・ パルマの聖堂 ・ 12世紀のロマネスク様式を正面壁に残し

今日はパルマの聖堂サンタ・マリーア・アッスンタ・Santa Maria Assuntaの
ご案内を。 最初は同一のドゥオーモ広場にある洗礼堂も一緒にご案内をと
思ったのですが、写真を整理して見ると到底一回分には収まらずで、
洗礼堂は次回にしますね。

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私めはガイドブックでも、説明についている写真が1,2枚だと、関係がどうなのか、
見えない所はどうなんだろうと、割としつこく知りたい方で、
興味があって知りたくて調べるので、納得できる説明と写真が見たい訳でして・・、
という事で、私のはいつも写真が多めになりますが、ご了承くださり、ごゆっくりと!

パルマ全体の見所については、先回こちらにご案内を。
http://www.italiashiho.site/article/462907746.html



鐘楼、高さ63m、と一緒に全体を入れるのはなかなか難しく、鐘楼を切りまして、
ロマネスク様式が素晴らしい聖堂正面はこんな様子で、

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ちなみに聖堂正面の高さは29m、幅は28mと。

正面扉は張り出した柱廊式玄関となり、脇扉が2つ、上に2層にロッジャがあります。

屋根の勾配の下にロッジャが沿うのはロンバルディーア式なんだそうで、この形は
このエミーリア・ロマーニャ州のみならず、トスカーナにも、ヴェネトにも見かけるもの。

古い初期キリスト時代の聖堂がこの広場にあったのが火災に遭い、9世紀に再建、
これは最初のと少し距離を置いた場所でしたが、これも再度1055年か58年に火災に。

で、現在我々が見るこの聖堂は1074年から建設が始まり、1178年に完成の物。
右端に洗礼堂が切れ、道の奥に見えのが、サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会。


13世紀末に建設の鐘楼は、それ以前にあった古い塔に替えられたゴシック様式で、
中程に時計があり、鐘楼の鐘は大小6つほどあり、メロディを奏でる訳ですね。

で、こちらが鐘楼頂上部で、

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一番上には、金色に塗られ、手に十字を持つ天使像が。

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2009年10月21日と22日にかけての夜にこの天使に稲妻が落ち、避雷針も抱えて
いるのですが、どうやら火事も引き起こした様で、修復にも年数が掛かった様子。



洗礼堂の前から見た聖堂中央から左脇の扉にかけてで、

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ご覧の様に、正面の石は切り石で、殆ど色も変わりがありません。



正面扉の柱廊小玄関口の、円柱を支える2頭のライオン像と、

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正面扉と、その上の浮彫を施された横柱。

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見上げる柱廊式玄関口。 上に更にもう一層が重なります。

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一階部の浮彫のちょうど中央部、太陽の顔かな、があり、農民の働く姿が続きます。

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現在の一般入り口は、正面左のこの入り口で、

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扉脇の浮彫、左にはセイレーンかな、2尾を持つ人魚がいて、その右には1つの頭の
ライオンがいて、これらはあちこちのロマネスク教会で見かけるものですね。

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ピエンツァのコルシニャーノ教会
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461832854.html

サンタンティモ修道院再訪
http://www.italiashiho.site/archives/20170414-1.html

ソヴァーナの聖堂



そして、右側、 これは伝説の鳥獣グリフォーネかな?

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と全体。 上部の柄は細かい装飾的な物なので、案外後世に追加したのかも。

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入口扉。 周囲の縁飾りは少し違いますが、真ん中の花柄は中央扉と同じ。

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さて、内部に入ります。 3廊式の堂々たるもので、正面のロマネスクの素朴さとは
打って変わり、何度もの改装を経た、殆どがロマネスク期の物。

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が、内陣に上がる階段がある古い姿はそのままで、一体何段あるのかと自分の写真で
数えましたら、はは、17段でした。 で、内部の長さは78,5mと。



高い天井に至るまで、すべてフレスコ画で装飾されていて、
下の層は旧約聖書のモチーフで、上部は新約聖書からとで、天井の十字ヴォルトも
含め、すべて16世紀に描かれたもの。

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右の側廊からは、それぞれ礼拝堂が張り出します。



17世紀の木造という、煌びやかな説教壇があり、この燭台も手が込んでいますね。

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側廊から張り出す各礼拝堂には、こんな豪華絢爛なのもありますが、

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shinkaiには、どの家柄か、こんな古い素朴なフレスコ画装飾の物が好ましく、

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偶々朝日が射し込み、フレスコ画の下塗りが落ちてのポッコリの穴が新鮮に見え!

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豪華なパイプオルガンが階段の上にかかる形にあり、向かい側には合唱団席があり、

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階段前からはこんな様子で見え、内陣、そして後陣と続きます。
奥に続くヴォールトのフレスコ画はいずれも16世紀のコッレッジョ・Correggioの作。

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手前のクーポラは、「聖母被昇天」をテーマに1524年から30年に描かれたもの。

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このクーポラは16世紀の拡張工事で出来た八角形のもので、周囲に8つの窓が開き、
650㎡の広さなのだそうで! しかもかなり騙し絵的な立体感を持たせてあり、
一番下の段には、まるで手すりでも在るかのように天使や使徒たちが動き、

一番下に延びる三角部に見えるのは、洗礼者ヨハネで、他の書く3隅には
街の守護聖人が描かれていると。



真ん中は天の神を表す、明るい黄色で光が射し込み、中段には厚い雲に埋もれて
天使たちが絡みもつれ、その中を聖母が上空に向かい、両手を広げたちょうどその先に
アダムとエヴァがいて、聖ヨハネ・聖母の夫もいる、が、上の右端に切れている人物かも。

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この写真はご一緒したMMさんが、全体の中で聖母がどこにいるのか分からない、と仰り、
それはもう赤い衣服に青いマントのこの方よ、と説明板の写真を見つつ話したので、
確認のために何枚か撮った内の一枚で、

いつもは赤い衣服が渋いピンクになっていて、なんともたくさんの天使がもつれていて・・!
下からちょっと見上げただけでは見つけにくい構図でして、

おまけに彼女が言うには、真ん中の黄色の中にいる人物は、お迎えに来ている、と
いう事でしたが、どう見てもshinkaiには落ちて来ているように見え、ははは、失礼、

それに天からのお迎えなら、天使とかだろうし・・、とあれこれこれを書きながら
疑問点があり、難しい絵はshinkai向きでないという、ははは、かも。



そんなこんなで、後陣の同じコッレッジョ作のフレスコ画は写しておらず、翼廊にあった
他の礼拝堂は見ておらず、はは、おまけに地下礼拝堂も見ずで・・、
まぁね、コッレッジョの作品でも一番有名なクーポラを見ましたのでね、へへ。

こちらは内陣にあった12~13世紀の石棺が使われている祭壇で、11使徒(12人の内)
が4面に掘られている物。

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内陣から見下ろす身廊と、右の側廊、そして礼拝堂。

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豪華絢爛たる内部に残る、こんな素朴な椅子も良いでしょう?

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これは正面扉の内側のフレスコ画で、ラッタンツィオ・ガンバラ・Lattanzio Gambara
がやはり16世紀後半に描いた物で、「キリスト昇天」。

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彼は身廊両脇上部のフレスコ画も描いており、

こちらは下部で、上部ともどもトランプルイユ・騙し絵的な手法を使っていますが、
それにしても、この手前の人間との大きさを比較し、その凄さのご想像を!

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外に出て、こちらはドゥオーモの奥、東にあるサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会。
教会内のクーポラにやはり、コッレッジョの「キリストの昇天」がありますが、

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こちらでこの教会のご案内を少ししております。
http://www.italiashiho.site/archives/201809-1.html



これは聖堂の翼廊部分の張り出し部分で、

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下部にはロンゴバルドの模様が残っていて、古い基部を利用したのが分かりますね。

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これはぐるっと回った後陣の張り出しの上部で、あれこれ装飾に残る動物たち。

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後陣の背後を回って広場に戻り、古い歴史を語る広場の丸石舗装と、

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聖堂前の石段に腰掛けてお喋りの二人。

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で、最後は、12世紀からの聖堂の上を飛ぶ、飛行機!

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ずっと昔、27年前になるか一度パルマを訪ね、その時にこの聖堂も洗礼堂も
見学しているのですけど、イメージに残っている広場も内部もまるで違い・・!
何か新しく見学したような気持ちで、
この記事を書くにも改めて調べたり知ったりした事が多く、再発見の旅をしています。

見て下さる皆さんにもどうぞ楽しんで頂けます様に!!


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