映画が大好きで、でも化学空想映画とか血潮がどばーっというのは
ダメですが、好きな映画は何度も繰り返し見る方で、
と同時に、TV放映された映画で気に入ったものは、
また見たい時に見れるようにとDVDを買います。
で、探し当てたDVDのオンライン・ショップで、この12月は4本買うと
半額になる、という様なセールをしているのに軽く釣られまして、ははは、
かなりのDVDを買い込みました、はぁ。 本数は内緒、へへ。
なのでそんな中から、とても気に入った映画のご紹介を。
まずは今の時期、美味しいものの会食に追われている皆さんにも
大いに納得できるはずの映画から、
◆ バベットの晩餐会
デンマーク 1987年
監督 ガブリエル・アクセル
主演 ステファーヌ・オードラン
ビルギッテ・フェダースピール
ボディル・キュア
アカデミー賞最優秀外国映画賞も受賞のこの映画は、
ご覧になった方もきっと多い事と思います。
北海に突き出したユトランド半島の海に面した貧しい小さな集落で、
牧師の父と一緒に暮らす若い美しい姉妹。
それぞれに男性との出会いがありながらも父親との生活を選び、
年老いた今も一緒にかってのままの生活を続けていて、
かって習った事のあるバリトン歌手の紹介で、パリ・コミューンの騒動から
逃れてきたバベットというフランス女性が、給料は要らない、生活できれば
良いから、という条件で家政婦として住み込みを。
貧しい食生活も彼女のやりくりで美味しく、おまけに安く上がるように
なりますが、
そんなある日、バベットの買った宝くじが1万フランを当てます。
姉妹は当然バベットがフランスに帰るものと考えますが、
亡くなった父親・牧師の生誕100周年記念の食事会を考えていた姉妹に、
バベットが自分が料理を準備する、と申し出て承諾を得ます。
パリに出かけた彼女は、たくさんの(生きたままの)食糧、
高価なワインなどと戻って来ますが、
様子が分からない姉妹は、牧師の信徒であり現在も集まる村人達に
食事会の様子を、バベットが準備しているものがどんなものか分からないと
伝え、村人たちは決して食事に付いて異議を唱えない事を誓います。
こうして始まった昼食会(日本語タイトルは「晩餐会」ですが、昼食ですね)
には、次々に素晴らしい料理が供され、
美味しいワインと共にかって味わった事のない美味に、貧しく厳しい生活の
村人たちの表情が徐々に明るくなり、陶然となり、心も開け、
何とも言えない打ち解けた和やかな食事会となります。
食事会に参加していた、かって姉妹の1人に求婚していた士官、現在は将軍かな、
が料理の味から、パリで味わった有名レストランの女性シェフを思い出し、
食事の後に姉妹から尋ねられたバベットは、自分がかってシェフであった事、
そして宝くじの賞金はすべて食事の準備に使った事、パリには戻らない、
などなどを告げ、
いがみ合っていた村人たちも、食事の後、外に出て夜空の星を見上げながら、
再び打ち解ける、
という様な、美味しい食事の醍醐味を描いた素晴らしい映画でした。
まさにそうですね、
美味しい食事は人の心に幸せを醸しますし、一緒に食事をすることは
それだけで人の心を近づけますものね。
◆ 上海の伯爵夫人
英・米・ドイツ・中国 2005年
監督 ジェームス・アイボリー
主演 レイフ・ファインズ
ナターシャ・リチャードソン
真田広之
これはTV放映されたのを何も知らずに見て、何とも言えない日本人的感性
を感じ、不思議に思って調べ、
脚本がカズオ・イシグロ、はい、今年のノーヴェル賞を受けたかの方、と
知ったのでしたが、見た当時は、ああ、あの「日の名残り」の原作者なんだと。
1930年代の上海、元外交官で現在は視力を失いキャバレー通いをし、
いつか自分の望みの店を開きたいと思っているジャクソンと、
亡命ロシア貴族の元伯爵夫人ビアンカが知り合います。
ビアンカはキャバレーでダンサーとして働き、一緒に暮らす亡夫一家の
生活を支えているものの、家族の彼女を見る目と仕打ちは辛いもの。
ジャクソンはまた正体の知れない日本人マツダとも知り合い、
政商と政治家、軍人との間を取り持つ人物、と言った所かな、彼は。
競馬で一山あてたジャクソンは自分の店を持ち、ビアンカにも店で
働いてくれる様に頼み、
一見二人の間柄は単純にオーナーと店の女性達の長という様子で
進みます。
店のショウでの歌手、芸人の芸も素晴らしく、特に男性歌手が、
当時の上海はね、という話も思い出しました。
日本軍が上海にも進駐して来て、逃げ出す人々でごった返す中、
亡き息子の娘でもあるビアンカの娘、カティアのみを連れて香港に
逃れようとする一家から、やっとカティアを取り戻し、
ジャクソンとビアンカはマカオに逃れる船に。
という、ちょっとおセンチなロマンス、という感じの映画ですが、
shinkaiめは、この映画でジャクソンを演じるレイフ・ファイナンズを、
この俳優どこで見たんだろう、この目はなに?!と遅まきながら気にかかり、
漸くに、「嵐が丘」のヒースクリフ、「シンドラーのリスト」のSS将校、
「イングリッシュ・ペイシェント」の主役アルマシー、 おまけに
「グランド・ブダペスト・ホテル」の、あの訳知りの、ははは、
マネージャー役だったことを知り、漸くにしっかり定着致しましたです。
それにしても、役者というのは凄いものですねぇ!! ははは。
◆ リトル・ダンサー 「ビリー・エリオット」
英 200年
監督 スティーブン・ダンドリー
主演 ジェイミー・ベル
チャールズ・ブランド
1984年イギリスの北部の炭鉱の町、厳しく」貧しい炭鉱労働者一家の
息子エリオットが、ボクシング教室のある会館での隣のバレー教室に
興味を持ち、父親には内緒でバレーを習い始めます。
ビリー、父親、兄、そして最後はビリーに個人教授もするウィルキンソン夫人。
炭鉱不況の真っ最中、会社側と組合との闘争の明け暮れの毎日で、
息子がバレーを習う事などもってのほかの父親と兄。
が、息子の踊りへの情熱を理解せざるを得ない父親はスト破りに加わり、
驚く兄には、せめてビリーには可能性を与えよう、とウィルキンソンの
勧めで、ロイヤル・バレエ学校への入学試験を受けに。
やっと通知が来て、入学OKかどうかの知らせを待ちわびる一家。
入学許可が届き、炭鉱労働者の町を去って行くビリー。
そして14年。 年老いた父親と兄がロンドンの劇場にやって来て、
ビリーが主役を踊る「白鳥の湖」を見つめます。
映画の最後で、成長したビリーが素晴らしい跳躍を見せるのですが、
これはアダム・クーパーという素晴らしいダンサーで、日本でも公演があった、
というので、ご存知の方も多い事でしょう。
本当に日本には何でも行くのねぇ!!
◆ パイレーツ・ロック
英・ドイツ 2009年
監督 リチャード・カーティス
主演 フィリップ・シーモア・ホフマン
ビル・ナイ
リス・エヴァンス
ケネス・ブラナー
1960年代、まだ民間放送局がイギリスに存在せず、ポップやロック音楽は
殆ど放送が無きに等しかった時代、領海外に浮かぶ船から一日中ロック音楽を
流して人気を集めていた海賊ラジオ局。
その船に乗り込んでいる、一番左は母親からこの船に追放された若者カール、
その右の女性はレスビアンのコック、そしてラジオ局長・艦長のクウェンテン、
DJのメンバー、右端は海賊ラジオ局ぶっ潰しに躍起となる政府長官。
禁止用語を発信したり、ははは、船内生活にはいろいろあるのですがぁぁ、
月に一度だっけ、の土曜には大挙して女性たちが押し掛けてくるし、ははは、
ファンだという女性との結婚式も行われますが、・・17時間後に破局!
なぜかは、映画を見てのお楽しみで、ははは。
海賊放送局をぶっ潰す意気込みの政府の長官とのやり取りも面白く、
最後はおんぼろ船のエンジンが爆発、という落ちが付きますが、
懐かしい当時のポピュラー音楽、ロックが次々と流れ、
大笑いする楽しい映画、でございま~す。
◆ シベリアの理髪師
仏・ロシア・伊・チェコ 1998年
監督 ニキータ・ミハルコフ
主演 ジュリア・オーモンド
オレグ・メンシコフ
リチャード・ハリス
1885年帝政ロシア。 モスクワに向かう列車の中で、陸軍士官学校生
トルストイと、アメリカ女性ジェーンとが知り合います。
士官学校の優秀な生徒であるトルストイは仲間との友情も熱く、
悪戯や遊びもなかなかの、若さ溢れる青春の真っ最中。
ジェーンがモスクワにやって来たのは、父親という触れ込みの
発明家マクラーケンの「シベリアの理髪師」と名付けた大型伐採機を、
士官学校校長でもあり、ロシア皇帝への繋がりも持つラドロフ将軍を
てなづけて売り込もうとの目的あり。
こちらがその「シベリアの理髪師」
つまりシベリアの大森林の木々を、ぱちゃぱちゃチョキチョキと
軽く伐採する、という売り込み。
そんなやり取りが、かっての帝政ロシア時代を背景に、
ユーモアたっぷりに、美しい風景をも背景に語られます。
ですが、トルストイとジェーンはお互いに愛するようになっており、
若さゆえの一途の嫉妬から、トルストイは士官学校のオペラ上演の際
ラドロフ将軍を弦楽器の弓でうち叩く、という究極の行為に走り、
将軍の誇り、嫉妬、意地悪もあり、シベリア流刑の判決に。
そして10年が流れ・・。
私はこの映画を最初TV放映で見たのですが、その圧倒的な語り口に
打ちのめされたように感じたのをよく覚えています。
今迄ロシア映画もあれこれ見ましたが、こんなに民間人の生活、
感情とか風習が語られたのを見た覚えがなく、
しかも大笑いするほど楽しく続いていた内容が、一度に奈落の底に
落ちる様な大変化を遂げ、一転して憂愁に満ちたものに変わります。
映画の主題曲もまさに鎮魂歌で、監督自身の想いを語るかのようですし、
こうして若い時の一瞬の狂気で流される人生も大いに在りうる事を思い、
シベリア流刑で消えて行った人々の事もが頭に浮かびました。
映画の中で、ジェーンが手紙を書きつつ、もう一つ別のアメリカ側の、
モーツァルトが好きな若者、士官候補生のエピソードが語られますが、
この青年が誰かは、ここでは謎のままに。
クリスマスも過ぎ、年末年始のお休みもすぐですね。
新作映画を見に行くのも良いですが、
DVDで、ゆっくりと好きな映画と再会するのも楽しいもの!
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今回で2017年のブログ更新も終わりです。
皆さま、今年も一年のご愛顧、本当に有難うございました!
来年もどうぞ宜しくお願い致しま~す!!
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