・ 春爛漫、花盛り ・ ルイーザんちの庭

24日の日曜のお昼前、本当に久しぶりにルイーザ・Luisaの家に!
2月の末に白内障の手術の後一度会ったものの、すぐに全封鎖で、
時々のメールと電話のみで2ヶ月半が過ぎ、

漸くに18日からの解除で、庭が花盛りだから見に来る?との誘いで、
カメラを持って訪ね、良いお天気を幸いに憂さ晴らしにも、ね。

その前の1週間は雨が多かったのと、既に薔薇も牡丹も盛りを過ぎ残念、
という彼女の言葉でしたが、
彼女と夫レナート・Renatoの丹精を受け、咲き誇る花は見事で色鮮やか。
たくさん撮ったものから鮮やかなのを選びましたので、見てやって下さいね。

これは彼女が送ってきた、お家の玄関前で、

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庭はL字型に続き、

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まだ春の名残のパンジーもあり、

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花の名を殆ど知らずで、リンドウ型というのか、小さな薄紫が咲き乱れ、

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ガーベラ種?でしたっけ?

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小さな可愛い、丈の低い、

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木の影の中の百合。

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楓の赤い葉も鮮やかに。

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薔薇

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赤い薔薇の色はなかなか写真では出にくいものの、
花弁に残る雨の雫。

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彼女の家には珍しい白い薔薇。

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牡丹が既に盛りを過ぎ、重く頭を下げた花の向きを変えようとすると、
バサッと手に花の中に溜まった水が降りかかる程!

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菜園の一廓には、バジリコが元気に育ち、

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レタスも丈が伸び始め、

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これはキュウリと。

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パセリ、

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サラダ菜。 お土産にあれこれの種を頂き、

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茄子の苗もこんなに育ち。

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花の名が出ないぃ。 日本だと花の名は当たり前に言うでしょう?
でもこちらでは余り花の名を言う事がないので、日本名も忘れてしまい・・。

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ちょっと矢車草にも似た花。  蜂の大小がご訪問。

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キンギョソウですっけ?

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紫陽花が咲き始めていて。 

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2か所に固まりがあるのですけど、どちらも同じ色で。
日本のあの涼しい色と形のガクアジサイが欲しいなぁ、見せたいなぁ、と。



ちょうど庭の角にある大きな樹。 前日にここに梟のウーゴがいたそうで、
が、葉の茂りが多く上が見えない程!! 植木屋に頼んで少し刈り込みをね。

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という事で、ルイーザが19日に撮ったウーゴの姿を。
でもこれはこの木ではなく、玄関前の木です。

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お家の木に梟がやってくる!というのはとても嬉しいですよね?!
友人の私が聞いても嬉しいですものね。
大きくなっている姿を見るのは、また格別です!



***

この日はまだマスクをしている状態で、良いお天気でもあり、テラスの
テーブルでリンゴ・ジュースを頂き、失礼する前にちょっと家の中に入った時、

3月にフランスから来た孫のヴィットリオの描いた絵が3枚あり、
とても素晴らしいのと可愛いデッサンで、大変気に入り、撮りました。
それを分家ブログの方に載せていますので、見てやって下さいね。


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・ n.2 イタリアの 「ラビリント・迷路」のある庭園10 のご案内

2回に渡ってご案内の、イタリアにある迷路の庭園10か所ですが、
今日はその後半を。
può essere un'opzione  
こちらは10の迷宮のご案内で、

8 Giardini con Labirinti in Italia こちらは8つで、
殆どダブルので、ご案内としては選択に(あまり)間違い無いものと思います。


先回に続き、ヴェネト周辺に5つあるという最後は

6. シグルタ公園・Parco di Sigurtà ヴァレッジョ・スル・ミンチョ ヴェローナ

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ガルダ湖からのミンチョ河を下った所、シグルタ公園の中にあるラビリント。



6-2-map Cattura.jpg

Via Cavupur 1 Valeggio sul Mincio VR



大変に広大な公園で、元々は貴族の庭園だったのが公開されたもので、
植物の種類も多く、shinkaiも一度は訪問したいと思っている公園。
今年は5月10日から開くそうで、毎年3月から11月最初の日曜まで、
毎日9時から19時まで公開。 

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6-4-Parco di Sigurtà, Valeggio sul Mincio (VR)-.jpg

ラビリントは1500本以上のツゲの木で植え込まれ、中央に塔があり、
そのテラスからの眺めも素晴らしいと。

サイトは  https://www.sigurta.it/




7. カステッロ・ディ・マジーノ・Castello di Masino
  トリノ県カラヴィーノ・Caravino

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千年以上に渡り、ルネッサンス期まで一帯を領有していたヴァルペルガ・ディ・
マジーノ伯爵の城の庭園にあるラビリントで、イタリアにある大きなラビリントの
ひとつ。 城と公園現在はFAI・イタリア環境基金の持ち物で、博物館に。
城の中も素晴らしい様子で!


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Via del Castello 1, 10010 Masino TO



ラビリントは2000本のシデの木により、18世紀の姿に再建されたものだそう。

7-3-labirinto-castello-di-masino-a-caravino.jpg

7-4-Castello e Parco di Masino - Panoramica labirinto-2.jpg

この位ハッキリ見えると目でも指でも辿れますから、お楽しみを!





8. ラビリント・マゾーネ・Masone  フォンタネッラート パルマ県

8-1-Il-Labirinto-della-Masone-.jpg

フランコ・マリーア・リッチ・Franco Maria Ricciというデザイナーにより、
2015年に造られたもので、20万本の様々な種類の竹を使い、
現在世界一の大きさのラビリントなんですと!


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Str. Masone, 121, 43012 Fontanellato PR



エミーリア・ロマーニャ州のフォンタネッラート市にあり、全体は星型で、
行程は3km以上あり、行路の幅は3m、中央に見える建物内で、
彼の作品コレクションが見れる様子。

8-3-Labirinto della Masone, Fontanellato (PR)-.jpg

8-4-incontriamoci-in-giardino-.jpg

竹、というと、育ちが早く、葉も落ちるだろうなぁ、と少し気になりますが。
公開 4月から10月 10時半から19時  11月から3月 9時半から18時


n.1 パルマの城 フォンタネッラートと、パルミジャニーノの城
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461920023.html



9. ヴィッラ・メディチのペトゥライアの庭園・Villa Medicea Giardini della
  Petraia  フィレンツェ

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フィレンツェの北の丘陵地にあるヴィッラ・ペトゥライアの庭園にあるラビリント。


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Via della Petraia, 40, 50141 Firenze FI



中世14世紀の小さな要塞をブルネレスキ家が所有し、ストロッツィ家の物となり、
そして16世紀中頃にメディチ家のものとなったというヴィッラで、

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まるで上の写真の現在と変わっていない姿で、



庭園のみならず、内部にはこの様に素晴らしい様子が残り、
毎日8時半から18時まで公開されているというので、フィレンツェの街の
喧騒を離れ、訪問するのも素晴らしい思い出に残るものと。

9-4-petraia-courtyard.jpg



ただ問題はラビリントが本当にこのヴィッラにあるものかどうか、これがあれこれ
探し回りましたが、確信が持てません!

写真はサイトで見つけた物ですが、これはラビリントというよりも、単に
イタリア式庭園の様に見えますし、

9-5-_villa-la-petraia--giardini-formali-.jpg

ヴィッラ全体の上の写真にも、衛星地図でも探し回りましたが、
ラビリントらしき物は見えないのですね。 近くのやはりメディチ家の
ヴィッラ・カステッロの間違いかもと探しましたが、やはり見つからず。

ひょっとしてガセネタかも!!ですので、ご了承くださいませませ。




イタリアのラビリントの最後のご案内はシチーリア島に飛び、

10. カステッロ・ディ・ドンナフガータ・Castello di Donnafugata
   ラグーザ市

10-1-Castello-di-Donnafugata1.jpg

アラブ風のイメージの大きな城、14世紀、があり、周囲を庭園が囲みますが、


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Contrada Donnafugata, 97100 Ragusa RG



今迄のはすべて樹木で出来ていたのが、ここのラビリントは石を積んだ白い迷宮!

10-3-Castello di Donnafugata, Ragusa-.jpg

10-4-_Donnafugata_195507314.jpg



多分ロンドン近郊のハンプトン・コートのラビリントからイメージを受けたものと。

10-5-hampton-court-palace-p1050473-.jpg

公開は、庭園、城内とも月曜以外の毎日9時半から13時半 14時半から17時に
公開されているというので、いつかシチーリアに行けたらと!



ラビリントは、体験する前には半ば馬鹿にしていたshinkaiですが、ははは、
一度体験して、素晴らしく楽しく面白いものと実感しましたので、
皆様にもぜひ! とお勧めで~す。


と、大分前になりますが「ドンナフガータの城」の記事を見つけ読み、
その時にこの石積みの迷宮の写真を見ていて興味深く、今回このラビリントの
記事に見つけたので、皆さんにもご案内をと思ったのでした。

ドンナフガータの城内も大変素晴らしいので、改めてご案内致しますね。


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・ n.1 イタリアの 「ラビリント・迷路」のある庭園10 のご案内

◆ イタリアは・・  ◆ 

イタリアは昨日5月18日より、ほぼ全封鎖解除が始まり、
新しい日常を迎えています。

18日のコロナヴィールスの死者は99人となり、感染者も減った事から、
気分的にも再開を喜ばしく受け取れる様子が、今朝19日のニュースでも
感じられました。

バール、レストランも再開、理髪、美容院もOK、但しテーブル、席の間隔を
開ける事、美術、博物館も再開です。 確かホテルも。
ですがヴェネツィアなど観光客がいませんので、まだ閉めたままもあると。

国境オープンは6月4日からかな、確か劇場、映画館は6月中旬から、
海水浴場、海岸もオープンの様子です。

たくさんの規則があり、店の再開も大変な様ですが、
それでもイタリア国が再び歩み出したのは、嬉しい事です!!

16日の土曜に出かけたスーパーでは、ここ2か月後に初めて見た、
駐車場が埋まり、店内にもたくさんの買い物客の様子に驚き、
昨日夕方には、眼科検査に出かけて見た道を行く車の多さに驚き!

いつまでマスクと手袋着用が続くのか分かりませんが、夏の暑さが来る前に、
も少し解放出来る様にと願っています。


私めの新しい眼鏡が出来て来ましたが、と同時に、右目に少し弊害が
出来ている事も分かり、ええと、網膜の後ろに水が溜まっているそうで、
これは白内障手術後に時折起こる現象で、どうやら炎症からの様で、
昨夕から2か月間、毎日3回指定された目薬をさす事になりました。

これで水が渇き、視力が復活するであろう、という事で、
楽しみに楽しみに待っていた新しい眼鏡も先延ばしで、我慢の日々が続きます。
が、めげずに頑張りま~~す!!

励ましのクリックを頂けると、有り難いで~~~す!! きゃは。

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さて今回から2回に渡ってのご案内は、イタリアにある迷路の庭園10か所で、
今回はその1を。
può essere un'opzione  
こちらは10の迷宮のご案内で、

8 Giardini con Labirinti in Italia こちらは8つで、
殆どダブルので、ご案内としては選択に間違い無く、ちょうど良いですね。

では、北から南に。

1. クレンツェルホフ・Kränzelhof ワイン醸造所
  アルト・アディジェ州のメラーノ近辺チェルメス・Cermesに2006年に。
 
1-1-B_RS229796_5686-tscherms-labyrinthgarten-kraenzl-einfahrt.jpg
  
1-2-Cattura.jpg



ワイン醸造所が持つ迷宮に相応しく、10種類に及ぶ葡萄の木で出来ていて、
迷路の長さは1,5kmと。

1-3-Labirinto della cantina Kränzelhof, Cermes, Merano-a62f81993908.jpg

ほら、手前には円形劇場風の設えも見えますね。



そしてこれ、目隠しなし、しっかり確かめながら進める、はは、
チビちゃんも楽しめますね。

1-file.jpg



ヴェネト周辺にはなんと5つも迷宮庭園があるそうで!

2. ボルヘスのラビリント・Labirinto Borges
  ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ島の聖堂南面に。

2-1-_Venezia_ve_Chiesa di San Giorgio Maggiore.jpg

2-Cattura.jpg



アルゼンチンの著名作家、詩人のホルヘ・ルイス・ボルヘスに敬意を込め、
「分枝する小径の庭園」というボルへの語りにインスピレーションを受けていて、
ツゲの木3000本による1kmを少し超えるコース。
彼の使っていたもの、杖、鏡、砂時計等などの品が含まれているそう。

2-88986-1000x576.jpg

ヴェネツィアにあるので、何か関係があるのかと調べましたが、彼の父方にイタリア系
ユダヤ人の血が流れているとの事のみで、ヴェネツィアには関係ない事も判明です。



この図を見つけて、ああ、そうなんだ、彼の名をアレンジしているのだ、と。

2-Pianta-labirinto-borges-Coate.jpg

で、左側の上か下から入り込み、ぐるぐると歩きながら通り抜け、上から入ると
下に抜ける、その逆も、という形の迷路と判明。 

ヴェネツィアのサン・マルコ広場から向かい側のサン・ジョルジョ島にあるので、
是非一度訪問、お試しを!



3. ヴィッラ・ピサーニのラビリント ヴェネト州のパドヴァの東、ストラ・Straに。
  素晴らしい邸宅と庭園のヴィッラ・ピサーニの庭園にあるもので、

3-1-gal_13.jpg

3-2-Cattura.jpg



18世紀に作られた古い迷宮で、オリジナルのツゲの木を保ち、9重の輪の中心に
塔があり、それに2重に螺旋階段が付いているので、尚の事目くらましに!

3-3-labirinto-villa-pisani.jpg

元々が貴族の愛のお遊び用に造られたもので、塔の上には賞品がね。


shinkaiめも1度トライし、難しかったですが大いに楽しみましたので、お勧め!

イタリアで一番素晴らしい植木の迷路 ・ ラビリントを
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467389643.html 

ヴィッラ・ピサーニ  ・ リビエーラ・ブレンタの、ヴィッラの女王 n.1 

ヴィッラ・ピサーニ  ・ リビエーラ・ブレンタの、ヴィッラの女王 n.2
http://www.italiashiho.site/archives/20170510-1.html



4. カステッロ・ディ・サン・ペラージョ・Castello di San Pelagioの迷宮
  パドヴァ県の、ドゥエ・カッラーレ・Due Carrareに。

4-1-labirinto-nel-castello-di-san-pelagio.jpg

4-2-Cattura.jpg



この城は「飛行博物館・Museo del VOlo」でもあるのだそうで、
写真のお城にも驚いたのですが、ほら、中庭に飛行機が2つ展示されているのも見え、

4-3-panoramica Castello di San Pelagio.jpg

左奥に迷路が見えますが、これも実は2つあるそうで、「ミノタウロス」の迷路には、
「イカロスの飛行」と、これはどうもお城の中を歩く様で、という事は飛行博物館に
関係しているのかもで、

もう1つは、ガブリエレ・ダヌンツィオの観念「多分イエス、多分ノー」を
踏まえていると。
これはひょっとして、「多分通れるかも、多分行き止まりかも」という意味?!



今回調べていて一番驚いたのが、この城ヴィッラの内部写真で、素晴らしい内部に
こんな展示があるのですよ!

4-4-c31588fc0.jpg

4-5-Castello_Del_Catajo_Lovivo_Tour_Experience_10ridotta.jpg

イタリアは底が深いなぁ!と感じる一瞬です。 いつか訪問しなくては!



5. ヴィッラ・バルバリーゴ・Villa Barbarigoのラビリント 上と同じパソヴァ県の近く、
  ヴァルサンツィオ・ディ・ガルツィニャーノ・テルメ・
  Valsanzibio di Galzignano Terme

5-1-Cattura.jpg



なだらかな傾斜地の奥にある、このヴィッラ、素敵な佇まいでしょう?!

5-2-38523_villa-barbarigo.jpg



で迷宮はこちら。 

5-3-labirinto-al-giardino-barbarigo.jpg

5-4-Giardino Monumentale di Villa Barbarigo, Valsanbizio di Galzignano Terme (PD)-.jpg

指図したのが当時枢機卿だったそうで、めちゃくちゃ難しい意図を持っているせいか、
ははは、写真を見て、マウスで辿ってもなかなか難しく、すぐ破滅・・!

6つの行き止まりは、大食、淫蕩、吝嗇、怠慢、憤怒、嫉妬、と7つの大罪の内の
6つで、2重の悪癖の行程の最後に7番目の「傲慢」が現れる、というもの。
・・訳はこれで良いのか、と気になりますがぁ、ワシャ、知らん。

この写真で見ると、左の真ん中が入り口出口の様ですが、どうぞお試しを!!

上の4のお城と近いので、一日かけて出かけて両方楽しめそうですが、
で、もし、下の迷宮で出れなくなったら、どうする?!

という所で、次回のその2をお楽しみに!


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・ n.2 モンテファルコ ・ ワイン、オリーヴ油、B.ゴッツォーリの町

先回に続き、ウンブリア州のモンテファルコ・Montefalcoの町のご案内を。

「ウンブリアの露台」と称される、平野の中に突出する472mの高さと、
ベノッツォ・ゴッツォーリの素晴らしい壁画の残る教会博物館、
そして美味しいワインとオリーヴ油やら様々の土地の産物で有名な町です。

まずは上空からの町の眺めですが、これは西からの眺めで、
中央に見える門が、先回最初に見て頂いたサンタゴスティーノ門で、一直線に
見える坂道を上って行くと中心の、町で一番高いピアッツァ・コムナーレ広場に。

1-montefalco-ripa-relais-1200x640.jpg

ご覧の様に、旧市街は周囲を見事に13世紀建設の城壁に取り囲まれて
いるのが良く分かります。



町の地図をどうぞ。 先回は2のサンタゴスティーノ門から入り、中心の広場、
そして現市役所を見て頂きましたが、
今回は11のサン・フランチェスコ教会博物館・Chiesa Museo di S.Francesco、

2-map Cattura.jpg

図ではPinacoteca・美術館、となっておりますが、施設の充実で市博物館に。
そして、城壁の門、小さな教会などをご覧頂きますね。



10のピアッツァ・コムナーレから北東に下る緩やかな坂道を行くと、
すぐの建物の裏側に、こんなかっての連絡階段だったと見れるのが残り、
おお!と喜んで撮ったのが、はは、13年前!

3-bevagna07.4.3 028_t_01_GF.jpg

ですがね、新しくあれこれ写真を探していると、やはり同じ姿の写真が
見つかり、おお、未だご健在なんだと、ははは。
ブログ名の入っているのがshinkaiの撮った物で、後はサイトから拝借です。



そしてすぐ下に、この11のサン・フランチェスコ教会博物館が。

4--Montefalco_-_Chiesa_di_San_Francesco_02.jpg

実は、町の門を入ってのサンタゴスティーノ教会をサン・フランチェスコ教会と
間違えて記憶しており、内部の壁画も大きさも違う、と焦って探し回ったのでした!

当時、素晴らしい壁画を見て、ついでに小グループがガイドさんの説明を聞いて
いたのに混ぜて貰い、しっかり堪能した教会の、当時はまだ修復中だったのが、
そうか、あれが博物館になったのだと気が付き、納得した次第です。

で、内部は修復中でしたし、他所のグループで説明を聞いたりしたので、
遠慮して写真も撮っておらずで、今回の写真はサイトから拝借しましたが、

こちらに公式サイトがありますので、どうぞ。
https://www.museodimontefalco.it/it/chiesa-museo-di-san-francesco_10.html



内部はこんな様子で、

5-polo-san-francesco-montefalco-010.jpg



正面に見える内陣の様子と、その細部を。

6-Vista Cappella principale.jpg

7-abside-affrescata-da.jpg

内部は長方形の身廊で、内陣が5角形、両脇に長方形の礼拝堂があり、
フレスコ画装飾は14~16世紀にかけての物で、
ベノッツォ・ゴッツォーリ・Benozzo Gozzoli(1420-1497)、そして
ペルジーノ・Perginoの壁画が残ります。

この元サン・フランチェスコ教会は、1335年から1338年にかけ、モンファルコーネに
移植していたフランチェスコ会派の、日本語を調べると「小さき兄弟会」と呼ばれる
フラーティ・ミノーリの僧侶たちによって建設されたもので、

内陣に残る「サン・フランチェスコの生涯」の一連の壁画の注文由来も分かりますし、
当時この教会には神学者、伝道者のフラ・ヤコポ・Fra'Jacopoという方が
おられ、彼がサン・フランチェスコの生涯についてのモチーフの選定を助言したものと。

教会は1863年まで続き、そしてモンテファルコの市に所属が移り、1895年から
博物館になったのだそうで。


shinkaiが行った当時は、内部はがら~んとして、あちこち修復中だったのを
よく覚えていて、このベノッツォ・ゴッツォーリの壁画の素晴らしさに驚いたのの
1つに、フレスコ画にありがちの継ぎ目がまるで見えない事にも!

ご存知の様に、フレスコ画というのは、新鮮な、という元々の言葉が示すように、
下図を作り、その日に描けるだけの、というよりは、壁の下塗りが乾かないうちに
描けるだけの広さの下塗りをして描いていくもので、
その下塗りの継ぎ目が見えるのが殆どなのですね。

なので同じ面積の部分でも、描いた日が別だと、絵の具を溶く手加減も違い、
それによって色が違っている事もよくあるのですけど、
ここの壁画はまるでそれが無いのに驚き、ガイドさんに尋ねると、
そう、まるで継ぎ目が見えないの、下塗り自体の技術も凄く上なのよね、と。

今も良く記憶に残っているのは、こうした壁画は下の層の左から始まり
右に続き、そして上の層にお話が続く、というもので、今もshinkaiのお役に。



これは内陣壁画の一場面で、背後に見えるのがモンテファルコの町で、
サン・フランチェスコが祝福を与えている場面で、

8-scenes_of_St_Francis_life_-Benozzo_Gozzoli.jpg

左側に、先回ご案内したべヴァーニャの町外れで小鳥に説教する逸話があり、
これも背後遠くに見えるのがべヴァーニャの町かも。



そしてこちらがちょっと可笑しい、悪魔祓いの図。

9-gallery-Big-7.jpg


ベノッツォ・ゴッツォーリはフィレンツエ郊外南西のスカンディッチ・Scandicciの
生まれで、父親兄弟ともに羊毛の梳毛職人だったのが、画家を志し、

最初に絵描きとして歴史に名が残るのは、ロレンツォ・ギベルティ・
Lorenzo Ghibertiの共同仕事者としてで、1444~1447年、

その後フィレンツェ・ルネッサンスの15世紀最初の偉大な画家フラ・アンジェリコの
やはり仕事共同者としてで、これが彼にプロ画家になる為の大きな教えとなった物と。
一緒にヴァティカンに、オルヴィエートに赴き、仕事をし、1447~1449年、

そして独り立ちした画家として1450年にモンテファルコに呼ばれ、
サン・フォルトゥナート修道院、そしてサン・フランチェスコ教会と続き、

1452年6月27日付の、ゴッツォーリ自筆のフィレンツェのミケーレ・ブランカッチ・
Michele Brancacci宛の手紙、今はモンテファルコを離れられない旨の手紙が
5世紀を越えてモンテファルコに戻り、現在博物館に展示されているそう。

ブランカッチ家というと、サンタ・マリーア・カルミネ教会に有名なマザッチョ・
Masaccioの壁画が残る礼拝堂が残る一家で、何か仕事依頼があったのかもですね。



アーチに残る壁画と、脇にも、

10-gallery-Big-98.jpg



説教壇。

11-gallery-Big-96.jpg



そしてこちらは地下にあるカンティーナ・ワイン醸造所で、2006年に発見され、
現在一般公開になったものなんだそう。

12-gallery-Big-233.jpg

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勿論フランチェスコ派の僧侶たちがワインを作っていた場所で、古い桶や
葡萄の圧搾絞り機も完全に残っており、
1692年の市の記録には、このカンティーナでの売買についてと、「モンテファルコに
おいて一番大きい」という記述があるそう。


この教会博物館では、毎日12時、15時半、(17時半・夏季のみ)に、3エウロで、
20分間のベノッツォ・ゴッツォーリの絵についてのガイドが行われているそうですから、
お時間が合えば是非どうぞ!
言葉が分かるかどうかよりも、絵をそのつもりでじっくり見るチャンスと思いますので。



町中の小路を辿りつつ、

14-bevagna07.4.3 046_t_01_GF.jpg



植木鉢でいっぱいの前庭で寛ぐ白い猫ちゃんと出会ったり、

15-bevagna07.4.3 050_t_01_GF.jpg

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如何にも古いロマネスク造りの小さな教会を見つけ、上に小さな可愛い鐘楼を持ち、

17-bevagna07.4.3 054_t_01_GF.jpg



扉が開いていたので中に入ると、この壁画の残りがあり、聖女の肩の上に
「S LVCIA」と見え、左手の上に「目」を載せているので、聖女ルチーア、

18-bevagna07.4.3 053_t_01_GF.jpg

上の写真の教会前の標識にも「S・Lucia」とあったので間違いないとは思いつつも、
余りにも小さな教会なので、町の地図にも載っておらず、
どこにあったのか場所が分からず、こうなると意地になって探し回り、ははは、

遂に奇特な方が、多分モンテファルコか、その近辺の方と思われる方のサイトに
記述があるのを見つけました!

12世紀の教会で、最初に記録があるのは1220年4月で、モンテファルコでも
最も古い教会の1つで、1295年以来ずっと放棄されていたので屋根が落ち、
1916年に最初の修復が始まり、1977年の保存の為の修復でも、
内部の14世紀のフレスコ画、shinkaiが見つけたのと、もう1つある様ですが、
それが救われただけなのだそう。



これはサイトで見つけた、1927年と記された修復の碑と。

19-sChiesa-di-Santa-Lucia-Iscrizione-Montefalco.jpg

で、サイトにあった住所から位置が分かり、上に載せた町の地図の右下に記した
赤い印にSanta Luciaと書いた場所です。
車が通れない場所なので、地図にも載らないのですね。



で、もう1つ今回モンテファルコについて書くのに探し回ったのは、町の門です。
最初に町に入るサンタゴスティーノ門は立派ですし、すぐ位置も姿も分りますが、
こちらが町中から見たサンタゴスティーノ門で、

24-X5524568fadadb4b4bb0a0b6a426117e.jpg



他に自分が見つけて写真を撮っていた門が何門か、どこにあるのかですね。

で、これも奇特な方のサイト、はい、こういう方がおられるので助かりますが、はは、
「町の門」というサイトに4つ載っており、

まずこれは大きいので分かり易く、地図の南面の中程にサン・バルトロメーオ教会
の右に見える、フェデリコ2世門・Porta Federico II.

21-bevagna07.4.3 061_t_01_GF.jpg

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上にファルコ・鷹が向かい合わせについている碑は、1244年に彫られたものだそう。



こちらは、カミアーノ門・Porta Camianoと。カミアーノ村に向かう道にある門、と
いう説明で、地図のサンタ・ルチーア教会の角にある門と。

20-bevagna07.4.3 044_t_01_GF.jpg

町の古い城壁の古い門で、13世紀の初めの造りで、上に見えるのが町の
古い紋章、ほら鷹が、3つに分かれた山の上に留まっている姿で、この形が門に
付いているのは3つしかないのだそうで!



神聖ローマ帝国皇帝フェデリコ2世の名が続けて出ましたので、先回単純にご説明した
「町の名のモンテファルコは、フェデリコ2世が大変に愛した「鷹狩り」に
敬意を表し、ファルコ・鷹、の名が入っている」に追記を。

モンテファルコという町の名は、かってはコッコローネ・Coccoroneという名だったのが、
この名は多分ローマ期にここに屋敷を持っていたローマ貴族コロナエ・Coronaeから、
というのですが、

若き日のフェデリコ2世が1240年、この近くに滞在していた折、大変可愛がっていた
鷹が逃げ、この高い位置のコッコローネが気に入ったか留っていたのを村人が捕まえ、
フェデリコの元に持って行き、村を攻めないでくれと頼んだのだそう。
で、その承諾を得て、村の名を「モンテファルコ」と改めた、という伝説があるそうで。

かってはこの一帯には鷹がたくさんいたのが次第に少なくなっていたのを、
2007年7月にチョウゲンボウ・gheppio、鷹の種で明るい茶の羽、のカップルを
放した所、大変成果が上がっているそう。


という寄り道からまた町の門の話に戻りますが、

サン・フランチェスコ教会博物館前の道を下って行った所には、ポルタ・デッラ・ロッカ・
Porta della Roccaがあったのが、これは20世紀に打ち壊されたそうで、
今は左右の門柱のみに。

そしてもう1つ記載されていた門は、サン・レオナルド門・Porta San Leonardo。
この姿で、旧の町中ではなく、16世紀以降に造られた城壁にある門で、

25-leonardo_gallery (4).jpg

現在もサン・レオナルド修道院の、クラウズーラと呼ばれる生涯隠棲生活を送る
尼僧の為に利用されているのだそうで! 地図の一番下に延びた部分に。



という所で、この町の有名産物のご紹介を。

まずはサン・フランチェスコ教会の壁画にも、多分このワインをほのめかしている、と
見られる姿がある、モンテファルコを始めとしてこの一帯でのみ産されるDOCGの
サグランティーノ・ディ・モンテファルコ・Sagrantino di Montefalcoで、

まずこのお祭りの写真を見つけ調べましたら、テッレ・デル・サグランティーノ・
サグランティーノの土地・Terre del Sagurantino」というお祭りがあり、
2020年は4月11日から13日に、というのが分かりました。

26-58.jpg

写真で、ほら、手前に簾を敷いた上に黒葡萄が乗っているのが見えますね。
こんな風に収穫したブドウを干し乾燥させ、甘みを増したのを絞って作る、
というワインで、

ワインのお祭りとしては少し時期が変わっているのも、干して乾燥させて、という
事から、秋には間に合わないお祭りなのでしょうね。

濃いルビー色で、時に紫色にも輝き、味は乾いた香味があるといい、
熟成させたチーズ、肉のグリル、シチュー、とろ火の煮込み、猟の獲物に
ぴったりのワインなんだそうで。



で、こちらが、その葡萄。 大きな房ですねぇ! サグランティーノというのは、
確か中近東のシリア辺りからの種だと読みましたっけ。
勿論、あの辺りまで布教に行ったフランチェスコ派の僧侶のお持ち帰りだそうで。

27-saglantino-Montefalco_z09.jpg



で、お値段がどの位かを好奇心から調べましたら、最初に出たのがこれで、
24エウロと。 少し高めですけど、特別にお高くはなく。

28-sagrantino-di-montefalco-docg-scacciadiavoli 24.jpg



そして、この剣の見えるラベルのは、なんと、110,4エウロ!!
はぁ、どんな味なのか、想像しようもないですねぇ、shinkaiめにはぁぁぁ。

29-sagrantino-montefalco-docg_110,94.jpg



そして先回たくさん見て頂いた、町の周囲に広がるオリーヴ畑から
簡単にご想像がつくと思いますが、オリーヴ油ですねぇ。

30-olio-.jpg

これはワインと違って、オリーブ油のメーカー名を知らずで、
こんな搾りたての緑色を。



そして、トリフもたくさん採れ、

31-540753560.jpg

秋の味覚、 トリフ と ポルチーニ について 
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461474928.html



こんな写真も見つかり、はは、つまり、豚肉製品も美味しいのがたくさん、と。

32-suini-stato-brado_MG_7974.jpg



という事で、夏の夜の一時を皆が市役所前の広場に集まり、食べ、飲みして
楽しんでいる写真で、モンテファルコのご案内をお終いに。

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ウンブリアの可愛い、目の保養もしっかり、そして美味しい物も、の
珠玉の町モンテファルコに、どうぞチャンスを見てお出かけ下さいね!

長いお付き合い、有難うございました!


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・ n.1 モンテファルコ ・ ワイン、オリーヴ油、B.ゴッツォーリの町

先回ウンブリアの町の落穂ひろい、行ったままご案内が抜けていた、はは、
平地にあり、紀元前からの歴史を持つべヴァーニャ・Bevagna、
ローマ期の遺物がいっぱい残っている町をご案内したのに続き、

今回はべヴァーニャからも近いモンテファルコ・Montefalcoのご案内を。

春4月初旬、緑あふれる道を行きますが、まだこの辺りは平地で、

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モンテファルコはどこにあるか、地図をどうぞ。
べヴァーニャからは8km足らず、車だと10分と出ましたが、
電車ではフォリーニョ・Folignoの駅が近く、バス連絡があるそうで、
車で12km程、15分の距離。

3-sCattura.jpg



で、モンテファルコはご覧の様に、海抜472mの小高い丘の上に位置し、
「ウンブリアの露台、テラス」とも呼ばれるそうで、人口は5500人程。

4-sMontefalco_z01.jpg



急に山道に差し掛かり、こんな感じで上ります!

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町の下に大きな駐車場があり、そこから歩いて町の入り口の門、
これは「サンタゴスティーノの門・Porta Sant'Agostino」と呼ばれる、
そうですね、一番勇壮な、綺麗に残っている門。

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今回もあれこれサイトから写真拝借していますが、ブログ名の
入ったのがshinkaiの撮ったものです。



町の地図をどうぞ。
細長く大体5角形に東西に延び、この町の設計はローマ期の造りに、
中世が混じったものだそうで、ここも周囲を綺麗に城壁が取り囲んで
いるのがしっかり残っています。

7-map Cattura.jpg

左の番号2にサンタゴスティーノの門があり、そこを抜けて右の中心広場
10の「コムーネ広場・Piazza del Comune」に向かいますが、

この道が結構な坂道で、つまり中心広場が一番高い位置にあり、
そこから放射線状に各地への道が広がっているという訳で、
古代から戦略上大変重要な位置にあったという歴史を持ちます。

つまりべヴァーニャと同じ変遷をたどっている訳で、ローマ、ロンゴバルド、
教皇領、フォリーニョ、スポレートと様々に領主が変わり、
12世紀には神聖ローマ帝国皇帝のフェデリコ2世もここに滞在で、

町の名のモンテファルコは、フェデリコ2世が大変に愛した「鷹狩り」に
敬意を表し、ファルコ・鷹、の名が入っているのだそうで。

先回分家ブログに中世の5月の図柄を載せたのでしたが、たくさんの時祷書の
カレンダーの5月には「鷹狩り」の図があり、
フェデリコ2世自身も「鳥と狩猟のスキル・De arte venandi cum avibus」
を現し、大いに人気があったそうで。



で、サンタゴスティーノの門から一直線に坂道を上りますが、
坂道中程左手にあるのが、サンタゴスティーノ教会。
正面上に薔薇窓があり、正面扉はゴシック様式の細身の尖塔アーチ。

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13世紀後半になり建設に取り掛かり、14世紀に右側に側廊に
当たる部分、15世紀半ばに左側に礼拝堂などの建設が。

が1978年にアゴスティーノ派はモンテファルコの町から完全に
離れたという事で、教会運営はどの様になっているのか、と。



内部はこんな感じで、左右に礼拝堂や、ニッキ・壁龕が並びます。

9-DSC_0795.jpg



内陣前の上部の壁の壁画、この部分は何と呼ぶのでしたっけ、

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右にキリスト生誕図、

11-bevagna07.4.3 009_t_01_GF.jpg



左に受胎告知場面が。

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左側の壁の様子と、

13-Parete-sinistra.jpg



壁の中程に見えるニッキの、聖母子と2聖人。

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14世紀の壁画で、アンブロージョ・ロレンツェッティ、ベノッツォ・ゴッツォーリの
絵があるというのですがどれか分からず。

この町に行った時は未だ自分でもなにもよく分かっておらずで、はぁ。
ベノッツォ・ゴッツォーリの絵は次回のn.2でご覧になる、
博物館に素晴らしいのが。



拷問で乳房を切り取られ殉教したという、シチーリアの聖アガタ・Agata.

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他に「幸いな巡礼」と呼ばれる、この町に辿り着いて亡くなったという、
スペインからの巡礼のミイラもあるそうですが・・、 見たいっすか? 



教会を出て坂道を上って行くと中心広場に出て、13世紀の現市役所・
Palazzo Comunale、正面1階に6つのアーチを持つロッジャを持ち、

16-bevagna07.4.3 024_t_01_GF.jpg

このロッジャで、パスクワの翌日、パスクエッタの日に「チュッチェッタのゲーム・
Gioco de La Ciuccetta」というお祭りがあるそう。

ここで売っている新鮮な卵を買い、ぶつけ合いっこをして、最後まで残った、
つまり1番殻の硬い卵(の持ち主)が勝つというお遊びだそう!

正面に向かって右に開いているのが、下のサンタゴスティーノ門から
上って来た道で、



こんな風に市役所前は丸い広場になっていて、

17-20180331_103257-e1540907345156.jpg

この写真を撮っている位置の背後に、下り坂の道が開け、

少し行った先にサン・フランチェスコ教会博物館があり、
ここにベノッツォ・ゴッツォーリの素晴らしい壁画があります。



これは市役所前広場で、たまたま見つけた、何だろ、水道栓かな、の
「モンテファルコ」の図柄、可愛くて、素敵でしょう?!

18-bevagna07.4.3 025_t_01_GF.jpg

広場の、市役所に向かい合う外のテーブルでお昼を食べましたが、
復活祭が近かったか、済んですぐだったか、その時に食べるという
パンが出て来ましたっけ。



広場から放射状に広がる小路に入り込み、如何にも古い建物類や、
両側の建物を支えるアーチ、佇まいを楽しんで写し、

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町を取り囲む城壁の外に出て見ました。
これは多分サン・バルトローメオ教会・San Bartolomeoの
はみ出している姿で

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脚元に、なだらかにぎっしりオリーヴ畑が広がり、

25-bevagna07.4.3 030_t_01_GF.jpg



モンテファルコの町の高さが良く分かるでしょう?!
大きくカーヴを切りながら続く、ウンブリアの道。

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ちょっと城壁に添って歩き、位置を変えると、オリーヴ畑がずっと続き、

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白い花を咲かせる木も混じっていて、春たけなわ!



道脇にはこんな青紫の野草も。 産毛が春の日に輝きます。

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そう、この年は春が早く、復活祭はアッシジで迎えたのを想い出しました。

運転免許を12月の末に取り、3月末から1人で運転しウンブリアに
出かけ、ははは、初日に寄ったのは、

民衆伝統博物館 ・ チッタ・ディ・カステッロ ・ Città di Castello
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462901367.html

アッシジ、ウンブリアのご案内はこちらから
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460871638.html


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・ 懐かしい映画を、もう一度DVDで! いや、2度も3度も、ね。

◆ イタリアの様子は・・  ◆

こちらイタリアは今週月曜の4日から、いわゆる「第2段階」となり、
全イタリアの封鎖は解け、工場などは始動を始め、各店はそれぞれの
職種により11日からとか、18日から、という事になっています。

今朝のニュース、つまり昨日8日のコロナヴィールスによる死者は
243人という事で、遂に今迄の累計が30201人と3万人を超えました。

が、確かに下降線をたどっている事でもあり、バールやレストランなど、
店の外で、お持ち帰りのみにしても、州によってはまだ許可の出ていない所
があり、抗議運動が起こったりもしています。

が、確実に道を行く車が増え、まだ以前通りではありませんが、半分程は
元に戻っている感じがしますし、日本でいうホーム・センターの大型店も
我がヴェネトでは4日から開き始めました。

で、木曜の7日、スタンパーのインキや、紙、お水のフィルターなどを買いに
出かけ、そこで、なんと眼鏡店が一緒に開いているのを見て、
ちょうどお昼時に重なり閉店だったので、午後また早速に出かけました。

家の近くの大型スーパーにも眼鏡店は入って待っていたものの、いつ開店とも
分からずで、もう待ちきれず、午後の開店時間に行ったという訳です。

で、なんともあっけなく、ははは、眼科医に頂いていた検査表を渡しOK、
たくさん並んでいたスケールも20%安で、濃いピンク色を見つけOK、
という事で、ルンルン気分で家に戻って来ました。

大変良いお天気の日で、家の中はまだひんやりなのが外はとても暖かく、
ここ2か月間ずっと5分もかからないスーパーへの買い出しのみで、
1度眼科医への検査に行ったものの、やはり目の見え方がイマイチで
ずっとスピードも出せずだったのが、

この日は25分程の距離を2度の往復で、コネリアーノからの緩やかな
上りのカーヴ続きの景色の良い帰り道は、他に走る車も殆どない状態で、
イェ~~イ!! と今迄の憂さを晴らす気分で、キキ、飛ばして戻りましたぁ!

という事で、来週早々には、待ちに待った眼鏡が手に入る事になり、
おまけに大きなチェーン店で、とても安いのに驚き、喜んでいます。

というような状態で、イタリアはソロソロながらも、再開が始まっています。

日本は5月いっぱい自粛となったようですが、感染者、死者共に少ないので、
どうぞ今の状態で進み、上手く再開できるように願っています!

**********


さて今している記録庫のリライト、再アップが大好きな映画のDVDとあって、
そうだった、そうだったと、また改めて思い出し、見直したりもですが、
そんなこんなで久し振りにまた手持ちの懐かしいDVDのご紹介を。

まずは漸く手に入れた、何せe-bayでの値段が高く買いそびれていた2本、
ジョン・トラボルタ主演の2本を。

・ フェノミナン・Phenomenon
  ・1996年 米
  ・監督 ジョン・タートルトーブ
  ・主演 ジョン・トラボルタ、キーラ・セジウィック、ロバート・デュヴァル

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車の修理店で働いているジョージは、2人の子供を育てているレースに
惹かれるものの、彼女はなかなか、

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そんな彼がなぜか突然に超能力者に変化、
FBIからの検査も受けたりしますが、この兆候の原因は・・、

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最後は彼女の家に逃れ、   

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という、トラボルタが本当に可愛く、可哀そうで、涙にくれるshinkaiです。



・ ママの遺したラヴソング (伊・ボビー・ロングへの歌)
  ・2004年 米
  ・監督 シェイニー・ゲイベル
  ・ジョン・トラボルタ、スカーレット・ヨハンソン、ガブリエル・マクト

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母親が亡くなった事を知ったパーシーがニューオリンズの家に戻ってくると、
そこには見知らぬ男2人が住み着いており、1人は大学教授ボビー・ロング、
ほぼ彼はほぼアル中で、そしてその助手というローソン。

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3人の奇妙な同居が始まり、徐々に分かって来る母親の生前の様子、
周囲を取り巻く人々の様子、

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そして、最後に母親の遺した歌から分かる、パーシーの実の父親は。

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中年となったトラボルタがなかなか良い雰囲気で、ニューオリンズの
緩やかな空気が漂う様な、ちょっと素敵な映画です。

映画の中で紹介される、T・S・エリオット「四つの四重奏」の詩
  人は冒険をやめてはならぬ
  長い冒険の果てに
  出発点へ辿り着くのだから
  そして 初めて居場所を知るのだ



・ 友情ある説得 (伊・神の掟)
  ・1956年 米
  ・ウィリアム・ワイラー監督
  ・ゲーリー・クーパー、ドロシー・マクガイア、アンソニー・パーキンス

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日本語タイトルの「友情ある説得」というタイトルには、ずっと以前から
何を指しているのかが分からず疑問を持っていましたが、「神の掟」としり納得。



南北戦争が始まっている時代の、クエーカー教徒一家のお話で、
クエーカー教では一切の暴力、殺人を禁止しており、押し寄せる南軍兵士の
暴力の前に、どのように対応するかが、大きな主題として語られます。

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大変若いアンソニー・パーキンスが、銃を持って駆けつけるのを祈る事で留まる様
母親に説得されるものの、納得できず、

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その時に父親のゲーリー・クーパーが、自分は彼の父親ではあるけれども、
彼の自覚、道義心ではない。 男が自分の自覚によって動けなのであれば、
男ではない、という重い言葉を。


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とはいえ、重いばかりの逸話ではなく、音楽も踊りも禁止のクエーカー教徒の
家に起こる、大変可笑しな笑える話もたくさんで、
ユーモアにあふれるウィリアム・ワイラーの映画を機会を見て是非!



・ クッキー・フォーチューン (伊・クッキーのお宝)
  ・1999年 米
  ・ロバート・アルトマン監督
  ・グレン・クローズ、ジュリアン・ムーア、チャールズ・S・ダットン、リヴ・タイラー

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アメリカ南部の田舎、ナマズが釣れ、復活祭にはナマズ料理が食べられる、
という小さな町、どこだろう?! を舞台にした大変可笑しな映画で、
芸達者な人々が演ずる住民の生活感や人々の繋がりが、
のんびりとした音楽に乗り描かれます。

年寄りの「クッキー」と呼ばれる、寂しさに疲れた女性が自殺したのを、
姪が見つけ他殺に偽装したのを、警察を始め町中の人々が乗せられ、

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クッキーの家に居候中のウィリスが殺人犯となり、でも誰も信じず、
警察の牢に入れられても平気で一緒に復活祭を過ごしたり、

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一方復活祭の演劇を指導し、いっぱしの演出家気取りの姪と、出演の
町の人々の可笑しさ、 そして最後に分かるどんでん返しの結末!

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最後はまた一緒に皆で魚釣りで、のんびりの日常を楽しむ人々の姿。

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ウィキの日本版には、姪が自殺する、とありますが、いいえの、
自分の思い込みにどっぷり浸り過ぎて、平常意識を越えるので~す。
大変面白く、楽しめます。 

イタリア語のタイトルは「クッキーのフォルトゥーナ」で、フォルトゥーナは
幸運の意味ですが、と共に、財宝、お宝の意味も。



・ マスター・アンド・コマンダー
  ・2003年 アメリカ
  ・ピーター・ウィアー監督
  ・ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー

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ナポレオン戦争中の南アメリカ海域で、フランス海軍の強力な私掠戦
アケロンを拿捕する命を受け、探索しつつ追いかける艦長オーブリー率いる
イギリスのフリゲート艦サプライズ。



映画の最初の出だしが素晴らしく、殆ど深い霧に包まれた中で、ちらっと
敵艦を見出したかに見え、いや、違うかも、と模索する中、
突然に霧の奥深くが、ぼわっと炎の色に膨らみ、凄まじい大砲攻撃が始まる、
という始まり。

5-unnamed.jpg

何せフランス艦の方が速度も装備規模も勝っていて、というのは
初めて知り、今迄のイギリスは海洋国だから、という認識も改まりました。



そして今迄たくさんあれこれ見て来た帆船映画で、はは、
初めて出会った少年士官の存在!

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殆どまだ子供の士官が、やはり貴族階級の子族とかその関係が乗り組み、
彼らは単なる水兵ではなく、士官服を着て水兵を率いる立場なのですね。
これは大変興味を引かれた内容、描かれ方でしたし、



一方軍医は生物学者でもあり、ガラパゴス島に上陸し、大喜びで採取
する物の、艦船の出発を見て急ぐのに放棄せざるを得なかったり、

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艦長のオーブリーとは楽器演奏の仲間であり、2人で合奏するバッハや
モーツァルトの響きが流れるという、今迄とは1味も2味も違う海戦映画。

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当時はどちらも海軍とは言いつつ、海賊船まがいだったでしょうし、
それがしのぎをけずり合う、という娯楽映画でもあり、楽しいですよ。



・ エリン・ブロコヴィッチ
  ・2000年 米
  ・スティーブン・ソダーバーグ監督
  ・ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー、アーロン・エッカート

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アメリカ・カリフォルニア州にあるPG&E・パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社を
相手に訴訟を起こし、史上最高額の和解金を勝ち取った大変強い元気女性
エリン・ブロコヴィッチ。 1993年の実際の事件を描いた映画。



ですが、住民訴訟を代表して戦うというお堅い事件であるにも関わらず、
この映画の大きな魅力は、実際のエリンの魅力、子供3人を抱え、
生活に苦しみながらもめげず、口は悪く、押しも強く、住民の間に溶け込み、
その代弁者となる、そんな役柄をジュリア・ロバーツが見事に体現している
魅力にあると思います。

弁護士事務所の長であるアルバート・フィニー、若い頃より今の方が
ずっと魅力あると思う、はは、と丁々発止のやり取りをし、

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オートバイ族のジョージは、彼女の3人の子を見る役割にはまり込み、

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初めて人の役に立つ仕事をしている意識、に支えられ、聞き取り作業にも
夜遅くまで駆けずり回りながら、頑張り続けた女性の勝利。

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実際のエリンも、美人コンクールで優勝する程の美人だった様で、

7-erin-brockovich (1).jpg

小気味良い、大変出来の良い映画と思います。 ご一見を!


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・ n.2 べヴァーニャ ・ 紀元前からの歴史が残る、ウンブリアの町


中心広場に面したサン・ミケーレ教会、
shinkaiが訪問した時は残念ながら曇り日で、やはりイタリアの風景には
青空が欲しく、サイトから拝借の写真でどうぞ。

1-BevagnaChiesaSanMichele.jpg

自前の写真にはサイト名があり、無いのがサイトから拝借のものです。

煌びやかな聖堂の残るフォリーニョ・Folignoの町から西に約10kmにある、
ローマ期の紀元前から栄えた町で、町の位置地図は先回のご案内に。



まず町の地図をどうぞ。 平野に位置するべヴァーニャの町で、
文字通り周囲を城壁で取り囲み、全体の長さは約2kmあるそうで、
各方向に向かう町の名を冠した門が6つ開きます。

2-1-smappa-mura.jpg



お天気が良い日でしたら、一周2kmの城壁外の散歩を
楽しむのも良いかもですね。

2-2-visitare-bevagna-mura-meridionali.jpg

「紀元前からの歴史が残る」とタイトルに書いていますが、まさにべヴァーニャの
歴史は古く、鉄器時代から住民が住みついていたと言われ、
紀元前4~5世紀のウンブリ族の存在を示す考古学の発見もあるそう。

実際この町は先回出た、ローマからアドリア海のリミニに通じるフラーミニア街道
が通っていた紀元前220年頃からの繁栄が目覚ましく、
またローマ期にメヴァーニア・Mevaniaと呼ばれていたこの町は、当時トピーノ川・
Topinoが船の運航可能で、物資運搬の川の港も持ち、この川は
キアーショ川・Chiascioに合流し、最後はテーヴェレ河となりローマに、
というので、通商交易で繁栄していたのですね。

実際当時は雄牛の飼育の牧畜業が盛ん、農業も盛ん、麻布、ロープなども有名で、
町の周囲を囲む城壁が出来たのも当時で、町に今も残るローマ期の寺院、
フォロ・ロマーノ、アンフィ・テアートロ、テルメなどが残る事からも分かりますね。

ローマ帝国滅亡後のこの町は、皇帝領に含まれたり、スポレート、フォリーニョ、
ペルージャなどの下に入ったり、神聖ローマ帝国領にもなったりと目まぐるしく
変わり、町自体は衰退して行き、
現在こうして、ローマ期、古い中世期がそのまま残るという様子です。


で、今回は先回町の中心広場にあるサン・シルヴェストロ教会迄ご案内
しましたので、それに続き上の地図に赤線で囲った1の上、
サン・シルヴェストリ広場を挟んで向かい側の、サン・ミケーレ教会の
ご案内から始め、

2は、市博物館、ここはshinkaiは見ておりませんで、
3に、ローマ期の浴場、テルメ・ロマーノ  4にローマ期寺院、
5は、ちょっと道がカーヴしてますね、ここにアンフィ・テアトロがあったそうで、
その跡が現在住宅になっていて、中世の家として内部を見せていたのを、
という様な今回のご案内です。


さて、最初に正面を見て頂いたサン・ミケーレ教会・San Micheleですが、
建設が始まったのは1070年、向かい正面にあるサン・シルヴェストロ教会と
同じマエストロ2人・ビネッロ・Binelloと、ロドルフォ・Rodolfoの作と。

ここに元あった古い礼拝堂の後に建設されたのだそうで、
サン・シルヴェストロ教会の建設が終わるかどうかに、始まった事になり、
べヴァーニャの町の最初の聖堂としての建設で、コッレッジャータ・Colleggiata、
聖堂に継ぐ位置にまで認証されたのが廃止となった経過があります。



こちらが正面入り口で、13世紀、上部半円にはコズマ式のモザイク模様も
見られ、トラバーチン・石灰華の石の彫り物で大天使サン・ミケーレ像が
左右にあり、その下の彫り物のある脇柱は、ローマ期のリサイクルと。

3-9018580277_760c362843_b.jpg

木製扉はいつのものか分かりませんが、彫りも新しいので近年のものと。



こちらが上部半円の木製の彫りで、ほら、大天使サン・ミケーレが、
やはり背中に羽のある、つまり天使をやっつけている、 どういう事?

4-michele-arcangelo-portale-1024x683.jpg

それで改めて大天使サン・ミケーレについて調べました。
つまり3人の大天使というのは、ガブリエル、この大天使は聖マリーアに
「受胎告知」をする大天使として描かれている方で、もう1人はラファエロですが、
旧約聖書に出る魚を持ち、トビアスと旅を一緒にする天使で出ますが、
新約聖書には現れず、それで名前も聞いた事が無かったのですね。

大天使ミケーレは天国から追放された堕天使サムエルが道連れにしようと
ミケーレの羽を抑え込んだものの、神によって援けられたという事で、

半月の中の大天使ミケーレが、炎の剣を持って堕天使サムエルを抑え込んでいる、
という事になりますね。 普通は剣を持つミケーレですが、ルネッサンス期から
炎の剣をかざす、という姿でも表現されるようになったそう。

大天使ミケーレの浮彫 n.2 古寺巡礼  サン・ピエトロ教会 ・ スポレート
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/471738115.html



入り口脇上の左右に大きな姿で浮き彫りにされている大天使ミケーレ像、
左側はドラゴンをやっつける姿で、像の下に見えるのは
マエストロ・ロドルフォとビネッロの献辞。

5-bevagna07.4.3 068_t_GF.jpg

これは日本画家石本正さんのイタリア画文集にも登場していて、
画文集 我がイタリア 石本正
https://italiashinkai.seesaa.net/article/451920693.html



そして、右側は同じく大天使のミケーレが飛ぶ姿!

6-bevagna07.4.3 082_t_GF.jpg

この「飛ぶ天使」の像、というのがとても気に入って頭に残っており、描こう!と
思い切って描き始めていますが、それでもっと詳しく知りたくなり、あれこれ読み、
ブログにも載せようと思った切っ掛けとなりました。

素敵でしょう、空飛ぶ天使!! 鉄腕アトムの主題歌が聞こえそう、ははは。



この辺り脇柱の石は、ローマ期の建材からのリサイクルだそうで、

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鳥の姿が可愛いでしょう? 水鳥、鷺かな。



こちらは正面壁の上、薔薇窓の下の位置にある、水平の飾り部分で、
小さなアーチの横に、人間の顔、動物の顔が並びます。 中世の香り!

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といった正面外側のロマネスクに反し、内部はバロック式に改装されていて、
私は見ておりませんが、こんな様子で、サン・シルヴェストロ同様、内陣が高く、
下にクリプタの構造で、3廊式。

12--Chiesa_di_San_Michele_(Bevagna),_interno_01.jpg



内陣上に、こんなドームもある様で。

13--Chiesa_di_San_Michele_(Bevagna),_interno_03.jpg



鐘楼は後のゴシック式の尖塔を持つ姿の、

14-bevagna07.4.3 114_t_GF.jpg

サン・ミケーレ教会、でした。



町中の狭い小路はこんな様子で、

15-bevagna07.4.3 116_t_GF.jpg



そうそう、蜂の巣から作る蜜蝋の蝋燭作りを見せている、というので
見たかったのですが、時間が合わずで残念でした。

16-bevagna07.4.3 111_t_GF.jpg



こちらは図の4、元ローマ期の寺院跡で、後に教会に変更されたもので、
shinkaiの写真よりも良く分かるのでこれを。

17-.jpg

この教会の南に、かってフォーラムがあったそう。



そして図の3.ローマ期の浴場跡が見れるというので、喜んで行きました。
ヴィア・デッレ・テルメ・ロマーネ・Via delle Terme Romane.

18-bevagna07.4.3 132_t_GF.jpg

当時はまだきちんと博物館式になっておらず、案内もボランティアの方の
様で、ちょうど発掘され整備されてまだ日が浅い、という感じだったと。
手前の戸口から入ったものか、向こう半分に綺麗になっている戸口だったか、
ハッキリしませんが、内部からの写真では半円の窓が3つ見えるので、
どちらの建物にも跨った形、ローマ期には一つの建物だったのかも、ですね。



内部の様子。 そう、こんな鉄格子の上を歩き、覗き込む形。
海の生き物がいっぱいに描かれているもので、
広さは12x6,75m、 紀元後2世紀の初めのものと。

19-unnamed.jpg

20-1-unnamed (1).jpg



それは良いのですが、この写真で見える様に、ちょうど人物の上に鉄格子が
かかり、肝心の人物が良く見えないのですよぉ。

20-2-9ae5f85ee43151e0a1b679d791947c4d.jpg

ほらね、たまたま人物像が既に剥落していたのかもしれませんが、
それはそれでどうなっているのか見たいではありませんかぁ。



ほらね、shinkaiのでは、少し顔が見えるでしょう!

21-bevagna07.4.3 117_t_GF.jpg



黒一色のモザイク片を使ったものですが、かなり盛り上がった形に見え、
如何にも動的で、簡潔なデザインの、見事なモザイクでした!  

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モザイク師はデザインを持ち歩き、注文主に見せて承諾を得たと
聞きましたが、デザインは紙だけど、使う石はどうしたんだろう、と。
やっぱりロバなどを使って持って回ったのかなぁ? 現地調達かな?

どの位のお湯の深さだったのか聞きましたが、考えていたのよりももっと浅く、
膝の半ば迄位、と聞いた記憶がありますが、この広さではそうなるのかな?
これに関してはもうちょっと良く知りたい部分ですね。



図の5、元アンフィ・テアトロ・野外劇場跡で、知らずに行ったものの、
何となく不思議な感じのする広場があり、つまり周囲を取り巻く建物類、
元々は桟敷席をリサイクルして家並になっているのですが、

少し下り坂になった位置にあり、何となく不思議なイメージで眺めたのですが、
その脇に、中世の家を見せる、というのがあり、中に入りました。

台所、

26-bevagna07.4.3 123_t_GF.jpg



そして、浴槽。 これはお姫様用の設えですね、はは。

27-bevagna07.4.3 125_t_GF.jpg



機織り機もあり、頑丈な形ですが、綜絖が2枚の単純な平織機ですね。

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質素なテラコッタの器等を売っていて、お醤油皿に良いかと小さなお皿を
2枚ほど買いましたが、多分欲しいと思う物が他に無かったのだろうと。
そう、日本の陶器に慣れた身には、こちらのはねぇ。

アンフィテアトロ跡の再構築  アンフィテアトロ広場 ・ ルッカ
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/465780813.html



こちらは最後に見た、図2の、ポルタ・トーディ・Porta Todiの内側に
広がる広場で、右側の大きなアーチはパラッツォ・コンソリのロッジャで、

29-sbevagna-01.jpg

左はシルヴェストリ教会の後陣の後姿。



べヴァーニャの町では6月後半に、有名なガイータのお祭り、中世市が
開かれ、なかなか本格的なもので楽しそうですし、

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中世好きの方、ローマ遺跡、モザイクに関心のある方にもお勧めの町です。
フォリーニョ辺りまでお出かけでしたら、是非どうぞ!


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・ n.1 べヴァーニャ ・ 紀元前からの歴史が残る、ウンブリアの町

今日のご案内は、ちょっとした「落穂ひろい」ともいえる、
ウンブリアの珠玉の町べヴァーニャ・Bevagnaです。

1-bevagna.jpg

ですが改めて訪問したわけではなく、最近新しく描き始めた絵のモチーフが
この町の教会の入り口扉にある事や、
以前のブログ記事にも登場した事があり、何となく頭の中に留まっており、

13年前に初めて自分で運転して旅行した時に訪問したまま、纏められず、
へへ、そのまま残っていた写真を改めて整理したり、あれこれ読んだりで、
今もう一度訪問したら、もっと大きな収穫があるのではないかと、
新しく頭の中に浮かび上がって来た町の姿を自分なりに咀嚼したものです。

という事で、あれこれサイトからも写真を拝借してご案内致しますね。

上は、町の中心広場のピアッツァ・シルヴェストリ・Piazza Silvestriに
面するサン・ミケーレ教会・San Michele.



べヴァーニャの町はどこにあるか、地図をどうぞ。
ウンブリア州のペルージャ県、フォリーニョ・Folignoの西、10km程に。

2-1-map umbria.jpg

べヴァーニャの南に見えるモンテファルコ・Montefalcoの町も、大変良かった
記憶があるものの、ここも纏めておらずのままで! いつか再訪したい想いが
どこかに残っていたのが、今回なんとべヴァーニャから8km足らずなのを知り、
ちこっと血が騒いでいます。
フォリーニョの町も見たままで!



その西に見えるバスタルド・Bastardoには笑いました! ははは、だってこれは
雑種(犬)の意味で、悪口を言う言葉で、こんなのを町の名にする勇気!
どんな町か見に行きたくなりません?!

と書いた所で町の写真を探しにグーグルに行くと、やはりshinkaiだけが
喜ぶのでなく、こんなのが! 町の名の可笑しく凄いやつで、がはは。
それぞれの意味は到底書けず、皆さんが翻訳ツールで調べて下さいね!

2-2-scartelloMix1.jpg

アッシジのご案内はこちらから
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460871638.html

スペッロ ・ Spello ・ 穏やかな、小路の町
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461551769.html




べヴァーニャの町はこんな風に平野にあり、

3-Bevagna_z002.jpg



多分皆さんもよくご存じと思うのは、このアッシジのサン・フランチェスコ聖堂の
下院の壁画、ジョット作とされている、「小鳥に説教するサン・フランチェスコ」で、
このべヴァーニャで起こった、と伝えられていて、

6-Giotto_di_Bondone_-_Legend_of_St_Francis_-_15._Sermon_to_the_Birds_-_WGA09139.jpg

べヴァーニャから北にあるカンナーラ・Cannaraに向かう道筋と。



そしてこの町が有名なのは、6月下旬に毎年行われる中世回顧の「ガイテの市・
Mercato delle Gaite」。

7-mercato-gaite-bevagna.jpg

6月最終の日曜を2度挟んで10日間にわたって繰り広げられる、中世の市や
職業の再現等など、4つの区域に分かれた地域がそれぞれ競う物で、

みんな、広場へ ・ ウンブリア紀行 3
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462901061.html

で見た写真にとても惹かれ、この町に出かけた、という訳でした。



町の地図をどうぞ。 緑の枠で囲った枠の、町の中心が、最初の写真にあった
シルヴェストゥリ広場周辺で、ここには教会が3つ、サン・シルヴェストロと、
サン・ミケーレ・San Michele、そしてサン・ドメニコ・エ・サン・ジャコモ・
San Domenico e San Giacomo、とパラッツォ・コンソリ・Palazzo Consoliが。

8-map.jpg

緑枠から外れて右下にあるのが、ローマ期の川の港脇にあった税関の建物。
右側に見える3つは、上の小さいのが、素晴らしいモザイクが残るテルメ・ロマーノ・
Terme Romano、左側の上にテンピオ・ロマーノ・Tempio Romano、
左に曲線を描いて残る建物類が、かってのアンフィ・テアトロ跡、
一番下がフォロ・ロマーノ跡、という訳で、

左下の川沿いを囲ったのが、かっての共同洗濯場で、こちらでご案内を。
n.1 イタリアで一番美しい橋30 ・ ローマ期 中世、近世の
http://www.italiashiho.site/archives/20190704-1.html



という訳で、町の内部のご案内に。

shinkaiが行ったのは、4月初旬でしたが、確かフォリーニョの郊外に泊まり、
そこから出かけた筈で、川を渡って町に入ろうとした所で、P⇒ の印に引かれ、
町の周囲をぐるっと回り、反対側、多分町の北に今も見えた広い野外駐車場に。
そして多分このカンナーラの門をくぐって町に入ったと。これは町中からの眺めですね。

9-Porta_Cannara,_Bevagna_01.jpg



で、こちらが町の中心広場サン・シルヴェストゥリで、泉と、その後ろに
見えるのがサン・シルヴェストロ教会で12世紀建設の物。

10-bevagna07.4.3 064_t_GF.jpg

広場の名前のシルヴェストゥリ・複数形は、教会名のシルヴェストロ・単数とは
関係なく、はい、書き間違いではなく、この町出身のフィリッポ・シルヴェストゥリ、
19~20世紀の昆虫学者から来ているのだそう。

左に切れて見える建物と階段は、



真ん中に見えるパラッツォ・コンソリ、13世紀の建設、かっての執政官の館で、
1階がロッジャになっており、現在上階は19世紀の劇場になっているそう。

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パラッツォ・コンソリ脇の階段から見る広場と泉。 

12-bevagna07.4.3 115_t_GF.jpg

この時の旅行は運転免許を取って始めた出かけた旅で、まだまだイタリアの
町、村、歴史について知らずで、実際何を見たら良いのか、なにを撮りたいのか、
ははは、良く分からずだったのが、今こうして見ると良く分かります!



同じ広場の東端というか、コンソリ邸の階段と道を挟んでの、サン・ドメニコ・
エ・サン・ジャコモ教会、建物のこちら端に見えるのが入り口で、
ここは修道院を含む大きな建物。

13-bevagna07.4.3 112_t_GF.jpg

写真左端に見える円柱にご留意を。



これですね。「サン・ロッコの円柱」と呼ばれるローマ期の物と分かりましたが、
謂れについては分からず。 案外どこかのサン・ロッコ教会から持って来たものかも!

14-bevagna07.4.3 084_t_GF.jpg

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こちらがサン・ドメニコ・エ・サン・ジャコモ教会の入り口上のルネッタの様子。
教会内部には、木製像と14世紀のフレスコ画の残りがあるそうですが・・。

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実際この時は町中の様子を殆ど撮っておらずで、ウンブリアの町というのに余りにも
平地あっけにとられたというか、拍子抜けした記憶が残ります。



という所で、素晴らしかったサン・シルヴェストロ教会の内部の様子を。

ご覧の様にロマネスク様式で、正面上は最終仕上げが欠けている水平の形で、
正面扉上に3連の窓とその両脇に2連の窓があり、

18-Bevagna_-_Chiesa_di_San_Silvestro.jpg

この教会と、広場を挟んであるサン・ミケーレ教会建設には、マエストリ・ビネッロ・
Binelloと、ロドルフォ・Rodolfoの名が残りますが、調べたものの、
ここに名前が残るのみで、詳細が分かりませんでした。

この泉、美しいでしょう? 周囲の枠もどこかペルージャの泉を思い出しますが、
中世風を模した19世紀の物なんですと。



で、どこで撮ったのか忘れていたこの写真の場所が判明、良かった、はは。

17-bevagna07.4.3 090_t_GF.jpg



教会入口扉の上部装飾と、

19-bevagna07.4.3 105_t_GF.jpg



入り口脇にある、AD MCXCV・アンノドミニ・1195 が読めますが、
他はERRICO IMPREREGNA?  いちばん下真ん中にBINELLI かな?

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上の3連の窓と、横水平に並ぶ線上の動物たち。 窓枠、円柱ともに新しいので、
修復され取り換えられたのかも、ですね。

19-bevagna07.4.3 091_t_GF.jpg

20-bevagna07.4.3 094_t_GF.jpg



そして内部の様子。 正面外から見ると、そう大きな教会ではない様に
見えますが、実際の内部はかなり広い感じを受け、

22-san-silvestro-bevagna-12.jpg



高い正面祭壇を挟んでの3廊式。

23-bevagna07.4.3 098_t_GF.jpg



右下に、祭壇下のクリプタへの降りる階段があり、

24-bevagna07.4.3 103_t_GF.jpg



教会全てが小さな石積み、少し煉瓦積み、という他は、円柱頭の装飾のみで、
その単純な力強さの威力に、実は圧倒されたのでした!

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私の他に誰も見学者がおらず、薄暗く、尚の事威圧感があったのかもですが、
見事だなぁ、と思ったものでした。

こんな壁、空間が描けたらねぇ・・!!



こちらはクリプタの様子。 光の入り方が美しいでしょう?

26-bevagna07.4.3 095_t_GF.jpg



サン・シルヴェストロ教会の扉から見る、向かいのサン・ミケーレ教会。

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そしてここで入ってきた管理人らしいシニョーレから、すぐこの前を
ヴィア・フラミーニアが通っていたんだよ、と教えて貰ったのでしたが、

ヴィア・フラミーニア・Via Flaminia、紀元前220年から建設が始まった
ローマからアドリア海のリミニを結ぶ210マイル・約338kmの執政官街道。

27-Via_Flaminia_map.jpg

ピンクの線が新しい街道で、合流する位置がフォリーニョ・Forum Flaminiiで
1つ手前のMevania・メヴァーニアというのが、ローマ期におけるべヴァーニャの名。
すぐこの前を通っていた、と聞いた時は、ゾクッとしましたっけ。



こちらはアドリア海近くに見えるフォッサンブローネ・Fossambroneに残る
フラミーニア街道の姿。

28-via_flaminia-_Fossombrone.jpg

南ラツィオに行った時アッピア街道が立派に残る姿を見て以来、改めてローマ人の
建設能力の高さに感嘆、ローマ期の街道にロマンを感じる様になりましたっけ。


テッラチーナ ・ ローマ期の遺跡と香りが色濃く残る街 n.1 
http://www.italiashiho.site/archives/20170209-1.html

テッラチーナ ・ ローマ期の遺跡と香りが色濃く残る街 n.2 
http://www.italiashiho.site/archives/20170210-1.html


という所で、次回のご案内をよろしくお願い致しま~す!

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・ 「第4階級・イル・クワルト・スタート」 ・ 5月1日のシンボル

明日は5月1日、メーデーの日・労働者の祭日で、イタリアは祭日。
例年ローマのサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂前の再広場では
野外での大コンサートが終日開催されるのですが、それも今年は・・!

でも、今日は毎回のコロナ・ヴィールスのニュースはさておき、
まず見て頂きたい写真を。

そう、ジェノヴァの街に架かる新しい橋が、28日に遂に繋がりました!
美しい3色に彩られた橋、「ポンテ・イターリア」です。

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まだこれから最後の様々な仕上げ工事がありますが、とにかく上面が繋がり、
ジェノヴァ市長は感激していたと。
工事はコロナヴィールスの危機状態の中でも続けられ、遂にここ迄!


2日前にスーパーに買い出しに行きましたが、その前日から一部の
工場などの再開があり、途端に坂の下の道を通る車が増えていて
驚きましたが、皆がやはり再開をどんなにか望んでいるのが良く分かり、

ドイツなどは再開した後に感染者が増えたとか、フランスは学校の
再開を先送りしたとか、まだまだヨーロッパは大変な状態ですが、
生活問題があり、これ以上は封鎖できない、というのが真実と。

とにかくきちんと自衛し、再開、再会を待とうと思っています。

**********


上記した通り、明日は5月1日、労働者の祭日で休日のイタリア
ですが、この日のシンボルと見なされている絵・
第4階級・イル・クワルト・スタート」をご紹介しますね。

1-1024px-Quarto_Stato.jpg

元々メーデーの日は、1886年にアメリカのシカゴで起こった労働者達の
反乱が流血の鎮圧に終わったのを記念したものと言われますが、
この絵の中では、暴力的ではなく、ゆっくりと、平静に、
自分たちの権利を要求して進む人民が描かれています。



画家はジュゼッペ・ペリッツァ・ダ・ヴォルペード・Giuseppe Pellizza
da Volpedo(1868-1907) 1901年作 293x545cm 画布油彩


2-GiuseppePellizza.jpg


ピエモンテ州アレッサンドリア県のヴォルペード、ピエモンテ州ではありますが、
ミラノの南西、という方が早い位置にある町の、裕福な農家の生まれで、
工業学校で製図を学んだ後、ブレラ美術学校絵を学び、ローマに、
そしてフィレンツェで、再度またベルガモで、ジェノヴァでと学び続け、

24歳で生まれ故郷のヴォルペードに戻り結婚、名前の最後にかっての画家の様に
生地の名を付けて記すようになり、
セガンティーニに影響を受けた絵を発表するように。 

当時の写真と、

3-images.jpg



花咲く野。

4-Giuseppe_Pelizza_-_Prato_fiorito.jpg



太陽。

5-The_Sun_by_Giuseppe_Pellizza,_1904_-_Galleria_nazionale_d'arte_moderna_-_Rome,_Italy_-_DSC05311.jpg



宗教の行進・プロチェッショーネ。

6-Giuseppe_Pellizza_da_Volpedo_-_La_Processione.jpg



そしてぺリッツァはアメリカの労働者たちの蜂起にも心を動かされたか、
生まれ故郷で見る農民たち、下層労働者たちの姿に意識が行ったか、
1891年に、「第4階級」の先駆けとなる
「飢えの使者たち・Ambasciatori della fame」の素描を。

7-Ambasciatori_della_Fame.jpg

これは実際に彼自身も支持したという、ヴォルペードの町の広場での
日雇い労働者たちの姿を描いたもので、
背後に大勢のグループを率い、主人に自分たちの権利を要求する、
代表者3人の姿。



画家はこの作に満足せず、その後すぐに新しい制作に取り掛かり、
「フュマーナ・Fiumana・大河の滔々たる流れ、の意」を。
こちらがその下図で、

8-Fiumana-bozzetto-1895.jpg



1895年の「フュマーナ」はこちら。 先頭の3人の1人は
赤ちゃんを抱いた女性に替わり、彼女は素足で、
背後に「大河の如き」大勢の労働者が続きます。

9-fiumana_1_orig.jpg

背後の人間の姿は以前よりももっと充実した構成となり、前部の3人に
近づき、色も光も変わり、強調されたものに。



が画家は未だ納得せず、1898年に再度3度目の制作に取り掛かり
活道力と現実感を与える場面の表現、労働者たちの歩み、
前の「フュマーナ」の単なる前進の歩みを超えた、
階級闘争の歩みの姿で、ここに「第4階級」のタイトルが生まれます。

10-il-quarto-stato-1_1.jpg

かっての階級は、1.貴族階級、2.聖職者階級、3.中産階級・市民層
だったのが、前世紀に生まれ、名付けられた第4の労働者階級の台頭があり、
政治的に権利を要求する姿が初めてここに描かれた、事になります。

前を行く3人は、前作と同じ男性2人と女性1人ですが、
もっと明確な姿で、強い光の中で全体の色調が見事に整い、

自分たちの権利を暴力的ではなく、ゆっくりと的確に、平静に、求め、
背後の大勢も揃って、話し合いながら進む姿ですね。



前を行く2人の細部で、右の女性は画家の妻テレーザと。

11-Quarto_Stato_(Volpedo)_Detail.jpg



ここに描かれた人物もヴォルペードの住民で、名も分かっており、

12-Modelli_Quarto_Stato.jpg

1.ジョヴァンニ・ザッリ・Giavanni Zarri 当時45.6歳 建具師
3.ジャコモ・ビドーネ・Giacomo Bidone やはり建具師 生年月日が
  間違っていて年が分かりませんが、1.のジョヴァンニと同じ位か、
  表情から見て少し上かと。
9.ぺリッツァの妻テレーザの妹マリーアで、10.がその夫ジョヴァンニ。

ぺリッツァの妻テレーザは3人目の子どもを産んですぐ亡くなり、
彼は妻の死後鬱となり、39歳で自殺したそうで、
テレーザの妹マリーアも28歳で肺結核で亡くなり、後年夫も自殺と。



こちらはベルナルド・ベルトルッチ・Bernardo Bertolucci監督の
映画「ノヴェチェント・1900年」のタイトルに使われた画面と。 覚えてない。

13-Novecentotitolo.jpg



という事で、最後にもう一度、「第4階級・クワルト・スタート」を。

14-1024px-Quarto_Stato - Copia.jpg

このぺリッツァの素晴らしい代表作は、ミラノのドゥオーモ広場の
「ノヴェチェント博物館」に収蔵されているそうで、

TVのニュースの折柄に見て知ってはいた絵で、色の美しさに惹かれては
いたものの、タイトルも何も知らずでしたが、今回謂れを知りましたので、
「労働者の祭日」に因んでの、ご紹介でした。


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