美しいシエナのドゥオーモの正面・ファッチャータ・Facciata と
イタリア語で呼びますが、それをまずご覧頂き、
イタリア語で呼びますが、それをまずご覧頂き、

上の写真右奥に切れて見えるアーチの横はこんな様子で、
茶色の壁が見える所は現在シエナのドゥオーモ博物館に
なっている事は皆さんも良くご存知、見学もされた事と思います。

で、その奥に見える高い壁、煉瓦壁むき出しの所、既に大理石で
化粧済みの所が混ざっておりますが、
ここがファッチャトーネ・Facciatone・大きなファッチャータ、
大きな正面、と呼ばれるもので、
大きな正面、と呼ばれるもので、

シエナが現在に残るドゥオモの建設を始めたのが1220年頃、
完成が1370年頃ですが、1339年にドゥオモの増築を決めます。
つまり現在あるドゥオーモが両翼となる形に、本廊部分を
もっと大きな形で造り、ドゥオーモのクーポラの高さで繋ぐ、
という増築案ですね。
この図の右側が、新しく建設される筈の本廊部分の計画だった訳で、

現在残る真っ直ぐの壁以外に、半円形の回廊付きの後陣部分があり、
そして放射状に礼拝堂も出来る計画だったと。
そして放射状に礼拝堂も出来る計画だったと。
工事に取り掛かり、これが現在残るファッチャトーネの装飾ですが、
既に見事な装飾が施されているのですね。


こちらがカンポ広場から見えるファッチャトーネの上部と、

サイトで見つけた斜め上方からの背後の様子。

当時のシエナは10世紀頃既にローマへの通商路に位置する重要な街で、
12世紀前半ますます繁栄するシエナは教皇領との関係も良好で、
シエナの銀行家達は、ローマ法王庁の権限許可にも関わる程の力を持つ
存在だった様子。
つまり経済的に大変力を持った街に発展していた訳で、建設中の
ドゥオーモの形が見えて来た時点での、増築決定だった訳ですね。
ドゥオーモの形が見えて来た時点での、増築決定だった訳ですね。
現在のドゥオーモに接するアーチ部分で、右に現博物館の入り口が見え、
左のアーチの下に見える通路口は、

こんな風に階段を下り、下の洗礼堂入り口に続く道で、
外側には既に脇扉の装飾も完成しており、

上部の装飾はこんな様子。

つまり1339年に増築が決まり、着々と工事が進んでいた訳ですが、
1348年、1357年とペストの流行があり工事が中断、
この後街は徐々に衰退の道を辿り、工事が再開される事なく、
1555年4月にシエナ共和国自体が、フィレンツェと組んだカルロ5世の
元に下ったという事になります。
というファッチャトーネの概略をお話した所で、
ドゥオーモ博物館見学方々上に上ろうと思い、まずは博物館に。
暗い中に各彫像に光が当たっている展示で、目に故障を持ちいささか
鳥目の感あるshinkaiは暗いのが苦手ですが、
鳥目の感あるshinkaiは暗いのが苦手ですが、
まずこちらが、ドゥオーモの薔薇窓のオリジナル。

ステンドグラスの作り方は現在は色ガラスの発展で、元のデザインに合わせ
ガラスを切り、ハンダ付けをするという割と手軽なものも出来るらしいですが、
13世紀当時はなかなか大変だった様子で、
ガラスを切り、ハンダ付けをするという割と手軽なものも出来るらしいですが、
13世紀当時はなかなか大変だった様子で、
この直径5,6mの薔薇窓の画のデザインはドゥッチョが描き、
その後ガラス師のマエストロが仕上がり可能な画にし、その後
色付け前のグリザイユはドゥッチョ自身がしたのだそう。
グリザイユ、というのは油絵をされる方などご存じでしょうが、白から黒への
濃淡のみで描く事で、レンブラントのグリザイユというと有名ですが、
濃淡のみで描く事で、レンブラントのグリザイユというと有名ですが、
ガラスへの着色の前にこれをする事で、立体感や深みを与えることが出来、
その後着色、縁を付け接触する、そして色の焼き付け、という仕事順で、
当時はやはり大変な仕事だった様子ですが、
ドゥッチョが手掛けたステンドグラスの仕事はこれが唯一だそう。
その後着色、縁を付け接触する、そして色の焼き付け、という仕事順で、
当時はやはり大変な仕事だった様子ですが、
ドゥッチョが手掛けたステンドグラスの仕事はこれが唯一だそう。
ドゥオーモ正面の様々な彫像の原型がここに展示されており、



一番奥にあるキリストと天使の像は、上で見て頂いた新しいドゥオーモ
建設の脇入り口の、外側の上部、階段で下の洗礼堂に連絡する
あの扉装飾のもの。

ここには様々な素晴らしい絵画もたくさん展示されているのですが、
朝からあちこち見学して歩いたshinkaiはいささかぼーっとしながら歩き、
この祭壇画は誰のだったっけ、や、素晴らしい櫃などを見ながら、

【 追記 】シニョレッリさんがコメントで、上の祭壇画はグレゴーリオ・ディ・チェッコ
(14~15世紀にかけてのシエナ派)の「トロメーイの祭壇画」と教えて下さいました。
シニョレッリさん、いつも有難うございます!
シニョレッリさん、いつも有難うございます!

この女性像の顔も素敵だと思ったのですが、
着色の青色の剥げ加減が、ちょっと艶めかしいなぁと思ったりで、ははは、

多分この隣の部屋がファッチャトーネへの上り待ち部屋ったと思いますが、
そこで2回分待ち、30人ずつ15分の回転でして、
この写真はドゥオーモの「天国の門」へのらせん階段ですが、
よく似たこんな階段、つまり壁の厚みの中を行くらせん階段を上り、
よく似たこんな階段、つまり壁の厚みの中を行くらせん階段を上り、

ですがドゥオーモの階段よりも狭く、正面を向いて上れず、常に目の前が
壁いう状態で、おまけに前も後ろも数珠繋ぎではぁはぁと・・!!
壁いう状態で、おまけに前も後ろも数珠繋ぎではぁはぁと・・!!
上に上ってから、一体何段あるのかと係りの女性に尋ねましたら、
130段!なんですって。
130段!なんですって。
これはドゥオーモのクーポラの横から見たファッチャトーネの上ですが、
確かに、拡張を決めた時に意図した通り、ドゥオーモよりは高い!!


上から眺めるドゥオーモですが、右に延びる屋根が現在の博物館、
そして接続部のアーチの上になる訳で、
左側の壁は現在県庁の建物になっている様子。

蛇足ながら、上のファッチャトーネの写真を撮ったのは、
正面に見えるクーポラの回廊部分、2層になっている下側から。
正面に見えるクーポラの回廊部分、2層になっている下側から。
ファッチャトーネの上の幅ですが、ほら、ご覧頂くと分かりますが、
1m程でして、本当に狭く、ここに我らの時は見学者が多く30人でしたから、
自由に歩くのもやっと、という感じでしたね。

おまけに曇り空になって、写真の色の発色が鈍いのがとても残念ですが、
こちらが南側の足元。 ここは34年前、ははは、に一度上った時の記憶に
良く残っている場所で、
良く残っている場所で、


その右手。

サン・クレメンテ・イン・サンタ・マリーア・デイ・セルヴィ聖堂・
San Clemente in Santa Maria in Servi、南東に見えます。

名前も長いですが、1255年から建設、1537年に完成という様に、
ゴシック、ルネッサンス、ネオゴシックと拡張ごとの年代様式の違いが
混ざった、ちょっと面白い正面をしています。
ゴシック、ルネッサンス、ネオゴシックと拡張ごとの年代様式の違いが
混ざった、ちょっと面白い正面をしています。
内部はこれも何度か改装されたすっきりした様子ですが、
正面は次回またシエナに行くチャンスがあったら、眺めに行きたいと。
正面は次回またシエナに行くチャンスがあったら、眺めに行きたいと。
こちらは南西側、ファッチャトーネのすぐ足元で、
下の写真は隣の県庁舎の中庭の壁。


そして東に見えるカンポ広場とマンジャの塔。 やはり素晴らしい!


ここの眺めが午後遅めの陽を浴びる時にと、時間も4時過ぎを狙って
上ったのでしたが、それまでお天気だったのが曇り空となり・・!
上ったのでしたが、それまでお天気だったのが曇り空となり・・!
クヤチイ。
カンポ広場の外れから北方面に視線を動かすと、ドゥオーモの壁。


そしてドゥオーモ正面のサンタ・マリーア・デッラ・スカーラ博物館と、
ドゥオーモの上部。


それにしても、これだけのドゥオーモを造りながら、
もっと大きな本廊部分を増築しようと考えた、
13、14世紀のシエナの人々の意気!
当時にあって多分世界で唯一だったろうという、市民自身の希望による
自由主義な政治体制を組んでいた、というシエナ。
自由主義な政治体制を組んでいた、というシエナ。
経済発展がシエナ派と呼ばれる絵画の美しい流れも生み出し、
意気軒高たる町だったのでしょうねぇ!
意気軒高たる町だったのでしょうねぇ!
今回の最後は、
shinkaiはこんなカンポ広場を撮りたかったんですぅ! ははは。

15分という忙しいファッチャトーネ上り下りで、130段のらせん階段を
上るだけでもかなりの大手間なのにね、
上るだけでもかなりの大手間なのにね、
で、降りて来た時はドゥッチョのかの祭壇画も、ロレンツェッティ等も
見るのをコロッと忘れており、ははは、
雨もぱらつき始めたので、さっさと宿に戻ったという一日でしたぁ。
また行かないとね!
また行かないとね!
そうそう、上からの展望は、グーグル・マップで「facciatone di Siena」
と打ち込み、出て来たマップで、右下からストリート・ヴューの人型を
引き出し塔の上に重ねると、360度の展望を見る事が出来ます。
お試しを!
と打ち込み、出て来たマップで、右下からストリート・ヴューの人型を
引き出し塔の上に重ねると、360度の展望を見る事が出来ます。
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