・ n.3 ヴェネツィア行き  ムゼーオ・コッレール ・ コッレール博物館 その2

先回に続きまして、ヴェネツィアのサン・マルコ広場、聖堂の向かいにある
ムゼーオ・コッレール、 コッレール博物館の展示品紹介その2のご案内を
続けますね。

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コッレール博物館の2階には、日本流にいうと3階になりますが、
絵画の展示がある様子ですが、うん十年前に見た記憶がしっかりの
絵画展示はどうやら現在閉鎖中の様子で残念でしたが、
まぁ、またコロナ終焉の時には再開してくれるものと期待し!



今回はサン・マルコ広場の南側の棟の、そのまた南側の部屋の展示で、
国立考古学博物館収蔵品らしき物、そして市博物館の品らしき物など、


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そして南側一帯は、ナポレオンが1797年にヴェネツィア共和国を倒した後
パラッツォ・レアーレ・Palazzo Reale、王宮と呼ばれる居住地となり、
義理の息子、ナポレオンの最初の妻ジョゼフィーヌの子ウジェーヌ・
ド・ボアルネの下にあったのが、

1814年にヴェネツィアはオーストリアの治世下に入り、この王宮も
オーストリア皇帝一家のヴェネツィア滞在所となり、
イタリア統一後にはイタリア国王の物となった、という由来があり、

長い間閉鎖されていたのが修復され、2000年から幾つかの部屋が公開
されているというもので、美しい部屋が見事でしたので今回最後に。



まず市博物館の所蔵品と思われる、皿絵の2枚。
いつの時代の物か、左で動物たちに音楽を聞かせている楽人が、
右では女達にこん棒でボコボコにされている図で、ははは。

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黄金のブチントーロ・ドージェの御座船 の模型。

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ブチントーロの再建造という話が随分前にあり楽しみにしていたのですが、
カナレットの展覧会を見に行った時にやはりブチントーロの模型があったので
管理の方に尋ねましたら、

プロジェットはヴェネツィア市ではなく市民側から出ていて、なかなか資金が
集まらず・・、という事の様で。

カナレット と ヴェネツィア展 ・ ドゥカーレ宮 ヴェネツィア
https://www.italiashiho.site/archives/20190313-1.html



これはカルネヴァーレの時期に行われる「ヘラキュレスの力試し」とでも言うか、
いわゆる人間ピラミッドの競技ですね。

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最初のは単純な5段ですが、2枚目のは樽を繋いだ上に8段(3段目は2重に)
のピラミッド!

横にあった説明を写して来たのでご案内すると、元々13世紀頃からあったのが、
1705年に有名になったもので、というのも、
それ迄あった欄干の無い橋の上でする「拳骨戦争」が禁止されたのだそう。

で、カーニヴァルの最後の木曜日、四旬節(復活祭前の摂食の40日間)が
始まる前の、「大食の日」で、ジョヴェディ・グラッソと呼びますが、

ヴェネツィアの各地域が南北の2つに分かれ、大運河の北側がカステッラーニ・
Castellani、シンボル色は赤、
南はニコロッティ・Nicolotti、色は黒、
で、ドージェを始め、著名の招待者、行政関係者、一般民衆と大勢の前で、
サン・マルコの小広場前で行われるもの。

樽を繋いだ土台の上に、一番下は10~12人の人間の上に、木の板と人間で
次々にピラミッドを高くして行き、最後は子供が上り、
でんぐり返しをしたり、飛んだりするのだそうで!

まぁ、これだと欄干の無い橋の上での拳骨闘技よりも、怪我人が少ないかも!
今もあるのだろうか? 写真も見た事が無いですが。



家庭用品類で、手前真ん中はパスタ茹での鍋、大きいので嬉しくなって!

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サン・マルコのシンボル、有翼のライオン君の小さな碑ですが、
よくもこう可笑しなライオンの顔を彫るもの、と、ははは。

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右下は、秘密の密告口で、いわゆる目付箱。

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最初に「省と他への秘密の告訴・・」とあり、何度も告訴の投書に使われた
様子で、口の周りが黒くなってますねぇ、ははは。


秘密の告訴、といっても、告訴するには必ず本人と承認者の署名が
必要で、これは!となると呼ばれて直接に訴えを、という手順だったと。

ドゥカーレ宮の中にも勿論、ヴェネトのあちこちでも口を開けているのをね。

怖い人間の顔をしたのは n.1 パラッツォ・ドゥカーレ・ディ・ヴェネツィア
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/464578376.html



こちらは小さな小さな、一番小さなのはブローチの大きさ位な肖像画の
コレクションで、なかなか興味深くもあり、素敵なのもあり、

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展示前のガラスに灯や窓からの光が反射し、上手く撮れずこの面だけですが、
こちらは他の展示の中の、少し大きな、素敵な女性の顔。

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いよいよ王宮部分に差し掛かると、向かいのサン・ジョルジョ・マッジョーレ島が
こんな風に見えるのです! 

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大快晴の日、まだ木々の葉が茂り切っておらずで、素晴らしい眺め!!
部屋のすぐ下は「王宮庭園」と呼ばれる公園になっていて、たくさんの人が
一休みを。

庭園と建物の間には運河が通り、近づけませんので、誰が?! ご安心を! 



で、いよいよ王宮の部屋になりますが、あれこれ読んで分ったのは、
現在の姿は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリーザベト・
シシーの、1856年の初のヴェネツィア訪問前に改装された姿に、修復したもので、
この時は38日間のヴェネツィア滞在だったそうですが、

皇帝も一緒に38日間の滞在だったのか、ロンバルディアーヴェネツィアが
オーストリアの治世下の為のミラノも含めての滞在だったのか不明です。


美しい青と金の壁布の、皇后エリーザベト・シシーの寝室。

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こちらは書斎。

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素晴らしい螺鈿が施された宝石箱の様な文庫、で良いのかな。 
扉が開き、中が覗けるようになっており・・。

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フランツ・ヨーゼフ1世とエリーザベトは1854年4月に結婚しており、
エリーザベトの姉のヘレンが当初の結婚相手に、という予定が、

フランツ・ヨーゼフは姉と一緒に来た彼女を見た途端に我を忘れる程の
一目ぼれだったとか、
彼の母親はエリーザベトの母親の姉で、まぁ、バイエル地方の田舎でのんびりと
野性的に育った彼女を、姑になった叔母のゾフィーは厳しく躾をしたがったとか、
ゴシップの話題に事欠きません、ははは。

こちらがオーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世皇帝1853年の肖像。
ちょうど結婚する前年に当たります。

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こちらが1855年結婚翌年のシシー。 未だ17歳! 

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若く美しく、長い髪を見事に保つ為に、それぞれ何時間も手入れをしたとか、
なんだかんだと書かれてあるのも読みましたが、まぁね、出来る人、したい人は
したら良いのですしね、はは、
単純shinkaiは、いやぁ、どちらも美男美女のカップルだなぁ、と。


それはさておき、ウィーンの厳しい宮廷から逃れる事はシシーにとっては
大変嬉しい事だった様子。

ヴェネツィアに到着し大運河を皇帝、皇后が船で行かれるにも、大運河に面した
どの窓もぴったりと締め切られ、サン・マルコ広場に到着しても凱歌を揚げるのは
オーストリアの兵士達のみで、

ヴェネツィア人たちはむっつりと占領国の皇帝皇后を眺めるのみ!
広場にたくさん集まったのは、単純に「美しい」と評判の皇后を見る為だったとか。


それでも彼女にとってはヴェネツィアの印象は大変想い出に残るものだった様で、
その次には1861年10月から1862年5月までの長期間の滞在に。

この部屋はちょうど建物の角に当たる「接見の間」、素晴らしく美しい部屋で、

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赤と金の壁布が素晴らしく!

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椅子の背には王冠が織り込まれており、  

まぁさか、剣を持ったサン・マルコ像は皇后のご滞在中はここには
無かったろうと思いますがぁ・・。



ヴェネツィア装飾のシャンデリアも大きな華麗なのが下がっておりました。

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たまたま角の窓が開いており、ふっと覗くとジュデッカ島の教会が見え、
サンタ・マリーア・デッラ・プレゼンタツィオーネ・S.M.della Presentazioneと。

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建物の足元からゴンドラがお客を乗せて出かけて行き、

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小さな橋をくぐり、大運河に。

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そうそう、ゴンドラに乗られる時は、どんな景色を見たいのかを考え
乗り場を決めて下さいね! ヴェネツィア全部は到底回りませんけんね、はは。



王宮の部屋に戻り、こちらは「ウィークデイの昼食の部屋」。

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となると、日曜の晩餐の部屋、とかありそうな気がしませんか?!


shinkaiが見た部屋は通りすがりに見れる5つ程だったと思うのですが、
公開している部屋は9つとかいうのは本当かなぁ?!
続き部屋でも2つに数えているとか?

で、あちこちのサイトから集めた不足部屋の写真、装飾をどうぞ!
「ムーア人の部屋・サーラ・モレスカ」という、異国趣味の部屋で、

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本当にここにあるの? と名前を確かめましたぁ。
これと色違いの、赤と金色の部屋の写真も!



「お化粧室」の天井。 繊細な大理石と、極小クリスタルの装飾で、
真ん中のメダルは美術の女神を表しているのだそう。

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最後の部屋は、舞踏室! 細長い広い部屋で、歩くと大理石の床模様が
足に当たり、うっかり踊っていて引っ掛からないかなぁ、と余計な心配を!

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部屋の四隅はこんな風に桟敷席になっており、

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ここのシャンデリアも大変豪華なもの!

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細長い大きな鏡があったので、部屋の様子を覗きましたが、少し食い違い。

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という事で、1時間半以上ゆっくりと回り楽しみましたが、お腹が空き、

博物館を出る時に見たサン・マルコ広場の人出、賑やかになっておりましたぁ!

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この後大勢の観光客を見ながらマルチャーノ図書館下の石段に座り、
近くの店で買ったトマトとチーズ入りのパニーノ、オレンジ・ジュースを。

いつもは食べないパニーノですが、お腹が空いており、しっかり美味しく食べ、
その後はいつもながらのサン・マルコの正面などの写真を撮りつつ、
少し東のサン・ザッカリーアの方まで行きましたが、余りの人出に恐れをなし、
自粛するに越した事は無い、とサン・マルコまで戻りヴァポレットで駅まで。

サン・マルコ聖堂内も、鐘楼もすべて予約だそうで、お昼にはすっかり終了、と
入り口のシニョーレが説明しているのを聞き、そうかぁ、暫く聖堂内も
見てないけど、と、いずれにしても様子見をして、と言い聞かせ。


今朝スマホに届いたヴェネツィアのニュースには、建築のビエンナーレ展が
人出ではちきれ、ヴァポレットの中でも喧嘩があったとか、
コロナ前の状態にヴェネツィアが戻ったとか・・!

そう、皆さん、お出かけ緊縮で飢え切っていたですものね。

でも、もうちょっとの辛抱が肝心ではないかなぁ、と思っているshinkaiで、

6月中旬にはマスク無しOKになるかも、とか、6月1日からフリウリなどが
白ゾーンに、ヴェネトも7日から白に、というニュースにも、

う~~ん、と半分疑いの目の、老婆心満開の、きゃはは、shinkaiで~す。


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