、


覗きこむ谷、町の西側の様子。

そして石段を下って行くと、

もう一つ大きな石段が続き、ぐるっと回りこんで、

ここはソヴァーノ門。 ピティリアーノの西にあるソヴァーノに続く道で、

ソヴァーノからは両側から迫る山、崖を切り抜いたヴィア・カーヴァ・
Via Cava と呼ばれる有名な道があり、それに繋がるのだそうですが、
車で走りながら探したものの、この時は見つける事が出来ず・・。
門の外から見る、町の西側の建物の並び。
こちら側も反対側と同様、断崖の上に。


古い岩の美しい色と、古びてはげちょろけの倉庫の扉。
何とも良い色でしょう?!

下りの石段も苔むし・・。

狭い町中の道を行き、あれこれ運搬するのには欠かせない小型3輪車。
いろいろな色のに出会いましたぁ。
shinkaiは一番上の写真を見るたび、映画「ジョーズ」のテーマ曲を、
思い出すのです、ははは。



ただいま帰りましたぁ、 入れてくださ~い!

そしてこちらが町のドゥオーモと呼ばれる、聖堂サン・ピエトロ・エ・パオロ。
建設は中世なのだそうですが、16世紀に改装され、その後にも
根本的な改装が行われているそう。

確かに鐘楼の上部は古い部分が残ってますが、この辺りは要塞としても
使われていたのが、鐘楼に改装されたと言い、聖堂正面は後期バロック様式。
内部はこんな様子で、バロック様式の一廊式で、収められている美術品類も
17~19世紀の物と。

聖堂前は広場になっているのですが、その南側にバール兼レストランがあり、
その左前にある、素晴らしい彫りを施された角柱の上の動物。
盾を持っているのですが、

これです、キツネみたいに見えるのですが、脚の間に立つ大きなもの!
くっくっと笑えて来て、ははは、しっかり撮った次第です。
何か謂れがあるのでしょうけど、見つからず残念!

肉屋さんの前の看板と、店の内部。
生ハム薄切り100g 1,14エウロ!


ワイン店のショウ・ウインドウ。

オリーヴ油などが並んだショウ・ウインドウなんですけど、
埃まみれの、ははは、瓶に並んで、ブルネッロのグラッパの箱!

ブルネッロのグラッパなんて、これはさぞ強くて美味しいでしょうねぇ!!
味わってみたい!
旧市街入り口の広場まで戻って来ると、ここは西側にも大きく展望が開け、
覗くと、続いて始まる家並が見えますが、案外無人の家も多いのかも・・。

深い谷に落ちる滝水も見え、

広場にはロバと老農夫の銅像が。 かってのこの一帯の農夫の姿でしょうね。

お天気になり、地面が濡れていない広場で、何かを見つめる猫ちゃん。

旧市街を囲む建物と一体になった高い城壁があり、

上から覗く、城壁外の町の並び。 でもこの一帯はまだ古い家並。
上に行くと新しい家並が広がり、スーパーもありました。

陽が射したと喜んでいるかの様に、ゴロンゴロンを見せてくれる猫ちゃん。
うん、shinkaiも一緒にゴロンゴロンしたいよぉ。


という、猫ちゃんがいた谷の向かいから見るピティリアーノの町を再度。

そして、上空から見る家並。 まさに突き出す半島、ですね。

という所で、2回にわたりご覧頂いたトスカーナの特異な町ピティリアーノ、
歴史的にも、眺望的にも大変特異なピティリアーノのご案内を終えます。
最後は夕空の色が深くなり、照明が一層輝く町の姿を。

お付き合い、有難うございました。
◆ 個展のお知らせ と ブログお休みのお知らせ ◆
3月19日から25日まで、東京八重洲地下街のギャラリー八重洲にて
個展を開かせて頂きます。
新しく描きためた20枚ほどを含め、約40点ほどの展示となります。


私にとりましては初の東京での個展であり、また殆ど友人も知り合いも
いない東京ですので、いささか緊張しております。
お知り合いの方にもお知らせ頂けましたら、とても嬉しい事ですし、
ブログを見て下さっている方、絵に興味をお持ちの方、
またイタリア旅行についてのあれこれ、
お出で下さり、お喋りできるのを楽しみにしております。
ご高覧よろしくお願い申し上げます。
*****
という事で、今回のブログが最後で、15日にこちらを出発しますので、
個展が済み、無事戻って来る、ははは、3月末まで
ブログはお休みさせて頂きますので、よろしくお願い致しま~す!
東京でお会いできるのを楽しみに!!
◆ 友人の個展のご案内 ◆
広島の絵の友人越川道江さんの油絵展が3月27日より4月1日まで
広島県立美術館県民ギャラリー展示室5 にて開催されます。


大作を含めての油絵30点の展示との事。
どうぞお出かけご高覧下さるよう、私からもご案内申し上げます。
*****
コメントの書き込みについてのお願い。
ブログの記事下に、「コメントを書く」が出ていない時は、
上か右の、記事タイトルをクリックして頂けると
記事の一番下に「コメントを書く」が出ますので、よろしくお願いいたします。
非公開コメントをご希望の場合は、非公開で、と書いて頂くと、
コメント承認制ですので、保留にし、お返事だけ公開しますので、
それもご了承下さいませ。
*****
色鉛筆+水彩画ブログには、
アップしています。
見てやってくださ~い!
ご訪問、よろしくどうぞ!
*****
いつもブログご訪問、有難うございます!
応援も宜しくお願い致しま~す!