いつも昼、夜の食事のお供はヴィデオかDVDですが、
最近本当に何年振りかに見た映画「逢引き」がとても心に沁み、
最近本当に何年振りかに見た映画「逢引き」がとても心に沁み、
再度見直し、1945年作、になんとまぁ!と驚き、
どの町が舞台となったんだろう等、とあれこれ振り返る事に。
どの町が舞台となったんだろう等、とあれこれ振り返る事に。
そうなんです、この左下に ¥500 のシールが張られた、
昔日本で買った日本語字幕のDVDが私が持っているもので、
あの有名なラフマニノフのピアノ曲がテーマソングに使われている、
中年カップルの切ないロマンス、とは即思い出すものの、
何年も見ておらず、
中年カップルの切ないロマンス、とは即思い出すものの、
何年も見ておらず、
いざ見始めると、そうだ、そうだと、あれもこれも改めての内容で。
最初に大きく心に浮かんだ印象は、なんと慎ましい恋だったんだろ!
から、当時のイギリス庶民の生活状態にも目が行き、
から、当時のイギリス庶民の生活状態にも目が行き、
やはり慎ましい生活、というか、現在の様に派手さがなく、
でもその中に、一家のささやかで親密な楽しみがあり、夫婦の思いやりも。
1945年作のデヴィット・リーン監督作、そう、あの「戦場にかける橋」
が1957年、「アラビアのローレンス」1962年、そして「ドクトル・ジバゴ」
1965年、の監督ですね。
他に「旅情」1955年 「ライアンの娘」1970年があり、
遺作となった1984年「インドへの道」も。
遺作となった1984年「インドへの道」も。
そしてTV放映で見た「大いなる遺産」や「ホブスンの婿選び」も
興味深く見た想い出があります。
興味深く見た想い出があります。
この映画「逢引き」は、見ておられない方も多いと思われるので、
ほんの少々ご説明を。
ほんの少々ご説明を。
1938年未だ第2次大戦が始まっておらず、普通の家庭の主婦が、
毎木曜に近くの町まで電車で買い物に出かけ、図書館で本を借り、
返し、簡単にお昼を済ませ、
毎木曜に近くの町まで電車で買い物に出かけ、図書館で本を借り、
返し、簡単にお昼を済ませ、
その後は映画を見て、夕方に家にという、安泰した生活の中の
ちょっとした息抜きで出かける習慣の、
ちょっとした息抜きで出かける習慣の、
2人の子供、家にはお手伝いさんもいる安泰な生活、夫は
平凡ながら優しく、そんな普通の結婚生活をしていたローラが、
平凡ながら優しく、そんな普通の結婚生活をしていたローラが、
駅で目に石炭カスが目に入ったのを、駅の喫茶室で出会った
医者が取ってくれたのが出合いとなり、
医者が取ってくれたのが出合いとなり、
その次の週には街中で偶然に出会い、
そして次の週には、満員の町の食堂で出会い同席となり、自己紹介を。
彼は毎週木曜にロンドンに出かける友人の代わりに、近くの開業している
町からここの病院にやって来る、アレック・ハーヴェイ。
町からここの病院にやって来る、アレック・ハーヴェイ。
一緒に映画を見て分かれるものの、また次の週に合う約束を。
が次の週に彼は現れず、汽車の時間になり彼は走って現れ、手術があり、
連絡が取れなかった、との事で、次の週の約束を。
連絡が取れなかった、との事で、次の週の約束を。
そしてまた次の週2人は出会い、詰まらない映画を途中で出て、植物園に。
季節外れのボートを頼み漕ぎ出すものの、2人とも不慣れで彼は池に落ち、
貸して貰ったボートハウスで、彼は「もう気づいているかな」と愛の告白を。
貸して貰ったボートハウスで、彼は「もう気づいているかな」と愛の告白を。
この池の様な、そしてボート・ハウスでしたが、映画の中では枯木。
帰りの電車の中で、自分も彼に対する感情に気が付いていた彼女は
心が弾み、2人で様々な場所に出かけ2人が楽しむ事を想像するものの、
心が弾み、2人で様々な場所に出かけ2人が楽しむ事を想像するものの、
家に戻ると、子供が交通事故で怪我をした事を知り、自責の念に。
が子供の怪我は軽く済み、安堵。
が子供の怪我は軽く済み、安堵。
もう会うまい、と思うものの、また翌週出会い、上等なレストランで
2人で食事をしていると、知り合いの女性に出会い、心の中はそぞろに。
午後は彼が借りた車で田舎にドライブを。 2人は思いのたけを
語るものの、お互いの生活では解決の方法はなく、
語るものの、お互いの生活では解決の方法はなく、
夜は友達の家に泊まるという彼と、一旦は別れたものの思いきれず
出かけ、
出かけ、
そこに友人が戻り、裏口から逃げ出す屈辱に。 雨の街中を歩き回り、
最終の電車に間に合う様駅に戻った所に彼も。
最終の電車に間に合う様駅に戻った所に彼も。
電車の窓から身を出す彼女に、彼は「自分を許してほしい、
目のゴミをとった事、丸い目をした君を愛した事・・」と。
「では私も許してほしい」と彼女。
目のゴミをとった事、丸い目をした君を愛した事・・」と。
「では私も許してほしい」と彼女。
2人とも今の生活を捨て、家庭を壊す事は出来ず、かといって
新しい今の関係をどう動かしようもなく、
新しい今の関係をどう動かしようもなく、
彼は兄が南アフリカで病院を始め誘われているのを受ける事にし、
妻にもまだ言ってないが、2週間後に出発すると。
妻にもまだ言ってないが、2週間後に出発すると。
最後の木曜日。 再びドライブに出かけたものの、話す言葉も少なく、
戻って駅の喫茶室で言葉も無く向かい合っている所に、
戻って駅の喫茶室で言葉も無く向かい合っている所に、
お喋りで無神経な女性の友達がやって来て、勝手に喋り続け、
彼の乗る電車のベルが鳴ると、「さよなら」と彼は挨拶し、
彼女の肩に手をかけ、その儘、振り返らず喫茶室から出て行き、
彼女は、忘れ物をした、と戻って来るのではないか、と未練の思いに
駆られるものの、彼は戻る事なく、
彼女はお喋りの詮索がましい友人と同じ電車で自分の家に。
横顔が大変美しい彼女は、舞台女優出身のセリア・ジョンソン・
Celia Johnson という方で、
Celia Johnson という方で、
007・ジェームス・ボンド生みの親のイワン・フレミングの、
お兄さんと結婚されていたとか。
家に戻り夫と居間に落ち着き、ラフマニノフのピアノ協奏曲
第2番をかけ、多分ラジオの音楽番組だったと、
今迄の様々な思い出に沈み込み、
そんな放心した彼女を見つめ、夫は余りにも音が大きいと
ヴォリュームを落とし、
ヴォリュームを落とし、
君は何か悲しい事があったんだね、 遠くに行っていた。
帰ってくれて有難う!と。
帰ってくれて有難う!と。
何週間かの彼女の様子を傍らで見つつ、夫は何かを感じていたのか、
相手の医師のセリフ同様に、
言葉多くはないけれど、とても相手思いの良いセリフだなぁ、と感じ、
言葉多くはないけれど、とても相手思いの良いセリフだなぁ、と感じ、
それも慎ましく、あの時代はそうだったんだろうか、とも。
とても素敵な良い映画と、静かな全体が改めて心に沁みました!!
1945年作!! 79年前の作品!
最初に見たのは、きっと高校生の頃で、でもよく憶えていたのは
ラフマニノフの音楽と、男友達の言葉「お帰り!」と言ったんだよ、と。
ラフマニノフの音楽と、男友達の言葉「お帰り!」と言ったんだよ、と。
読む本と一緒で、年をとっても読み返したい本、言葉があり、
それは年と共に深みを増す、というのは本当ね、と改めて思い、
それは年と共に深みを増す、というのは本当ね、と改めて思い、
このDVDも再発見となり、・・そして、またいつか、ね。
で、あれこれ思い返しながら、舞台となった場所はどこだろ?と考え、
探して分かったのが、
映画の中ではミルフォードとなっていましたが、これは映画の中での
そう、映画のオリジナルタイトルは、brief-encounter・短い出会い、
イタリア語タイトルも同じで、
イタリア語タイトルも同じで、
今頃の日本語タイトルは、何でこんなタイトルに、というのが多いのと違い、
如何にも美しい、そして少し古めかしい言葉「逢引き」!
如何にも美しい、そして少し古めかしい言葉「逢引き」!
この映画は1999年、イギリス映画協会が発表した「20世紀イギリス映画
ベスト100」で、第1位はキャロル・リード監督の「第3の男」1949年
ベスト100」で、第1位はキャロル・リード監督の「第3の男」1949年
そして2位が、この「逢引き」だったそうで。
アカデミー賞やカンヌ映画祭で賞をとり、大ヒットとなっても、その後
いつの間にか消えていく映画も多い中で、
イギリス映画史のみならず、世界の映画史に残る古典的名作である、と
いうのは、単に切ない中年の恋物語、というのみでなく、
いうのは、単に切ない中年の恋物語、というのみでなく、
映画としての造りも見事、セリフも、出演俳優も素晴らしい、のを、
これは今回shinkaiも改めて思った事でした。
これは今回shinkaiも改めて思った事でした。
主役の医師を演じたトレヴァー・ハワード・Trevor Howard、
彼の名も顔もよぉ~く知っているのに、出演映画のタイトルを見ても
役の人物が思い出せず!
「第3の男」「鍵」「戦艦バウンティ」「ライアンの娘」・・、
最後「ルードヴィヒ」となり、ああ、ワグナーの彼だ、と!
脱線ご容赦、 で上記のイギリスのランカシャー州のカーンフォース・
Carnforth の駅が映画の舞台に使われ、
駅名の下に「ヴィジター・センター」と見える様に、
1945年1月から2月にかけ、80年前近く前に2人の映画スターが
ここで撮影したロマンチックな映画を偲び、
受賞し現在の名が「ヘリテージ・センター」に変わり、
毎年200のバス・ツァーを含む約5万人もの観光客が訪れる駅と!
毎年200のバス・ツァーを含む約5万人もの観光客が訪れる駅と!
映画の主役が歩いたホームを見つめ、
1880年代の古い大時計、映画にも何度も登場の大時計の下で
記念撮影をし、
記念撮影をし、
映画の主たる舞台となった駅の喫茶室、映画同様に設備も変えられ、
観光客の気持ちに添うのだそうで!
この場面は、駅の「リフレッシュ・センター」のマダムと、駅員に
扮した原作者のノエル・カワード、大変達者な役者で、
マダムに言い寄りつつ、はは、
2人が電車の窓越しに愛を語った場面の模型もあり、衣装を着け、
写真を撮れるそうで。
このセンターで、実際にプロポーズをした人もいて、彼女がOKすると
傍の全員が歓声を上げたそうで。
傍の全員が歓声を上げたそうで。
映画に登場の当時の蒸気機関車も、時にはこんな風に姿も見せてくれる様子。
映画上映室もあり、年間1500回繰り返して上演されているそう。
映画の中に何度も現れるホーム連絡の地下通路の写真が見つからず、
残念だったのですが、
残念だったのですが、
こちらの日本語サイト
で、駅の様子がご覧になれます。
デヴィット・リーン監督は、出来たらロンドンの駅でと思った様ですが、
撮影期間の1954年1月2月という、未だ終戦前では戦争運輸省の
許可が下りず、
撮影期間の1954年1月2月という、未だ終戦前では戦争運輸省の
許可が下りず、
遠く離れていて空襲を受けないと考えられたカーンフォースを選び、
撮影は午後10時から午前6時の間に行われ、
これだと駅を通過する軍人の輸送、日中の業務にも支障はなかった、と。
そうそう、映画に出演している喫茶室勤務の若い女性ベルリに扮した
マーガレット・バートンさんは、2018年に92歳にして、英国最高齢の
新婚カップルの片割れとなり、恋愛史に名を残したそうで!!
こうして終戦まじかの真夜中、北イギリスの寒さの中で撮影された
プラトニックでロマンチックな映画は、
その後の映画に様々な影響も残しつつ、その撮影遺物が残る駅は
上等な観光地となり、
上等な観光地となり、
久し振りにDVDを見たshinkaiの心をも溶かし、優しいロマンチックな
心に(少しは)変容させ、ブログの記事も書かせた、
という事になったのでしたぁ。
心に(少しは)変容させ、ブログの記事も書かせた、
という事になったのでしたぁ。
もしTV放映、レンタル・ヴィデオなどで、ご覧になれるチャンスが
ありましたら、是非どうぞご覧下さいね!!
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