・ 「ル・シャトレーヌ」をご存知? 宝石、アクセサリーでなく、でも・・

イタリアは、先週土曜にマリオ・ドゥラーギ・Mario Duraghi氏に
よる内閣が組閣され、大統領官邸で各大臣の宣誓が行われ、
今週上院、下院の承認を受けます。

イタリア新首相マリオ・ドゥラーギ氏

1-cbc0222e5c6a347ffae9c9493b79707e_GF.jpg



宣誓式と、新しいイタリア内閣 大臣23名、うち女性8名

2-thumb-full-720-20210213_roma_giuramento_draghi_GF.jpg

3-blobdraghidefinitivorcs_640_ori_crop_master__0x0_640x360_GF.jpg



大変に真面目な方で、はぁ、余り笑顔が見れないので、これを。

4-chi-e-mario-draghi-eta-moglie-serena-figli-federica-giacomo_GF.jpg

マリオ氏 73歳  結婚生活47年の奥様はセレーナ・カッペッロ・Serena.
イタリアは夫婦別姓ですが、大変思慮深く、慎み深い方と。



で、首相交代のこの日、首相官邸を去るコンテ氏。
公式には初めて、という婚約者と一緒に手を繋いで去られ、
官邸職員から熱い拍手を。 2年半、良い首相だったと思います。

5764494_1327_giuseppe_conte_lascia_palazzo_chigi_fidanzata_applausi_twitter_GF.jpg

政治からは離れないものの、元の大学教授に、フィレンツェ大の法学、
に戻られるそうで、きっといつかまたお顔を、という気がしますが。

56歳、結婚後間もなく離婚し、13歳の1人息子。
こういう記述は、首相になった時に書く事でしたね、へへ。

オリヴィア・パラディーノ・Olivia Paladinoという彼女は
暫く前からゴシップ誌に載っていたみたいで、見たい方はこちらで


*****


今回は先日偶然に見つけた興味深いものをご案内しますね。

ル・シャトレーヌ、腰に吊るした有益な宝石
Le Chatelaine: un utilissimo Gioiello appeso alla Vita
を先に見つけたのでしたが、検索をかけ別の記事も見つけ、

シャトレーヌに触らないで!!
Non toccatemi la Chatelaine!!!

写真を見て頂くと良く分かりますし、少しレトロな感慨も込め、ご案内を。


この絵は1901年に描かれた2人の少女で、左側のピンクの衣装の腰に
下がる3つの物、右に金属製の小さな袋、左に時計、真ん中の物は
何かはっきりしませんが、
黒い紐に金属のピンかな?を付け、細い鎖で下げているのが分かります。

1-Dipinto-Chatelaine.jpg

これがシャトレーヌ・chatelaineと呼ばれ、
とりわけ19世紀に、女性の間に流行った物なのですね。

ほら、かっての時代、と言っても近代の貴族の館とかで働いている、
召使の長である女性管理者が、腰にすべての家の鍵、
食料品庫、棚、寝具類、衣類等などの鍵を下げ管理していて、
用がある時はその鍵を召使に渡し取って来させる、
という場面を小説の中とか、映画の中でも見ますよね。

あれが所謂シャトレーヌの言葉の起こり、つまりフランス語での
「城の婦人・夫人」から来ている言葉で、

時代と共に、この必要なものを腰に下げる便利さから、
ポケットが未だ無い時代に時計、小さな鋏、メモ、ナイフ、等など、
毎日の生活に必要な物を下げた、持ち主にとって親愛な物、だったのですね。

シャトレーヌは中世から使われていたものの、所有者が増え、
男性、女性共に流行したのはヴィクトリア朝時代、
つまりイギリスのヴィクトリア女王の統治時、1837~1901だったそう。

ポケットは14世紀以前には用いられず、袋はとても小さく繊細なもので、
大きく、強い袋は、所謂上流社会の男性、女性には使われずで。

写真をご覧下さいね。

2-La-Chatelaine.jpg

3-La-Chatelaine-4.jpg

4-La-Chatelaine-2.jpg

5-La-Chatelaine-3.jpg

下げられている物は、上記の通り、時計、小さな袋、メモ、鉛筆、鋏、
針ケース、糸、気付けの塩、等など、その持ち主に必要な物ですが、


最後の写真のはどうやら眼鏡ケースの様で、ベルトに挟んで下げる様で、
日本の印籠とか、煙草袋、火付けとか、を思い出しますね。



そうそう、上に家の鍵をすべて預かる家事担当の女性、日本語でなんと
呼びましたっけ? はいわゆる奥の仕事の支配で、

「執事」と呼ばれる男性は、一家の主人の世話、食卓のサーヴィス、
祭りごと、そして訪問客の世話をする係ですね。



こうして日常生活に必要な物、として使われ始めたシャトレーヌですが、
徐々に持ち主の見栄もあり、女性たちの見せかけ、はは、もあり、
宝石ではなかったものが、エレガントなすべて銀製の物となったり、

これは1850~1890の、舞踏会用の物で、小さな鏡、メモ帳、香水瓶、鉛筆、
小さな袋・ハンカチとか小銭用、が下がり、   失礼! 写真添付忘れを

6-Two-Silver-Chatelaines-1850-1890-.jpg



こちらは男性用の物で、右から眼鏡、塩入れ、時計、鉛筆で、
金属面の彫りが薄れる程に良く使い込まれており、

7-chatelaine-maschile.jpg



こちらはやはりヴィクトリア朝時代の、幸せを齎すもの一式!
となると、現在のブレスレットと変わりがありませんね。

8-Victorian-Lucky-13-Charm-Chatelaine-Enamel-Sterling-Silver-Italian-Amulet-.jpg



持ち主が看護婦であると、小さな体温計、錠剤、笛、時計であったり、
縫子であれば、定規、鋏、針ケース、そして指ぬき、
スポーツに出かけるには、点数を書くメモ、鉛筆、という具合で、
服喪の勤め人には、十字架とか、元気をつける錨、ハートなども。

9-vittoriana powXgGN.jpg



これは1750年製の時計で、金製の大変豪華なもの、どなたの物だった?
ヴィクトリア・アルバート博物館収容。

10-ca.1750.-Watch-and-chatelaine-Pyke-John-VA.jpg


という、大変に流行し、様々に使われた日常小物ですが、
19世紀末になると徐々に衰退。

というのも、時の身分解放、自由獲得が女性に齎した急激な変化、
つまりたくさんの物が入り、実用性に富むバッグが現れ、
と共に腕時計の出現、という訳なのでした。



ですがぁ、思いがけない写真も見つけたサイト記事があり、

CHE COSA È LA CHATELAINE E PERCHÉ NON PASSA MAI DI MODA
写真をご覧下さいね。

この女性はロザリンド・ラッセル・Rosalind Russell(1907-1976) 米女優
手首に「特に親しい友人達から贈られたプレゼント」を付けており、はぁ、

11-portrait-of-actress-rosalind-russell-making-a-phone-call-.jpg

こういう使い方もあるのですねぇ、ははは。



と思うと、

アレクサンダー・マックィーン Fall/Winter 2019/2020のモード

12-model-bag-detail-walks-the-runway-during-the-alexander-.jpg



フェンディ  Fall/Winter 2020/2021

13-model-fashion-detail-walks-the-runway-during-the-fendi.jpg



プラダ  Fall/Winter 2020/2021

14-february-20-bag-detail-during-the-prada-fashion-show.jpg


という様に、タイトル通り「モードは決して終わらない」で、
また新しく姿を見せた「ル・シャトレーヌ」なのでしたぁ。


*****

当ブログご訪問、有難うございます!
見たよ! の応援クリックも宜しくお願い致しま~す!


    s誕生日カード2020.jpg

*****

色鉛筆+水彩画ブログには、
アレッツォの坂道 途中経過と、 ヴェネツィア18世紀 つけボクロ
をアップしています。


*****
   
記録庫ブログは、お陰様で無事引っ越しを終えました
 
今後ともの皆様のご訪問を、よろしくお願い致しま~す!

*****

コメントの書き込みについてのお願い。

ブログの記事下に、「コメントを書く」が出ていない時は、
上か右の、記事タイトルをクリックして頂けると
記事の一番下に「コメントを書く」が出ますので、よろしくお願いいたします。
非公開コメントをご希望の場合は、非公開で、と書いて頂くと、  
コメント承認制ですので、保留にし、お返事だけ公開しますので、
それもご了承下さいませ。
posted by shinkai at 01:32Comment(0)・欄外