つい先日スマホに入るニュースで賑わったのは、ベンヴェヌート・チェッリーニ作
1545~1548年 フィレンツェのコジモ1世メディチの胸像についての新発見で、
1545~1548年 フィレンツェのコジモ1世メディチの胸像についての新発見で、
つまり今迄こういう姿だったのが、 像の大きさは高さ96cm程。
こんな変化が分かったという、目にご注目を!
つまり銀の薄板が張られていた事が新しく発見されたというニュース!
この違い、凄いでしょう?! ワァオ、と思いました、見た途端。
メディチ家のコジモ1世(1519-1574)なる方、フィレンツェ公から後に
トスカーナ大公となった、位しか知りませんが、
一度ヴェッキオ宮の「秘密の行程」見学をしたブログ書きで読んだ時、
大変に気性が激しく、変わり易く、また内向的でもあった、と知り、
大変に気性が激しく、変わり易く、また内向的でもあった、と知り、
コジモ1世、奥方のエレオノーラなど一族の肖像を描いたアーニョロ・ブロンジーノ・
Agnoro Bronzinoの肖像を見ても、如何にも気難しい、激しい性格が想像され、
Agnoro Bronzinoの肖像を見ても、如何にも気難しい、激しい性格が想像され、
そんな事からも、この胸像の目が銀色に光る、というのは、如何にも!と。
胸像の制作をしたベンヴェヌート・チェッリーニは、貴金属製造もした人で、
銀箔を使う、という古くからの技術を、このコジモ1世の目に、
未だ20代後半の当時のフィレンツェ公の、激しい、強い目線を表すのに
使ったのだった、と知ると、ふ~む、と深く納得しますよね。
使ったのだった、と知ると、ふ~む、と深く納得しますよね。
n.1 フィレンツェ ・ ヴェッキオ宮
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461595223.html
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461595223.html
この発見は修復に携わったルドヴィーカ・ニコライ・Ludovica Nicolaiが、
像収蔵のバルジェッロ博物館の管理者イラーリア・チゼーリと相談の上、
目の表面の分析をした所銀が使われている事が分かったのだそう!
目の表面の分析をした所銀が使われている事が分かったのだそう!
つまり16世期のチェッリーニの像は、その後の18か19世紀に於いて、
銀色の目はブロンズ像と同様な、古色を帯びた色で暗く隠されていたのが、
「検査結果はすぐに感動の結果を齎した」という事で、
おまけにこの修復というのは、この6月26日から10月11日迄ニューヨークの
メトロポリタン博物館で開催の「メディチ家:肖像と政治 1512-1570」展、
メトロポリタン博物館で開催の「メディチ家:肖像と政治 1512-1570」展、
つまりフィレンツェの歴史におけるメディチ家、政治、芸術への後援、
そして権力の道具としての芸術の役割を探り、とりわけ16世紀コジモ1世によって
確立された様子を探る、という、はぁ、
つまりロレンツォ・デ・メディチの肖像、ラファエッロ画も1枚展示されるものの、
時代は少し後の、とりわけコジモ1世メディチに焦点が充てられ、
時代は少し後の、とりわけコジモ1世メディチに焦点が充てられ、
このチェッリーニの像もフィレンツェからニューヨークに行く為に、
最初は単純に襞の間の汚れなどの修復、と思われていたのが、
なんとも凄い迫力のおまけ付き、となり、ニューヨークの主催者側も大喜びと!
という事で、全部で90点の出品というのを、見つかった範囲の作品を
ご覧頂きますが、
その前に、チェッリーニの胸像の、甲冑の素晴らしさにも感嘆しましたので、
ご覧くださいね。
胸中央に見えるのはメドゥーサの顔、これはルネッサンス期の軍事力と神の象徴で、
肩の部分の凄い装飾と、肩に羽織っているのはトゾン・ドーロ・Toson d'Oro、
1545年にコジモ1世がカルロ5世から受けた騎士の名誉賞だそう。
1545年にコジモ1世がカルロ5世から受けた騎士の名誉賞だそう。
今回参考にしたサイト記事はあれこれありますが、こちらが主なもの
フィレンツェからニューヨークへ:メトロポリタン博物館にてメディチ家の大展覧会
Da Firenze a New York: il Metropolitan Museum ospiterà una grande mostra dedicata ai Medici
Da Firenze a New York: il Metropolitan Museum ospiterà una grande mostra dedicata ai Medici
展覧会の主な狙いは、コジモ1世という事で、ポスターもこちら、
ブロンズィーノ描く、若きコジモ1世像。
元の全身像。
これは展覧会に出品されないかもですが、1538年、ポントルモ描く
19歳のコジモ1世の姿。
白いシャツの形は違うものの、黒い上着は上の肖像と同じものと思われ、
お気に入りの物だったのかも。
お気に入りの物だったのかも。
コジモ1世は、1537年僅か17歳でフィレンツェ北部の山中、育ったムジェッロ・
Mugelloから僅かな手勢を率いて出て来て、前フィレンツェ公アレッサンドロが
暗殺された後を継いだもので、
年が若いので扱いやすいと思われ選ばれたのが、ルネッサンスの歴史に残る
傭兵隊長、僅か28歳で世を去った父ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレの
血をしっかり受けており、見事なフィレンツェ公と。
傭兵隊長、僅か28歳で世を去った父ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレの
血をしっかり受けており、見事なフィレンツェ公と。
もう1枚ポスターが見つかり、これもコジモ1世かも。画家が分からず。
そしてブロンズィーノ描く、コジモ1世像。 1545年頃、26歳。
同様にブロンズィーノの手になる、奥方エレオノーラ・ディ・トレード像2枚。
2人は1539年、コジモ1世が20歳、そしてエレオノーラが17歳で結婚で、
こちらは大変有名な、素晴らしい豪華衣装の彼女と、息子のジョヴァンニ。
1545年の作というので、彼女23歳。
息子ジョヴァンニは4番目の子で、後に若くして枢機卿になったものの、
母親、妹のガルーツィア・Garziaと共にマラリアで死亡。
母親、妹のガルーツィア・Garziaと共にマラリアで死亡。
そして、プラハ国立美術館蔵のエレオノーラ像。 1543年作。
コジモ1世とエレオノーラは大変仲の良い夫婦だったことが伝わっており、
厳しく神経質だった夫をなだめ得る人で、唯一彼女の助言を聞き入れたそう。
厳しく神経質だった夫をなだめ得る人で、唯一彼女の助言を聞き入れたそう。
仲が良いというよりも、熱烈に愛し合っていた、という言葉の方が近いかもで、
一緒に出掛けられず、彼女1人が留守の時など泣きじゃくり、少なくとも1日に
2通の手紙を待ち受けたといい、
一緒に出掛けられず、彼女1人が留守の時など泣きじゃくり、少なくとも1日に
2通の手紙を待ち受けたといい、
彼女が生きている間には、彼が彼女の傍から逃げ出した、という事は無かったと。
1562年、23年間の結婚の後、彼女は40歳にして亡くなり、
コジモ1世は1569年にトスカーナ大公となり、55歳まで生きますが、
晩年は必ずしも良くなかった様で残念。
こちらは2人の長男フランチェスコ、トスカーナ大公2世に。
やはりブロンズィーノ作。
ブロンズィーノ作 ラウラ・バッティフェッリ・Laura Battiferri(1523-1589)像。
彼女はメディチ家の親類筋に当たる詩人との事。
ポントルモ作 鉾槍を装備の兵。
最後はメディチ家全体を代表し、ラファエッロ作 ロレンツォ・デ・メディチ像。
「偉大なるロレンツォ」と呼ばれた人物だったのに、余り美男でなかったにせよ、
良いと思われる肖像が残っておりませんで、
それでもヴァザーリの作は、ロレンツォその人に迫ろうとしている感があるのに、
良いと思われる肖像が残っておりませんで、
それでもヴァザーリの作は、ロレンツォその人に迫ろうとしている感があるのに、
いやぁ、このロレンツォ像は素晴らしい衣装に身を包んでいるだけで、
重みも何も感じられず、 偉大なる画家ラファエッロは男の肖像を描くとねぇ、
といささか。
重みも何も感じられず、 偉大なる画家ラファエッロは男の肖像を描くとねぇ、
といささか。
でも、バルダッサーレ・カスティリオーネとか、アーニョロ・ドーニなど
素晴らしいのもあるのに、ねぇ。
アーニョロ・ドーニの肖像画 ラファエッロ作 の周辺事情を
https://www.italiashiho.site/archives/20200707-1.html
https://www.italiashiho.site/archives/20200707-1.html
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ、ジョコンダ」の真のモデルは?
https://www.italiashiho.site/article/480499408.html
https://www.italiashiho.site/article/480499408.html
という、遥かなるニューヨークのメトロポリタン博物館にて2週間後に開催の、
メディチ家の大いなる文化擁護がフィレンツェの姿を変えた様子を、
今またニューヨークに於いて、フィレンツェが500年後に再度花開くかも、
今またニューヨークに於いて、フィレンツェが500年後に再度花開くかも、
という展覧会に関する話題のあれこれでした。
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