・ パルマの街 10の 見るべきもの、すべきもの

先日来パルマの聖堂、洗礼堂についての写真を纏めつつ、
他に自分が見た2,3の教会とか、ピロッタ宮の絵画館、劇場などについて、

また見ていないものは何があったんだろうとサイトを探していて、
上記の「パルマの街 10の見るべきもの、すべきもの」というのを見つけました。
https://www.10cose.it/parma/cosa-vedere-parma

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いや、本当は「10のすべきもの、見るべきもの」と逆なのですが、
1~10の番号順は見るべきものの順なので、shinkaiがかってに変えました。

それぞれ簡単に要を得て説明してあるのがなかなか興味深く、知らなかった事も
幾つかあったり、とりわけパルマで何度も出会ったコッレッジョ・Correggioや、
パルミジャニーノ・Parmigianinoの作品や人物、とりわけ後者については
もう少し知りたくなったりの、内容でした。

が、パルマの総集、予告編としてざっとご覧頂いた場所、物とあまり違いはなく、
またそれ以前の簡単なご案内もありますので、それらもご覧頂き、重複せぬ様、
今迄知らずで書かなかった事、そして要点を記すことにしますね。

副タイトルとして、
パルマの主要な興味ある場所と、10のすべきこと、見る事、1、2日または3日 とあり、

パルマを知るにはわずかの時間で十分、という人の言葉を信じないで!
重要な記念建築物がたくさんあり、見逃せない教会もあり、素晴らしい博物館、
そして、少なくとも人生で一度は食べて見るべき料理があります、と。

1.で、まずは上でご覧頂いた写真の、ドゥオモ広場・Piazza Duomo。

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ドゥオーモと洗礼堂、そして司教館が一つの広場に見事に調和良く収まって残り、
舞台装置としても完璧で、1000年に及ぶこの町に歴史を語る、
余り良く知られてはいないものの、イタリアで一番美しい広場の内の一つである。

ドゥオーモはロンバルディア・ロマネスク様式の素晴らしい例と見なされるもので、
1100年頃に建設が始まり、1526年にコッレッジョがクーポラに素晴らしい一連の
フレスコ画、聖母被昇天をモチーフにした物を描いた。

広場のもう一つの主人公である洗礼堂・Battisteroは1100年末に建設されたが、
ここにはかって湧き水があり、内部の洗礼盤に水を供給していたと。

そうなんですよね、こういうのを知って、そうか、それで洗礼堂がここに、と納得を。

洗礼堂はヴェローナの赤い(ピンクの)大理石を用いた8角形で、8はキリストの
復活した日に当たるので、周囲を人獣飾り、実際の動物と想像の、輪が取り囲み、
彫像のキリストと聖母、そして洗礼者ヨハネの生と死、昇天が語られる。

内部装飾のモチーフは、使徒と福音者と共にジェルサレムの逸話が語られ、
見逃せないものである。

広場にある司教館・パラッツォ・ヴェスコヴィーレは、広場の聖堂に向かって左側にあり、
現在司教区博物館となっている。

ドゥオーモは、毎日9時から12時半、15時から19時
洗礼堂は、間位置に9時から12時半、15時から18時45分 5エウロ



2. サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ・San Giovanni Evangelista

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正式な名は、モナステーロ(修道院)・サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタで、
教会と、修道院、そして古い薬種屋・Antica Spezieria di San Giovanni
から成り立つ。

教会内の装飾は大部分がコッレッジョによる物で、クーポラのフレスコ画において
彼は最高に達し、これは遠近法によるずば抜けた作品である。

開いた空の中央にキリストがいて、周囲を取り囲む雲に使徒たちが横たわるもので、
聖ジョヴァンニは聖人たちの下、クーポラの縁にほんの少し見えるだけで、
内陣からのみ認められるとの事。

教会外に修道院と、4つの回廊があり、ここにサン・ジョヴァンニの薬種屋、薬局があり、
これは1201年から始められた、僧侶達の為のみの薬局であり、薬の歴史を語るものと。

教会、 毎日9時から12時 15時から18時
薬種屋 毎日9時から12時、15時から18時  現在は一般販売もしている様子



3. サンタ・マリーア・デッラ・スタッカータ・Santa Maria della Staccata聖堂

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サンタ・マリーア・デッラ・スタッカータ教会の歴史は、1300年末、礼拝所の正面に
「授乳する聖母」の画が飾られた時、すぐに信仰崇拝の対象となった事に始まり、

見に駆け付ける民衆の数が余りにも多く、仕切り・柵・スタッカータを作らねばならず、
ここから教会の名が始まったのである。


そうでしたか、変な名だとは思ったのでしたが、成る程。 
で、こちらがその「授乳する聖母」。

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1500年にクーポラが、アントーニオ・ダ・サンガッロ・イル・ジョーヴァネにより建設され、
内陣のクーポラの素晴らしいフレスコ画を描いたパルミジャニーノの作品は、
彼の狂気の前の最後の作品である。

パルミジャニーノが錯乱、というのは初めて知り、あれこれ読み、分家に纏めました。

聖堂、毎日9時から12時 15時から18時半 
   祭日は、8時、9時半、11時、16時半 多分これはミサの時間と



4. ピロッタ宮・Palazzo della Pilotta

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ピロッタ宮は記念建築物で、1583年オッタ-ヴィオ・ファルネーゼ・Ottavio Farnese
によって建設されたもので、ドゥカーレ宮の近くに追加される形であった。

このドゥカーレ宮は第2次大戦の際爆撃被害を受け、現在は取り壊されありません。

この地にはヴィスコンティ家がかって建設した要塞が西側にあり、それとの連絡の形で
通路、廊下・コッリドーレが造られ、その中庭でスペイン兵たちが良く遊んでいた球技の
ペロータ・Pelotaが、ピロッタ宮の名の始まり。

続く年月に他の建物が追加され、ここのファルネーゼ家の素晴らしい美術品や本が
収蔵され、
現在は考古学博物館、テアトロ・ファルネーゼ、パラティーナ図書館、国立美術館、
そしてバドニアーノ博物館となり、広大なピアッツァ・デッラ・パーチェがある。



5. 国立絵画館

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ファルネーゼ家の美術品コレクションは、元はもっと素晴らしく豊かな物だったのが、
最後のファルネーゼ家の子孫カルロがスペイン王となり、大多数の美術コレクションが
ナポリに移され、数は減ったものの豊かで、
とりわけ後にナポレオンの2番目の妻であったマリーア・ルイージャ・ダウストリアが
購入し、フランス軍が持ち帰ったものが返却された後には充実したコレクションである。

スペイン王に、云々というのは、最後のパルマ公爵のアントーニオ・ファルネーゼには男子の
跡継ぎがなく、前公爵だった兄のオドアルド2世の継承男子は2歳で亡くなり、
女子のエリザベッタ・ファルネーゼがスペインのフィリッポ5世と結婚していたため、
ファルネーゼ家の跡継ぎは、その子のスペイン王のカルロ1世(のちの3世)に渡った為。

所蔵品の有名画家の名としては、フラ・アンジェリコ、コレッジョ、パルミジャニーノ、
レオナルド・ダ・ヴィンチ、チーマ・ダ・コネリアーノ、ドッソ・ドッシ、エル・グレーコ、
ヴァン・ダイク、ブロンズィーノ、ティントレット、カナレット、ティエポロ等々!!

開館 火曜~土曜 8時半から19時 日曜と祭日 8時半から14時
料金 テアトロ・ファルネーゼ共に 6エウロ



6. テアトロ・ファルネーゼ

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1616年から1618年の間に、当時の侯爵ラヌッチョ1世が、メディチ家のコジモ2世の訪問を
祝うために建設されたもので、建設と同時に、劇場建設の創造性と技術の見本ともなった。

というのも、舞台設備は可動的で、登場人物は上方から吊り下げることも出来、
観客席の舞台は広がる、という天才的な設備だった。

観客席の舞台云々、というのは、馬蹄型の階段状の観客席の真ん中をも使用出来た、
という事かなと、あの真ん中を通った記憶をたどっていますが、


という様な素晴らしい設備を持ったこの劇場は、なんとたったの9回使われたのみで、
一般民衆に公開された事がなく、唯一1628年にモンテヴェディの音楽が奏されたのみと。

1944年第2次大戦時に爆撃され、以前のドゥカーレ宮と共にこの劇場も大部分を
破壊されたものの、50年代以降に、元の図面通りに復元された。

公開 火曜から日曜 9時から14時  月曜OK ただし祭日はNO
料金 劇場のみ 2エウロ  または絵画館と共通で



7. サン・パオロの間 (サン・パオロ修道院内)

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殆どの人が知らないサン・パオロ修道院内のサン・パオロの間、コレッジョにより1519年に
フレスコ画装飾を施された部屋で、サンパオロの間とも、バデッサ・尼僧院長の間とも。

shinkaiは、サン・パオロの間、部屋と書いていますが、Camera・カメラというと、
一般には寝室を指しますので、尼僧院長の寝室だったのかも、です。

というのも、尼僧院長は、ジョヴァンナ・ダ・ピアチェンツァ・Giovanna da Piacenzaと
言い、お金持ちで教養ある女性で、パルマに教養ある男性たちを招いていたそうで。

この小部屋は殆ど立方体というのか3次元的に、元の後期ゴシック様式が、この装飾で
完全に覆われており、
葉の茂った蔓の棚、藤が絡みつき、その間を子供・キューピッドが遊びまわり、

尼僧院長自身を想起させる月の女神ディアーナや、雄羊の頭、神話的人物が登場する、
幻想的な部屋なのだそうで、

多分コッレッジョはヴァティカンの大審院の間のラファエッロや、システィーナ礼拝堂の
ミケランジェロの絵からヒントを得たのであろうと。

いやぁ、この部屋については今迄まるで知らずで、次回のチャンスには、と思いますが、
説明を読みながら、以前見たフォンテネッラートの城のパルミジャニーノの凄い壁画
思い出しました。

やはりディアーナや神話の人物、子供たちが登場するもので、逆にこれは
パルミジャニーノがコッレッジョのこの部屋装飾に刺激、ヒントを得た物かもですね。

場所は、地図を添えますね。

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時間 火曜から日曜 8時半から14時 月の第一日曜は、18時まで
閉館 月曜 1月1日 5月1日 12月25日
料金 2エウロ



8. テアトロ・レージョ 

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ミラノのスカラ座やヴェネツィアのフェニーチェ、そしてナポリのサン・カルロ程には
知られておらずとも、常にこのパルマのテアトロ・レージョはイタリアの、
また世界の音楽の神殿である。

パルマ自体が何世紀も前から「音楽の街」と見なされており、町の情熱的に音楽を愛する
人々は、最も音楽に権威を持ち、また要求の多い事でも知られている。

こうして1829年5月16日のオープニングの日、建設を命じたナポレオンの2度目の妻
マリーア・ルイージャ・ダスブルゴの臨席で始まったものの、プログラム不十分、
音楽は手入れが必要で時間がかかり、とにかく物凄いブーイングの大失敗! 

だったんだそうで、ははは。

現在テアトロは、ガイド付きで見学可能で、約30分間にわたり内部が見れるとの事。

時間 9月1日から6月30日まで 火曜から土曜 10時から12時半 15時から17時半
   7月1日から31日まで 月曜から金曜 10時半から13時 17時から18時半
料金 4エウロ



9. パルマで何を食べるか

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パルマの食品を考える時、3つが頭に浮かぶ。 つまり、生ハム、詰め物パスタ、
そしてパルミッジャーノ・レッジャーノ。

生ハムDOPは世界中に有名だが、この内の一種類のみがこの一帯で作られる。
パルマから数キロのズィベッロ・Zibelloで、ここのクラテッロ・Culatello・豚のお尻の
肉から作られる生ハムで、これが一番高価な物。

そしてそう離れずにあるフェリーノ・Felinoは、ソーセージの故郷であり、他にも
コッパ・ディ・パルマ、スパッラ・コッタ、フィオケットなどなど。

パルミッジャーノ・チーズについては説明する事もないほど、世界に有名であり、
卵を使った生パスタに、チーズ、香草、ハム、そして他の肉とパルミッジャーノとの合作
となると、パルマの有名なプリモ・ピアットの幾つか、アネリーニ、トルテッリーニ、
トルテッリという詰め物パスタがあり、それにタリアテッレとリゾットが加わる。

セコンド・ピアットとして、一番有名なのがストラコット・ディ・マンゾ・雄牛肉の煮込み、
ボッリーティ・茹で肉、トゥリッパ・臓物があり、
パルミッジャーナ・ディ・メランザーネ・ナスのグラタンも外せない。

ローザ・ディ・パルマ・雄牛肉とプロシュットのローストも試すべきであり、
パルミッジャーノ・レッジャーノの欠片と、ランブルスコのワインも!



10. パルマのホテルは

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パルマは観光と仕事の街であり、ホテルはどのカテゴリーにおいても良い提供があり、
これは中心街においても、またとりわけ郊外においては素晴らしいのがある。

料金は一晩60エウロからが郊外の近いホテルで、中心街の3星以上となると
少なくとも70エウロとなり、良いホテルだと少なくとも100エウロとなる。
が、約60ほどのホテルがあるので、それで十分に選べるでしょう。


という様な、「パルマの街 10の見るべきもの、すべきもの」でしたが、
いつも余り見ないこういうサイトですが、案外面白いものと改めて思いましたです。

多分日本の案内には無い部分もあると思いますので、また何か見つかったらご案内を。
それと、ご希望などもあったら、お知らせ下さいませませ。


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