
さて今日はちょっと変わったお話しを。
というのも、先日来ご案内してきたクレモナ・Cremonaに関し、
かってポー河を使っての商交易の河の港で大変栄えた、と知り、
あ、あれ!と思いだしたもので、
写真やYoutubeがあれこれ見つかりましたので、皆さんにも!
タイトルのエンリコ・トーティ・Enrico Totiというのは、
イタリアの第一次大戦時の英雄の名であり、
上の写真の方。
で、彼の名を関した潜水艦があり、
その艦が退役後、ミラノの博物館に贈られ
現在はそこで余生を過しているのですが、
なにせ大きな潜水艦なので、運搬が一大事だったのですね。
12年前、ははは、TVニュースでミラノ市中を運ばれた、を見たのを
思い出し、それでYoutubeを探しましたらあれこれ見つかり、
どの様に運搬されたのかを、シツコクしつこく、ははは、
子供みたいに、なんで?どうやって?と読んだという・・。
ご本人のエンリコ・トーティについても、
戦時の英雄という以外にも、へぇ~!というような事を
知りましたので、それも一緒に。
エンリコ・トーティという方、上の写真をご覧になって、
彼の左脚が付け根からない事に気が付かれましたか?
そうなんです、仕事中の事故で左脚を失っている方なのでした。
こちらの絵葉書をどうぞ。
エンリコ・トーティ - Ciclista・自転車乗り
Futuro Bersagliere・後のベルサリエーレ とあり、
下に
1882年8月20日生まれ、 両親の名と出身地があり、
父親は鉄道員だった様子。

ローマ下町の生まれで、15歳の時に見習い水夫として
実習船に乗り込み、その後戦艦、巡洋艦と乗り継ぎますが、
22歳の時紅海で海賊船との戦いに遭遇。
後除隊し、国鉄に火夫として採用されますが、
26歳の時に連結作業中の機関車に注油をしていた際、
足を滑らせ左脚を挟まれ、病院で骨盤の下から切断に。
仕事を失った後、幾つかの小さな発明品を作ったりしますが、
ここで絵葉書の右の地図をご覧ください。
29歳の時片脚で自転車を漕ぎながら、イタリアからパリに行き、
その後ベルギー、オランダ、デンマーク、そしてフィンランディア、
遂にはラップランド迄!
戻りにはモスクワ、ポーランドと回り、1912年の6月にイタリアに。

どうやってアルプスを越えたのかと、それだけでも大変な
冒険談英雄並と思うのですが、
翌年1913年1月には、今度は南に向かって出発。
エジプトのアレッサンドリアからスーダンとの国境まで!
ここで当時駐在のイギリス行政からあまりにも危険であると
止められ、カイロまで送り返され、イタリアに戻ることに。
1914年の夏、第一次大戦が始まると、
勿論徴兵から外されますが、彼は片脚で自転車にまたがり、
直接に最前線のフリウリのチェルヴィニャーノに向い、
民間志願兵にはなるのですが星章なしで、
警察のパトロールに止められ、市民生活に戻されます。
が2年後1916年1月に念願叶い、やはりフリウリは
チェルヴィニャーノ・Cervignanoの民間志願兵ながら、
ベルサリエーレ・bersaglieri・歩兵狙撃兵の
自転車部隊連隊に。
4月に戦闘が始まると、部隊の少佐からベルサリエーレの
羽飾りの付いたヘルメットと星章を授かります。
トーティにとっては、心から待ち望んだ物だったことでしょう!
そして8月イゾンツォ河の6回目の戦闘があり、
トーティはモンファルコーネ東での戦闘で戦い、なんども負傷し、
最後は「俺は死なないぞ!」と叫びながら松葉杖を敵に投げつけ、
その後に撃たれ戦死。 34歳。

この英雄的行為が、オーストリアからの独立を掛けた
イタリア国民を奮い立たせたに違いなく、
今もって彼の名は、知らぬ人なし、という感じなのですね。
フリウリ一帯は第一次大戦の一進一退を続けた大激戦地で、
今も無数の塹壕が残りますが、
クオータ85・Quota85と名付けられたこの地点、
林の中から海が望めるこの地に、彼の名誉を記した石碑があるそう。
トーティが入りたかったベルサリエーレというのは、
黒い鶏のつやつやの羽をヘルメットに付け、
・・一般兵士の羽の数は大体50本だそうですが、
下士官、将官クラスは100本位と!!
その軍楽隊は走りながらラッパを吹くというので有名で、
大人気な部隊ですが、
元々は狙撃部隊というのは、知りませんでしたぁ。

それにしても、黒い尾羽根を持つ鶏君、
丸裸にされても一人分のヘルメットに十分な
尻尾毛を持っているんでしょうかね?! ははは。
という様に、彼はイタリアの英雄として有名でして、
将軍などの偉い方ではなく、
民間人の英雄としての意味が大きいと思うのですが、
こんなふうな銅像とか、
" NUN MORO IO " というのは、
Io non muoio・俺は死なない、と叫んだ言葉。

大都市などには彼の名を関した道路がありますし、
shinkaiめも、ずっと以前から彼の名は知っておりました。
第一次大戦時の、松葉杖を敵に投げつけて戦士した英雄
と云うくらいの知識でしたが、
今回はそれ以前の、片脚での自転車旅行などについても
知ったという訳で、
こちらはローマのベルサリエーレ博物館にある、
彼の自転車と松葉杖。

という所で、潜水艦に話題が移る その2にどうぞ!
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