以前偶然に「カステッロ・ディ・ドンナフガータ・Castello di Donnafugata」
の記事を見つけ、ピンとアンテナが立ち、はい。
の記事を見つけ、ピンとアンテナが立ち、はい。

ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ・Giuseppe Tomasi di Lampedusa
(1896-1957)、イタリアの作家であり、貴族である彼の書いた
「山猫・Gattopardo・ガットパルド」をご存知の方はたくさんおいでと思いますが、
(1896-1957)、イタリアの作家であり、貴族である彼の書いた
「山猫・Gattopardo・ガットパルド」をご存知の方はたくさんおいでと思いますが、

ルキーノ・ヴィスコンティ・LuchinoViscontiが1963年に映画化し、
国際的評価も受けた素晴らしい作品で、

作品に登場の、サリーナ公爵一家が夏の避暑に出かける別荘が
「ドンナフガータ」にある事になっており、
実は私めはその「ドンナフガータの城」かと思ったのでしたぁ、はぁ。
「ドンナフガータ」にある事になっており、
実は私めはその「ドンナフガータの城」かと思ったのでしたぁ、はぁ。
日本にいる頃に読んだ「山猫」は余りピンと来なかったのが、こちらに来ての
再読ではすんなりと溶け込め大変興味深く、ずっと頭に残っていたのでしたが、
再読ではすんなりと溶け込め大変興味深く、ずっと頭に残っていたのでしたが、
ん?!と思いつつサイトの記事を読み、あれこれ探し、ランペードゥーザの
描いた「ドンナフガータ」なる土地は彼のイメージの産物であると知り、
あれま。
描いた「ドンナフガータ」なる土地は彼のイメージの産物であると知り、
あれま。
ランペドゥーサ自身が手紙に「ドンナフガータはパルマの様な村、建物は
サンタ・マルゲリータの様な」と書いているのも知り、
パルマ・Palmaとは、パルマ・ディ・モンテキアーロ・Palma di Montechiaro、
父方の祖先が領有していた土地で、
これはパルマの修道院で、如何にもの雰囲気が漂いますし、

サンタ・マルゲリータ・ディ・べリーチェ・Santa Margherita di Beliceは
母方の土地で、子供の頃の幸せな想い出に繋がる事も。
母方の土地で、子供の頃の幸せな想い出に繋がる事も。
地図をどうぞ。 シチーリア島の南東部分になりますが、
アグリジェント寄りにあるパルマ・ディ・モンテキアーロの位置と、
今回ご案内の「ドンナフガータの城」のあるラグーザ・Ragusaの位置を。
アグリジェント寄りにあるパルマ・ディ・モンテキアーロの位置と、
今回ご案内の「ドンナフガータの城」のあるラグーザ・Ragusaの位置を。

ラグーザからだと約20kの距離で、電車駅から約4,500mの距離と。
サンタ・マルゲリータ・ディ・べリーチェはアグリジェントからもっと北西に、
西海岸のマルサーラ・Marsaraとの中間あたりに位置します。
西海岸のマルサーラ・Marsaraとの中間あたりに位置します。
所で「ドンナフガータ」とは、「逃げた女」という素晴らしく詩的な言葉の
地名で!! 何に由来するのかと思うでしょう?!
地名で!! 何に由来するのかと思うでしょう?!
伝説では、ビアンカ・ディ・ナヴァッラ・Bianca di Navarra(1387-1441)

ナヴァラ王国のビアンカ1世女王が、ラグーザ近くのモーディカ・Modicaの領主
ベルナルド・カブレーラ・Bernardo Cabrera(1350-1423)、戦術には
優秀でも、狡猾冷酷で、パレルモの王も手を出せなかった程の男、に誘拐され、
城に監禁されていたのを地下道を抜けて逃げ出した所が、シチーリア言葉で
Ronnafugataと呼ばれる場所で、
つまり「donna fuggita=donnafugta=逃げた女」となったというのですね。
ベルナルド・カブレーラ・Bernardo Cabrera(1350-1423)、戦術には
優秀でも、狡猾冷酷で、パレルモの王も手を出せなかった程の男、に誘拐され、
城に監禁されていたのを地下道を抜けて逃げ出した所が、シチーリア言葉で
Ronnafugataと呼ばれる場所で、
つまり「donna fuggita=donnafugta=逃げた女」となったというのですね。
ですが歴史的にはナヴァラ女王のビアンカが城に足を踏みいれた事はなく、
つまり当時この城はまだ存在していなかった、という事でして、はい、
土地の名から独り歩きした伝説の様ですね。
つまり当時この城はまだ存在していなかった、という事でして、はい、
土地の名から独り歩きした伝説の様ですね。
もう1つの謂れは、かってこの地を支配していたアラブ人、アラブ語の
Ayn al-Ṣiḥḥat・健康の泉、の発音がRonnafuata・ロンナフアータ、
ドンナフガータとなった、と。
Ayn al-Ṣiḥḥat・健康の泉、の発音がRonnafuata・ロンナフアータ、
ドンナフガータとなった、と。
ランペドゥーサが作品の中に使った「ドンナフガータ」の描写は、彼のイメージの
果実としても、名前はどこかで聞いたか、はたまた彼も訪れた事があるか、
素晴らしい名と思い、使ったのであろうと想像します。
果実としても、名前はどこかで聞いたか、はたまた彼も訪れた事があるか、
素晴らしい名と思い、使ったのであろうと想像します。
いずれにしても現在残る「ドンナフガータの城」は、19世紀に、男爵にして
イタリア王国の上院議員であるコッラード・アレッツォ・Corrado Arezzoが購入、
約2500平米に渡る建物に拡張、優美な住居として改修したもので、

ラグーザから電車の連絡が、と上記したのも、彼が上院議員としての力を大いに
活用し、城から4~500mの位置に駅を造らせたのだそうで、ははは、
当時この一帯に於ける上流社会の華やかな交際の場の1つとして、大いに栄えたそう。
活用し、城から4~500mの位置に駅を造らせたのだそうで、ははは、
当時この一帯に於ける上流社会の華やかな交際の場の1つとして、大いに栄えたそう。

という所で、城と庭園の図をどうぞ。 下側真ん中に開けた道を行き、
真ん中の黒い部分が城、屋敷の建物部で、前から左にL字に続くのが
テラスで、右下に庭に続く広い階段、中庭が四角と矩形の2つ。

庭園の左上が果樹園で、100本のミカンの木があり、灌漑用水も完備し、
建物の両脇と奥の、ヤシと棕櫚、模様を描く庭園、花壇部が、正式な庭園。
この部分は以前のオリジナル図面により再建されたそう。
この部分は以前のオリジナル図面により再建されたそう。
それ以外の東側と北に開ける部分は、樹木の種類も様々、地面の形も
定形でない事から、内輪の庭園とでも。
ここには英国庭園、コフィー・ハウス、松林、迷宮・ラビリントなどなどが。
定形でない事から、内輪の庭園とでも。
ここには英国庭園、コフィー・ハウス、松林、迷宮・ラビリントなどなどが。
では、内部に参りましょうか。 この正面部は道からも見えるそうで、
ヴェネツィア風ネオ・ゴシック調。 人の姿で入口が分かりますね。

道の両脇に並ぶ建物類は、男爵の農園の管理者や小作人が住んでいた
長屋で、現在は店やカフェになっているそう。
長屋で、現在は店やカフェになっているそう。
上部のテラスの装飾部分。 如何にもヴェネツィアの雰囲気でもあり、
またアラブの空気も感じるような・・。

下のアーチ型の窓の、円柱上の飾り。

2階のテラス部。 左側にも曲がって続き、
テラスの両端に、小さな見張りの円柱の塔があり、

テラスの欄干に並ぶ植木鉢のあれこれ。

こちらは3階部に上っての、内庭の眺めですね。

そうそう、サイトに「広い内庭を通り、ピエトラ・ぺーチェ・Pietra Peceの
階段を上り、床が濃いのでとても暗く、それに内庭からの光が差し込み、
殆ど目がくらみそう」なる説明があり、
階段を上り、床が濃いのでとても暗く、それに内庭からの光が差し込み、
殆ど目がくらみそう」なる説明があり、
ピエトラ・ぺーチェとは何かと思いましたら、この「シチーリアの黒」
と呼ばれる優雅で高価な黒い石と。

床もこんな黒い床、階段もとなると、優雅ではあっても、脚元が暗いでしょうね。
モダンな現代的な家では大変シックに見える黒い床、階段で、
洗面台とか、鉢にも使われたりしている様子。
洗面台とか、鉢にも使われたりしている様子。
3階のテラスの円柱の並び。 少し高い柵がないのが気分的に気になりますが。

入口道の両脇の元使用人の家が良く見えます。
屋敷部は2階に分かれ、つまり住居部は2階以上が貴人のお住まいで、
全部で約120室あるそうですが、約20室の上階部の20室ほどが
公開されているそうで、
全部で約120室あるそうですが、約20室の上階部の20室ほどが
公開されているそうで、
家具、電灯、壁紙、床、調度品のすべてが時代物といい、
男爵アレッツォ自身が念を入れ、イタリア国内、外国の有名な城の
趣味に準じる様に選んでいるのだそうで。
男爵アレッツォ自身が念を入れ、イタリア国内、外国の有名な城の
趣味に準じる様に選んでいるのだそうで。
これは喫煙室で、壁紙もパイプと葉巻と、部屋の用途に合わせており、

音楽室には何台かの型の違うピアノがあり、壁の装飾はパレルモの
テアトロ・マッシモと同様な装飾と、

植物園の絵と、騙し絵的な周囲の壁紙装飾ですね。


貴族の上等な趣味と財力、そしてその使い方の良さ、とでもいうのか、
まさにヴィスコンティの映画の貴族社会を覗く思いの
ドンナフガータの城の、素晴らしい内部です。
まさにヴィスコンティの映画の貴族社会を覗く思いの
ドンナフガータの城の、素晴らしい内部です。
という所で今回のご案内を終え、次回に。
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