まずレオナルド・ダ・ヴィンチの弟子マルコ・ドッジョーノ・Marco d'Oggiono、
(1470頃-1524頃) 彼はレオナルドのミラノの工房で働き、多分1490年以降は
工房内での独立した画家であったろうという記録があり、
姓のオッジョーノは、ロンバルディア州モンザの北にある湖水地方の
小さな湖アンノーネ湖の南岸にあり、生家は裕福な貴金属商であったろうと。
多分レオナルドの監督の元、あれこれの作品を同僚画家たちと制作したで
あろうと思われ、
作品は如何にも師のレオナルド風面影が濃く、今迄「レオナルド作」と
された来た作品も、ドッジョーノ作では?と視られるのが幾つかあるそうで。
こちらが今回の主役、
マルコ・ドッジョーノ作の「聖母と幼児・La Madonna con Bambino」
参考にしたサイト記事は、この9月16日付けで、
レオナルドの弟子の作品(盗まれていた)が絵画館に戻った
「ロンバルディア・ルネッサンス様式」の代表者として名が挙がる彼の作品ですが、
実は1900年代半ばに、ミラノのヴェネランダ・ビブリオテーカ・アンブロジアーナの
ピナコテーカから盗まれ、その後行方不明になっていたのだそうで、
無事戻って来た、という喜ばしい結果になった訳が少し可笑しく、皆さんにも!
話の起こりは今年2021年3月、ある画廊主が、売りたい、と持ち込まれた絵画の
合法的な出所を確認する為、モンザの文化遺産保護のために設置されている
カラビニエーリ・警察の部署に出向いたのだそう。
というのもこの絵は、コレクションしていた年配女性が自分の甥に遺贈したもので、
甥はこの画廊を通じて売ることを決意したと。
話を聞き、マルコ・ドッジョーノの作品と知ったカラビニエーリは即調査に。
そして絵は、世界最大の違法に盗まれた文化財のデータ・ベースに存在し、
1900年代半ばにヴェネランダ・ビブリオテーカ・アンブロジアーナの
ピナコテーカから盗まれた事も確認。
という訳で、絵画は持ち主から没収され、甥御の相続が減りましたが、はは、
保守的な修復に送られ、元の色合いに戻ると、作品は再びアンブロジアーナ絵画館に展示、
という事になり、
こちらが、その姿、という事でしょうか。
額にも損傷が見られ、聖母の髪にも落剝が見られますが、
まずは無事にお戻り、おめでとうございました!
こうしてまた皆さんの称賛の目を浴びるチャンスもあろうというものですね。
慎重な画廊主と、画家の名を知りつつピンと来なかったコレクターの甥の差が
今回の解決につながった訳ですね、ははは。
先回の、イタリアにある3作の1のクリムトの作品が無事戻った、というのも、
イタリアで盗むのは簡単、そして決して戻らない、の評判通りにならずに良かった!
イタリアにある3枚のクリムトの絵の1枚 「婦人の肖像」の逸話 あれこれ!
所で、行きたいと願いつつ未だの、アンブロジアーナの絵画館はどんな?と
検索をかけましたら、こんな所!
なんか凄いなぁ!という様子ですが、見学にはガイド付き、という事で
予約が必要の様子です。 チャンスを待ちましょう。
そして、画家マルコ・ドッジョーノの他の作品ですが、
ローマ ボルゲーゼ美術館 「サルヴァトーレ・ムンディ」
ミラノ ブレラ絵画館 「3大天使の祭壇画」
ロンドン ローヤル・コレクション 「キリストと幼い洗礼者ヨハネの抱擁」
等など、各地の絵画館に作品が収まっており、今後は彼の名にもご留意を!
そして2つ目の話題は、ルーベンス・Peter Paul Rubens(1577-1640)。
バロック期のフランドルの画家で、様々なジャンルの作品を多数手掛け、
ベルギーのアルトウェルペンで大規模な工房を経営した程の画家であるのみでなく、
人文学者、美術品収集家、外交官としても活躍した、という大人物!
1623年の自画像を。
フランドル絵画は大好きですがぁ、彼の作品の様にダイナミックでインパクト強く、
描かれる女性が「爛熟の」肉体美人過ぎるのは、はは、好みではありませんので、
上記した経歴も、今回初めて知った事などで・・、失礼を。
子供の頃に読んで泣いた「フランダースの犬」のネロ少年が見たがったのは
ルーベンスの描いた祭壇画だった、というのは知っておりましたぁ。
所で肝心の話題はです、 参考にした記事サイトは
世界で最も有名な絵の1枚は、本当は偽物! 人口知能による信じられない発見。
記事サイトの発表は今年9月29日。
ニュース自体は、9月26日にThe Guardianに発表されたもの。
現在ロンドンのナショナル・ギャラリーに
展示されている、ルーベンスの「サムソンとデリラ・Samson and Delilah」
1609年 185x205cm
この絵は、1980年に250万ドルで購入されたもので、当時3番目に高い値段で
あると言われた作品。
絵のモチーフは、旧約聖書にある「サムソンとデリラ」の逸話で、デリラは
ペリシテ人の敵、無敵のユダヤ人英雄サムソンを誘惑するのを、
多額の報酬目当てに引き受け、
一方サムソンはデリラに恋をし、彼の強さの秘密である、髪の毛の
7本の三つ編みを切ると弱くなる、と打ち明けてしまい、
彼女の膝の上で眠っている間に髪の毛を切られた、という瞬間を描いたもの。
ですが、この作品は購入の元々から問題があり、
つまり一部の批評家や学者は何十年間にわたり、「サムソンとデリラ」が
ルーベンスによって描かれていなかったと主張していたそうで。
上の画像を見るだけでは我ら素人には、如何にもルーベンスらしく見えますが、
ここに登場したのがスイス企業の「Art Recognition・アート認識」で、
人工知能・AIを使った芸術作品の認証を専門としていて、
いわゆる「畳み込みニュートラル・ネットワーク」を通じ詳細に研究したそう。
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とは?何に使えるの?
つまり専門家はルーベンスの148のオリジナル作品と比較し詳細な研究を行い、
結果、ナショナル・ギャラリー展示の有名絵画は、91%偽物である事が明らかに!
アート認識は、特別に訓練されたアルゴリズム・手順、手法を使用し、
アーティストのスタイルと筆致の細部をキャプチャし、
高度な人工知能システムにより評価するもので、
それによって得られる結果は非常に驚くべきもので、本物でないという91%の
確率を返し、間違いない確認のため実験を繰り返したものの結果は常に同じ。
すべての差分ファイル、すべての正方形は、90%を超える確率で、
偽作であるのが判明した」
と研究を行った科学者のカリーナ・ポポヴィッチ博士は発表したそう。
批評家や芸術愛好家の間で、この衝撃的なニュースはかなりの騒ぎを引き起こし、
当のロンドン・ナショナル・ギャラリーは、「この問題について
意見を表明する前に、現在公開されていない研究全体を分析したい」と述べたと。
この人工知能が、アートの世界で脚光の舞台に立ったのはこれが初めてではなく、
最近「AI」は、レンブラントの有名な「夜警」を元の栄光の座に戻すのに役立った。
というのですが、
絵の表面のニスが塗られたのが変色して黒ずみ、夜の絵と思われ、タイトルも「夜警」
だったのが、修復後に明るくなり、昼の絵と分かった、というのは有名ですね。
で、2019年からの修復は、AIにより、かって展示場移動の為に切りとられていた部分が
再現され、現在公開されている、という様子。 こういう仕事は素晴らしいですねぇ!
はたまた最近人工知能を使って、肖像画が残っている著名な歴史上人物達の
「普通の顔」を復元、というのが面白く、サイト記事をストックしましたが、
またご案内いたしますね。
と言う様な事で、これから先は「偽物かも」という囁きのある作品は、
AIによる洗礼を受けるようになるかも、ですね、ははは。
それにしても、世の煩い批評家連中の目もくらませるような、
そんな凄腕を持った画家達がやはりいる、いたのですねぇ!!
それにしても、それにしても、世の中の最新テク、は恐ろしく凄いもの!!
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