・ スコミーゴ村一帯を駆け抜ける自転車競技 ・ 第19回 コネリアーノ杯

フィレンツェ周辺に点在するイタリア遺産の、メディチ家のヴィッラのご案内を
一旦お休みし、

この18日日曜に行われた地元での自転車競技、「第19回 コネリアーノ杯」の
様子をご覧下さいね。

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こちらは8月15日がフェッラゴスト・Ferragostoと呼ぶ、夏の絶頂点の祭日で、
続く18日日曜がこの夏のお休み最後、的な日となり、

友人連中からコネリアーノのお城横にあるレストランでお昼はどう?と
いうお誘いで、久しぶりに仲間と会い、お城横の公園にあるレストランで
素晴らしい眺めを愛でつつ、お昼を一緒に食べのんびりとお喋りし、
じゃぁまたね、と2時半頃家に戻って来たのでした。

所が家を出かけにも見た何となしの人出の多さで、スコミーゴ村のお祭りだろうと
思っていたのが、戻り道では何と隣のオリアーノに近づくにつれ停滞する程で、
道端にかなりの人々が出て待ち構えており、木陰で椅子に座りの長期戦の人も。

何、これ、何があるん?とオリアーノのロータリーで車を止め、
車のドアを開けたまま何か記しているシニョーレに、何があるのかを尋ねると、
スコミーゴを出発しての自転車競技があり、自分はその記録係である、と。

もう出発したのですか? もう始まっているけど、周回競技でまだ続いている。
なんというタイトル? コネリアーノ杯の19回目。 グラーツィエ・シニョーレ!!


よっしゃぁ、と家に戻りカメラを持ち、さてどちらの方向に向かったら良いか、と
一瞬考えていると、すぐ上の道の方から拡声器の大きな声! OK, 分った!

で、朝歩きの行程通り、東に出た所でこの眺め! わぁお、賑やかになってるやん。

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思う間もなく、「自転車競技始まり」のオレンジの旗を立てた車が通り、
後ろに続くフェッラーリのテスタ・ロッサ2台。 ロッサ・赤ではなく、
黄色と濃いグレイですが、グワッ、グワッと派手に吹かしながら通り過ぎ。

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まだ見物人も少ないので道の中程にでて、「ARRIVO・ゴール」を撮り、

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するうちに、先頭の3人が通り過ぎ、

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2人が通り、そして大集団到着。

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ここは家の脇の歩道が1人分の幅の狭さなので、こんな感じにグループが通り過ぎ、

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いつもの様に、替えの自転車を積んだフォロー車も通り過ぎます。

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ちょうど整理に当たっていた女性に、あとどの位回ってくるのかと尋ねると、
ちらっと道上の櫓を見て、まだあと7周するし、直に回って来るよ、というので、

じゃぁ、ゴールの上のカーヴの所にしよう、と坂道を上ります。

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ええと、この櫓、適切な日本語が出てこない! に見える数字は8になっていますが、
下から選手達に見える数字は7で、その裏の関係か、こちら側には1つ多い数字が。

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座っている縞のTシャツの関係がひっきりなしに、歯切れよく状況を説明し、よう喋る!
その間中ディスコ・ミュージックが大音量で流れるので、待ち時間の退屈無し!!



20分程の間があると思い、すぐ隣のバール、スコミーゴ村の坂の上にはここ1軒で、
はは、アイス・キャンディーを買い、食べて待つうちに、

あと7周の、競技始まり、の車が通り、その後ろにフェッラーリが2台。

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そして先頭グループ5人のあと、グループが長くなって続きます。

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忘れない様にと、大雑把にメモしたのを確かめていますが、最初の回が3時5分頃で、
あと7回めのが3時25分頃、なので大体20分で回って来ている事になりますね。

近くのシニョーレが最初は何キロを何回、そして後何キロを何回と教えてくれたのですが、
正しい数字は、スコミーゴを出発・ゴールとし、オリアーノからもっと先まで行っての
12kの距離を10回、そして8,5kmを5回、計163kがこの競技なのだそうで、

つまりshinkaiはあと8周の所から見始めた、という事になり、12kの距離で17~20分、
この時間は全然正確ではありませんが、はは、8,5kになると大体12分ほどで回っていて、
サイトで見た記録だと、平均時速が41,202kとの事。

で、この「コネリアーノ杯」というのは、アマチュアの23歳以下の選手の参加で、
今年は141名が参加との事。


この夏のスコミーゴを通る自転車競技は、ずっと昔一度見かけた事がある程の記憶で、
ははは、まるで頭に残っていなかったのですが、毎年行われていて、
そりゃぁまぁ、選手たちを鍛えるには持って来いのカーヴと坂道の連続コースですし、

イタリアの大手のアイス・クリーム・メーカーのサンソン・Sansonの創業者が
スコミーゴ村出身で、shinkaiが住んでいるコンドミーニオもカーザ・サンソンと
言うとタクシーの運転手も知っているという訳で、大スポンサーの様子で、
名前も冠されているという訳です。



1回カーブの所で、炎天下の夏日を頑張ったのですが、余りにも暑く、後ろの
家の陰で暫く涼んだりも。でも徐々に人出が増えて来るので場所確保の為戻り、粘ります。

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あと6周の始まりで、

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この時は先頭がすでにグループとなっていて、

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このカーヴを過ぎると、突き当りにスコミーゴ村の教会があり、そこを右に、
そしてすぐ左に急な下り坂があり、そこを過ぎると朝歩きするshinkaiが通る
葡萄畑の脇を抜けて行く緩やかな上り道に。

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最初のグループが過ぎた後に、また大グループが。

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結構数多くリタイアする選手がいて。 

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まぁ、夏の炎天下の坂道の上り下りが激しいコースなので、とも思うのですが、
今回先頭が2名3名とか、時に5名とか、そして大グループになったりと変化が多く、
先頭を抜けて行く選手もいつも違う顔ぶれで、

その辺りからも、まだまだこういった競技に参加する選手達のアマチュア振りというのか、
自分の実力、体力が良く分かっていない連中なんだろうな、と思った事でした。

ジーロ・ディターリアにしても、トゥール・ド・フランスにしても、必ずトップを
走って行く選手何人かがいますが、そんなに顔ぶれが変わる訳ではないですしね、
トップが数人になったり、急にグループになったりという事はないですものね。

まぁ、こういう地元の競技にあれこれ参加し、経験を積み、プロになる選手が育ち、
抜ける人は抜けて行く、という事なのでしょうね。 



後ろの、最初に見て頂いた垂れ幕の下の舞台では、選手の上がる表彰台に使う
木の切り株を並べようとしているのですが、1の数字のついた一番大きな高いのが
物凄く重い様で、ははは、2人がかりでヨイショヨイショと。 ぎっくり腰注意!

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という事で出来上がった表彰台。 なんだか商品が少ないなぁ、と思っている内に
あっちこっちの箱から追加され、

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大きなプロセッコの瓶も1本立ち、

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最後はTシャツや、ワイン瓶、なんだかんだと並び賑やかなものに、やれやれ、ははは。

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さてあと5周の始まり。 ここから距離8,5kとなり短くなりますが、

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選手達はあと6周目の12kを終えた所で、先頭がかなり多めのグループ。

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で、盛んに拡声器からモンテ・ネーロという地名が聞こえる様になり、どこだろと思い
地図を探して分ったのは、shinkaiも良く知っているお隣オリアーノのロータリーに
出て來る道で、どちらから通っても底まで下っての上り、それも酷い傾斜の道で、
あそこかぁ、と思わず笑いましたよ、選手虐めね、ははは。

こちらにちょっぴり写真が  オリアーノ村 傾斜地の畑と坂道
http://italiashinkai.seesaa.net/archives/20161005-1.html



さて、あと4周の始まり。

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先頭、イタリア語ではテスタ・頭と呼び、最後はコーダ・尻尾で、2人。

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ここで種明かしをしますと、今回の競技で優勝したのは今見えるこの赤いヘルメット、
黒と緑のシャツ、胸にZalfと入ったチームの1人で、番号11 マルコ・ランディ・
Marco Landiだったのですが、



ほらね、この選手は8番。

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そして大グループが続きますが、

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ほらね、グループの最後の方に赤ヘルの11番が。

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あと3周にかかります。 有難い事に少し曇り加減となり、人も増えて来て。

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写真の左背後に丘の線が見えますが、あの丘がオリアーノからコネリアーノに続く線で、
オリアーノの海抜は152m、我がスコミーゴは127m、って、あれ、低くなったん?!
140m位あると思っていたけど、という事はあり得んよね、ははは。



先頭は先回と同じ、2人の様ですが、

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グループの中に赤ヘル、黒と緑のシャツが見えますが、番号が見えず。

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この手を挙げている人は、スコミーゴ村のすぐこの近く住んでいる様子でしたが、
アレッサンドロ・デ・マルキ・Alessandoro De Marchiと言い、現在プロの、
2008年にこの競技で優勝しプロに転向した様子。

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今年トゥール・ド・フランスの9日目の行程でかなり酷い骨折怪我をし休養中と。

マンマがプロになるのを勧めてくれて、という様な事も話していましたが、
大人の男性の口から「マンマが」と聞くと、つい内心ニヤッとしそう。

隣の縞が中継解説のアナウンスの男性で、ほらね、腕に何本の
ブラッチャレット・腕輪をしているか見て!!



背後の2階のテラスから観戦中の家族とワン。 これがときどき吠えるのよねぇ。

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さて、あと2周となり、

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先頭はこの2人、どちらもZalfの2人で、左が11番のマルコ・ランディ。

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そして最後の1周になる時、それ迄は競技開始の車の後ろについていたフェッラーリが
2台並んでゆっくり走り、皆さんに手を振ってご挨拶を、そして、グワッ、グワッと。

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はい、最終周回の始まりで、ガンガンガンガンと鈴が鳴り、

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先頭はZelfiの1人ですが、

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番号は13。  前回トップだった11の片割れでもなく、

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まぁ、こういうのはチームとしての平均点を上げるにはOKですが、
どうもそういう感じでもなさそうで・・。



続くグループの中程に見える真ん中の赤ヘルが11ではないかと。

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そして勝利者の到着を待つ、ほぼ満員となったゴール近く。 
何となく、嵐の前の静けさ、のイメージでしょう、ははは。

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競技開始の車が通る頃には、雲の間から陽が射し、

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ゴール地点で待つ人々もくっきり! スコミーゴ村唯一のバール、イーヴォ・Ivo、
イボではござらぬよ、はは。

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そして到着。 最後の坂を歯を食いしばって、上って来ます。

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そして、ゴール!! サッカーなら、Goooooool!! と画面に出る所。

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こうして見ると、かなり2,3位との間が開いていますねぇ! サイト記事にあった、
「恐ろしいモンテ・ネーロの坂をこなし」マルコ君、頑張りましたぁ。おめでとう!

背後に見える左のピンク、2位がユーリ・コロンナ・Yuri Colonna
右の白黒横縞が3位のマッティア・バイス・Mattia Bais.

ちょうど5時少し前のゴールでした。



インタヴューを受けるマルコ君。 ボローニャの人だそう。
今年3度目の優勝と聞きましたから、粘りのある、かなり優秀な人材なのかも!

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ヘルメットを取った横顔には、白く、ヘルの紐痕が残っていましたっけ。



表彰台の彼らの様子を最後に、

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いずれも年齢が見つかりませんでしたが、23歳以下であるのは間違いなく、
彼らは勿論プロになるのを夢見ているのでしょうから、
いつかジーロ・ディターリアでも名前が出る迄に成長するかも、ですね。

長いお付き合い有難うございましたぁ!



Zalf・ザルフ、というのはどうやら家具類メーカーの様で、サイトはこちらに。
選手たちの顔も見れます。
http://www.zalfeuromobildesireefior.com/


所であれこれサイトを探していて、23歳以下の選手で開催されるジーロ・ディターリア
の競技が行われているのを知りました。 全く知らずで・・!

以前は27歳以下の選手で開催されていたのが、2012年から5年間休止され、
2017年から再開されるに伴い、アンダー23歳となったそうで、
やはりアマチュアの選手参加と。 とはいえ、半プロの生活だろうと思いますが。
競技のサイト   http://www.giroditaliau23.it/tappe-2019/

歴代の優勝選手なども、こちらのウィキで。
https://it.wikipedia.org/wiki/Giro_d%27Italia_Under-23

眺めていて、1992年の優勝者にマルコ・パンターニ・Marco Pantaniの名を
見つけ、おまけに彼は1990年から続けて3位、2位、1位と名が出ていて、
流石だなぁと思い、あの時代の彼の活躍をTV中継で見た事を思い出しました。

海賊・イル・ピラートというニックネームで親しまれ、ジーロ・ディターリアと
トゥール・ド・フランスと同年2連覇の偉業を成し遂げた一連の最後の選手だったと。

「アンダー23のジーロ・ディターリア」は毎年6月に9日間の日程で開催される様で、
後にプロで活躍したとみられる人の名も多くあるので、自転車競技に興味を
お持ちの方々、来年は6月の競技のニュースにもご注目下さいね。


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