・ n.1 ボーマルツォのピラミッド と  パゾリーニの塔・家

今回のご案内はまるで知らずのまま、「ボーマルツォのピラミッド」という
素晴らしい写真と記事に興味を持ったことから始まり、

これです、凄いでしょう?! 大岩に彫りこまれた祭壇と石段。
約10mの高さというので、3階建てのビル、くらいの高さでしょうか。

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で、これをボーマルツォの怪物公園の中にあるのを、見学の時にガイドさんが
見せてくれなかったのか?!と思いつつ、ははは、

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n.1 ボーマルツォの怪物公園
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467762980.html

n.2 ボーマルツォの怪物公園 と 町
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467763742.html



調べると少し離れた場所にあるのを知り、そうか、それなら、と納得。

2-mappa.jpg

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で、ついでに地図の南に見える「キーアの塔・Torre di Chia」に
興味を引かれ、写真を見るとこんな形で、おお!

4-torre-di-chia-2.jpg



由緒は? と検索すると、「キーアの塔」=「パゾリーニの塔」なる事を知り、
??からはじまったのが、
なんとこの塔にかって映画監督、脚本家、詩人、最後は悲劇的な死・・の
ピエロ・パオロ・パゾリーニが住んでいた事も知り、そんなこんなで
彼についても改めて知り、家についても写真を集めたので、

まるで知らずにいた新しい事2つ、しかもすぐ近く、という事から、
2回に分けてご案内する事とし、

今回はまず「ボーマルツォのピラミッド、正確にはエトルスクのピラミッド
なるものについてどうぞ!

きっとまだ日本にはご紹介されていないと思うので、皆さんが最初!!
shinkai同様、大いに楽しみつつ、好奇心を満たして下さいねぇ!


所でこの「エトルスクのピラミッド」に行く方法ですが、上の衛星地図を
ご覧になっても分かる様に一帯は森、林に囲まれており、
しかも標識は未だなく、なかなか大変な様で。


の2つですが、下のサイトに地図が2つ載っており、

5-1-Mappa_Cagnemora_Piramide_Etrusca_03.jpg

上の地図の右上に見えるingresso Tagliata Rocchetta・タリアータ・
ロッケッタからのピラミッドへの道、の「タリアータ・ロッケッタ」には、
「サッカー場の分かれ道から入る」とあり、
この近くのサッカー場なるものは、ずっと東下の平野を走るローマへの
高速の、アッティリアーノ・Attiglianoのサーヴィス出入口近くにあり!



ここでは左のカニェモーラ・Cagnemoraからの接続道を参考にして頂くように
地図左側に分かり易い様に印をつけました。

5-2-Mappa_Tomba_del_cavallo_Musetto_02.jpg



で、道を辿ると、木の幹に白と赤のペンキで印がつけられているのが
唯一の標識で、これを辿ります。

5-3-Arrivo_Piramide_Etrusca_DSC_7239.jpg

秋から冬にかけては落葉しているので印が見えやすいでしょうが、夏はね・・!



多分この道筋が一番楽で分かり易く、まず石碑「ムゼットのお墓・Tomba di Mudsetto・
馬のムゼットの墓」の碑を見つけ、

6-Tomba_cavallo_Musetto_IMG_20181117_151403.jpg



人の歩いた跡、小石交じりの道を辿り下っていくと、右側にエトルスクの墓の
一群れがあり、そこにはかって明り取りの窓や入口様に付けた跡があり、
フィネストラッチャ・Finestraccia、と呼ばれているそう。

7-La-Piramide-etrusca-di-Bomarzo-8.jpg



ここを過ぎると、約200mでピラミッドに到着するそうで!! やれやれ。

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ご覧の様に大岩で、ペペリーノ・Pepelinoと呼ばれる、噴石と岩滓からなる
火山砕屑岩で、斑点で灰色がかっている岩、高さ約10mはあるだろうと。

専門家によると、地下にもおそらく6,7mの深さで埋まっているそうで、

こちら側脇に添って上から溝が掘られ、中程に脇に流れ落ちる様に
横溝もあるのにご注目下さいね。



左手前の木で良く見えない、左の彫りこまれた石段の左側はこんな形で、

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最初は一体だった岩が割れたのだろうと。


この彫りこまれた「大岩」、現在「エトルスクのピラミッド」と呼ばれている
大岩は、上にご説明の様に森の中に埋もれており、
狩りに来る人びとは知っていても殆ど外には、一般には知られていなかったのが、

近くに住むサルヴァトーレ・フォッシ・Salvatore Fosciという方の努力と
奉仕によって上に積もった落葉、腐植土、苔、木の根等を払われ、

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また彼の調査により2008年、この大岩が約紀元前7世紀のエトルリア人に
よる古い建設物であることが分かったのだそう!

彼のフェースブックはこちら。



脇の石段。 この見事さ! 高さ!  

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ここを上ると中程にある祭壇に至り、そこからの石段が頂上にある
主の祭壇に通じます。



横から見るとこの形で、こうして見ると岩の大きさは分かり難いものの、
やはりピラミッド型に彫られたものと思われ、

中程、というよりも上から約3分の1ほどに中間の祭壇があり、そこからまた急な石段が
真ん中と、こちら右脇の細いのが、頂上の祭壇に続くのが良く分かります。

11-Piramide_Etrusca_Bomarzo_DSC_7169.jpg



祭壇は何の為に?と言うと、鳥の飛ぶ姿、方向を見て占ったり、
というのもある様ですが、

エトルリアの司祭は、冥土の神々に、また死者の霊に捧げる生贄の儀式を
行ったそうで、祭壇は北西向き、実に冥界の神々の住む北西に向いており、

司祭たちは階段に背を向け、北西に向き合い、生贄を捧げ、
生贄の動物の肝臓を調べ、稲妻の攻撃について解釈したりもで、


捧げられた動物たちの血が流れる様に溝が掘られている、
というのはこれかな、と思うのと、

13-Piramide_Etrusca_Bomarzo_DSC_7192.jpg



この階段の左側にも細い溝が彫られているように見えますし、

14-La-Piramide-etrusca-di-Bomarzo-9.jpg

上の全体の写真でも、右脇に添っての溝もそうかと。



と、この急な階段の上り下りは滑りやすく、見学者は注意とありましたが、

当時の司祭たちはどうしていたのか、と言うと、所々に見える四角い穴、
また小さめの穴、丸い穴が見えるのは、多分木材の柱を立て、
祭壇に覆いを掛けたり、また司祭たちの摑まり棒もあったのだろうと。

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という様かなり特異なピラミッドですが、少し脇道にそれ、この「ピラミッド」と
いう呼び名を付けた、使ったのは、上記のサルヴァトーレ・フォッシ氏で、
まさに間違いなくピラミッド!で、

この大きさの岩の祭壇は多分ヨーロッパで最大のものであろうという事。

また紀元前5~4世紀にはエトルリア人たちの祖先にあたるリナルドニアーニ・
Rinaldoniani達の巡礼がこの地を頻繁に訪れたのであろうと。



この深い森の中に静かに埋まっていた27世紀前のピラミッド!!

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なんとも壮大な記念碑というか、古代人の信仰や周囲の自然の美しさを受け、
現在に至るも未だに畏怖心を感じさせる凄みがあります!!

もし、訪問したい気がおありの方は、Booking.comを通じて予約もでき、
メール・アドレスは  webmaster@etruschi.name



と、最後ちょっと急ぎ足になりますが、最初の衛星地図にも載っている、
ピラミッドから南のネクローポリ・ディ・サンタ・チェチーリア・
Necropoli di Santa Cecilia・サンタ・チェリーリアの墓地の写真を。

こちらが現在廃墟になっている、森の中の静かなエトルスクの墓地聖域。

17-La-Piramide-etrusca-di-Bomarzo-4.jpg

ここも林の中を歩いて訪問しますが、ピラミッドよりも分かりやすく、
標識もあるそうで、



このネクローポリに至る道、これも岩を掘っているのが分かる凄い道で、
美しくも、威圧感を覚える道ですね。

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偶然にサイトで出会った記事、写真から始まった、未知への探検にも似た
エトルスク文化への道、2700年前との出合い。 そう思われません?!

素晴らしいのに出会えた!! 知った!! と喜んでいます。

次回はピエロ・パオロ・パゾリーニの家、そしてエトルスクの香りについて
ご案内しますね。


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この記事へのコメント

  • corsa

    Shinkaiさん
    大変ご無沙汰しています~!
    素敵な記事、ありがとうございます。これは、まったく知りませんでした。実は、エトルリア大好きで、これまでも機会あるごとに、あちこち訪ねてきましたが、この夏は、イタリアを出られなかったこともあり、エトルリアを求めてトスカーナ・ラツィオに行ってきたところなんです。念願のポプロニアやチェルヴェテリへの訪問がかない、大満足でしたが、この祭壇はすごいです!いつか、絶対に行きたいと思います。
    2020年12月08日 21:20
  • shinkai

    ★corsaさん、こんにちは! こちらこそご無沙汰していますが、お互い何とか年末迄無事で来れましたねぇ。

    私は今年は2月からずっと白内障の手術、右、左とあり、術後がすっきりせずでずっと引きずり、なんとか先月中頃からOKなのですが、また右目が再発しているそうで、レーザー手術になりそうです。


    そうでしたか、エトルスクがお好きでしたか。 ポプローニアという名は初めて聞きましたので、今調べてみた所です。 成程、やはりお好きなだけあってお詳しいです!!

    私は北ラツィオの方と、タルクイニアには行きましたが、トゥスカーニア辺りのロマネスクが凄いのに魅せられましたっけ。


    でしょう?! このピラミッド、写真を見た時は思わず、わぁ~お!でした。 
    ボーマルツォのお城や、近くの村ムニャーノ辺りも興味深く、またチャンスがあったら行きたいと思っていた土地なので、そう、このピラミッドは見たいですねぇ!


    2020年12月09日 01:53
  • corsa

    Shinkaiさん
    このようなやり取りさせていただいていたこと、すっかり忘れておりましたよ。ここ、昨年、無事訪ねてきました。場所の特定が難しくて、かなり苦労しましたが、ガイドなしでもなんとかなりました。
    ピラミッドの迫力は感動モノ、また、ネクロ―ポリも、林の中にあり、雰囲気は大変良かったです。近所に水場もあり、とにかくアップダウンが激しいため、結構歩ける人じゃないと厳しいのですが、苦労してアクセスする甲斐のある場所でした。
    エトルリアに関しては、この夏も一つ、ペルージャで素晴らしいネクロポリを訪ねました。こちらは、クルマで簡単にアクセスできるので、お勧めです!
    2022年09月03日 00:22
  • shinkai

    ★corsaさん、こんにちは! ああ、さすがcorsaさん、ピラミッド行かれましたか!! 素晴らしい!

    あれは写真で見るよりも実際の方が大きくて、インパクトがあるものだろうと思っておりましたが、
    辿り着くのにあの林の中の道を、おぼろな標識を頼りに、というのがちょっと恐ろしいなぁ、と。 さすがです!!

    ネクローポリもね! 私は、ネクローポリというのが、ちょっと何か恐ろしいのですね、本当の所。 
    なのでタルクィーニアでたくさん見たのですけど、副葬品とか壁画などはともかく、中に潜って行くのがねぇ、さっと見て早く出たい、という気になって、へへへ。

    でもペルージャのネクローポリってどこだろ? グーグルで検索をかけて見ますね。

     
    2022年09月03日 02:45