・ n.2 イーゾラ・マードレ ボッローメオ邸ご案内 マッジョーレ湖

今回は4月下旬に訪問の、オルタ湖、そしてマッジョーレ湖の3島の
一連のご案内の最後、イーゾラ・マードレのボッローメオ邸を。

写真に見える邸宅がボッローメオ家の邸宅で、後はすべて、と言って
良い程に、ロマンチックなイギリス式庭園が8ヘクタール、広がります。

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先回ご案内の庭園を先に見て回り、こうして邸宅前に戻り、

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写真右側に太いワイヤーが何本も張ってあるのが見えますね、



ワイヤーは、こちらの柳の木を支えているもので、

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2006年6月、強力な突風でこの何世紀もの柳が倒れたのを
起こし、折れた太い枝を切り落としての再起を図ったワイヤーだそうで、
現在はまた元気に生育しておりました。

日本の年代経た桜等も話題に出ますが、植物は偉いですねぇ!!



という事で、玄関前に集まり、この島専用のガイド氏の説明を聞き、
これから邸内見学に入る我ら。

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朝見学したイーゾラ・ベッラの物凄い豪華絢爛キンキラキンの邸宅に
比べ、こちらはこじんまりとした、とはいえ、
それなりに豪華さも見える装飾が施された邸宅で、

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こちらは玄関横の廊下、

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で、2階の貴族階に。

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上から見下ろす邸宅入り口前。 島の北部を眺める位置ですね。

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この広間は、天井も木格子のまま、絵の額も普通ですが、

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テーブル上の大きな鉢植えのアジサイが既に咲き、

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小さな額入りの彫像がなかなか素敵で。

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赤と金の、家紋入りの大きな綴れ織り。

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所で現在もこれらの島々を所有し、繁栄しているボッローメオ家・
Borromeoについてちょっぴり調べた事を。

元々はトスカーナのサン・ミニアート出身と言われるボッローメオ家は、
13世紀の終わりに辿ることが出来、

その元々はローマ周辺から現在のピサ県のサン・ミニアート・テデスコに
移り住み、ブオン・ロメイ・Buon Romeiと名乗り、後にボッロメーオと。

この呼び名は巡礼者を呼ぶ名で、彼らは巡礼者ではなかったものの、
この地では、町からやって来た者全てをそう呼んでいたのだそうで。

パドヴァとミラノに分かれていた、パドヴァのヴィタリーノ・ヴィタリーニが
後に跡継ぎの無い母方の叔父ジョヴァンニ・ボッロメーオに婿入りし、
ヴィタリアーノI世・VitalianoI として、現在も有名なミラノの
ボッローメオ家の始祖となります。

勿論商業、銀行業を営み経済的基盤があったのでしょうが、その後の
家族の経済的な幸運は、賢明な結婚政策によるものが大きく、

ヴィスコンティ家との繋がりも、フェデリコ2世の子孫との繋がりも、
教皇パオロ3世子孫のファルネーゼ家との繋がりも、
現在のフィアット会長、モナコ王室との繋がりも、全て婚姻関係から!!


そして家系中で枢機卿になったのが7名を数え、中で一番有名なのが
後に聖別を受けたミラノの大司教から枢機卿となられた
カルロ・ボッローメオ( 1538-1584)

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彼はミラノが大ペストに襲われた時に、資材を投げうち市民救済に
当たり、聖別を受けたのでしたが、

その彼を称え、彼の生涯を描いた絵画が例年12月のミラノ大聖堂で
展示されるのを見たほどに有名な大司教様、枢機卿。

ミラノのドゥオーモ ・ Duomo di Milano
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460940205.html


そしてミラノからマッジョーレ湖方面にかけ、千ヘクタールもの大領地を
授かり、「ボッローメオ国」とも称されたそうで、

マッジョーレ湖の南方くびれ部分東のアンジェーラの要塞城と、
西のアローナの要塞とを結び、舟、荷船の通行料、税の取り立てで
莫大な富を得たと。

アローナの要塞はナポレオンにより取り壊されましたが、アンジェーラの
城はいまだ健在。

実際見にはもっと離れているでしょうが、手前がアローナの要塞跡公園、
対岸崖上に見えるのがアンジェーラの城で、今尚ボッローメオ家の持ち物。

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こちらはイーゾラ・ベッラの建設に力を注いだヴィタリアーノ6世(1620-1690)

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歴史上に名が残る人物家系を読むと、既に消滅、というのが多い中、
数世紀を経て未だにご健在、ご繁栄、傍系も幾筋も、というのは
中々の事で、きっと優秀な男子が多く輩出されているのだろうな、と。

現在のミラノのご当主は、ヴィタリアーノ11世という方で、
傍系も7筋!

15世紀 ミラノの貴族のお遊びは、 ボッロメーオ邸 
https://www.italiashiho.site/archives/20170203-1.html


さて、今日の本筋に戻りまして、

窓から見下ろす、ボッローメオ家の礼拝堂と、

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藤の花が満開少し前。

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1500年代初頭から、リグーリア州から専属の庭師と共に持ち込まれた
柑橘類の栽培があり、

一旦ボッローメオ家の手を離れた島がまた戻り、島全体を緑で
うずめ初め、貴族邸宅も造られ、それが19世紀末にルネッサンス風に
改築された、という様子。



邸宅自体も、貴族社交会の豪華さを目指したイーゾラ・ベッラの邸宅と
違い、なんとなく子供連れで休息に来た時用かな、と思ったのは、

こんな子供部屋、というか、子供の遊戯部屋というのか、
たくさんの人形や、木馬などなどで埋まった部屋が幾つもあり、

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また後には、裕福な(貴族の)客人を選択してのホテル目指し改築、
というのも読みましたが、寝室もいくつか。

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そしてこんな大掛かりな人形劇の舞台装置もあり!

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控えの人形もたくさん!

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この部屋の大きな舞台横には、音響の為の銅鑼や大太鼓が揃い、
ガイド氏がおどろおどろしい嵐の前の音を聞かせてくれたり!!

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こうして眺めると、映画やテレビの無かった時代には、子供のみならず
大人も大いに楽しんだのではないかなぁと。



衣裳部屋か、控えの部屋かな?

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ここにもまた人形芝居の舞台。

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窓の前がなかなか雰囲気がよく。

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両側の壁が絵で埋められた廊下。

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豪華な寝室のベッド。

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窓から見える木々、芽生えの緑。

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食卓、そしてほんのちょっぴり簡素な食器類。

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家族が揃っての休息時の間、のイメージが沸きますよね?

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こちらは唯一大きなサロン風というか、舞踏にも使われたのかも、
の天井装飾と、

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隅の休息用部分。

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見学を済ませ出てくると、何とも可愛い色どりの花々と、

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小さな池。 ですが、ここも大変に手入れが行き届いており!

代々の庭師の働きぶりが偲べるのでした。



最初の柑橘類はリグーリアから、とありましたが、その後は南の
シチーリア辺りからも勿論届いているでしょうし、
壁を這う枝、根の太さと密、に驚いたのでした。

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という事で、最初に船着き場から来た高い厚い生垣の道を戻り、
ボッローメオの島々、と呼ばれるマッジョーレ湖の3島の見学を
終えたのでした。

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チャオ~、皆さん。 またね!

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折角なので、可愛いぷっくりのおチリを使わせてやって下さいね、ははは。


この一帯は、訪問する価値あり!と、大いにお勧めです。

n.1 イーゾラ・マードレ 庭園ご案内 マッジョーレ湖
https://www.italiashiho.site/article/488271755.html

n.2 イーゾラ・マードレ ボッローメオ邸ご案内 マッジョーレ湖
  今回分

n.1 イーゾラ・ベッラ ・ ボッロメオ邸  ・ マッジョーレ湖 ご案内
https://www.italiashiho.site/article/487807553.html

n.2 イーゾラ・ベッラ ・ 庭園  ・ マッジョーレ湖、 ご案内
https://www.italiashiho.site/article/487975452.html

イーゾラ・デイ・ペスカトーレ・漁師の島 訪問  マッジョーレ湖
https://www.italiashiho.site/article/487586818.html

オルタ・サン・ジューリオ  春の色、いにしえの香りたっぷりの
https://www.italiashiho.site/article/487288988.html


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