・ 古代ローマ人は 何を そして 誰を 笑ったか?!

先日「古代ローマにおいては、冗談と洒落 は日常生活における
不可欠部分で、誰もそれを惜しまなかった」 というのを読み、
何度も吹き出して大笑いしたので、皆さんにも!

記事は、今回のタイトルと同じで

但しタイトルに使った言葉「冗談と洒落」についてちょっと付け加えますと、

イタリア語のsherzo・スケルツォは、冗談、悪戯 でOKかと思いますが、
battute複・バットゥーテは、洒落+皮肉、風刺で、これで結論、
        という感じ、が正しいかと。

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たくさんの人物名が出てきますので、必要最低限の年代等などを
ウィキ、イタリア版、日本版で調べたのを、記しますね。

という事で、では。

人にはそれぞれ独自のユーモアのセンスがあると言われ、
それは他人には必ずしも簡単に理解できるとは限らず、

古代ローマ人の苛烈、辛辣な精神は、元々が農民と兵士の
共同体であった、横柄で皮肉な性格を反映していたと。


いわゆる「italum acetum ・イタリアの酢」と言われるのは、

あっ、これはワイン酢、 いや、これではなく、へへ

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”italum acetum” で検索すると、

この表現は演劇の部門で非常に有名ですが、一般にも使用されており、
頭がよく、噛みつきがあり、すぐに軽蔑する性格を示し、口にはベールに
包まれた苦みが残る、典型的な風刺、と。

何となく感じが分かりますね。

となると、こんな感じかな?

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あら、あのBMWはあなたの?
シー。
知らなかったわ・・。 一緒にちょっとその辺りを回れる?
あれは車だよ、ゴミ収集のトラックではない。

ブン!(吹っ飛ばす音)


つまりエリートの市民たちが伝えようと努力した立派な真面目さの
重力の反対側を、古代ローマ人たちが構成していた、という事と。


これは、破産した後、プラウタスは暫くの間製粉業者として働くのを
余儀なくされ、 画面では、仕事の間に自分の作品の1つを読んでいると。

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ティトゥス・マッキウス・プラウトゥス・Titus Maccius Plautus 
bc254-184古代ローマの劇作家。 

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娯楽に飢えた観衆の必要を満たす為、ダジャレ、又名前に登場人物の
性格を反映させるなどの言葉遊びを多用した、とあり、

彼が一般労働で働いた、というのは、伝記上の発明、とウィキには。



上の説明にも出てきた様に、 
ローマ人は名前の3番目の構成要素である姓にユーモラスなタッチを加え、
これは多くの場合家族の特徴への言及に由来する、と。

例えば有名詩人オウディウスのフルネームは、
プブリウス・オウィディウス・ナソ・Publio Ovidio Nasone.

これは説明が無いのですが、多分ナゾーネ・Nasone・大鼻、だったろうと!


政治家、哲学者として有名なキケロ。 
マルクス・トゥッリウス・キケロ・Marcus Tullius Cicero(bc106-43)

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イタリア語ではチチェローネ・Cicerone、由来はcicer-”cece” ひよこ豆

多分彼の先祖がひよこ豆栽培をしていたか、あるいは祖先の顔に
マメ科植物の形を想像させる何かがあったからだろう、と。

これは日本で「へちま顔」と言われるものに似ているのかも!


他にとりわけ奇妙な姓の中には、ブルータス・Bruto・巨大な、
ルッフォ・Ruffo・赤毛、 カピトーネ・Capitone・大きな頭、
ストラボーネ・Strabone・片目   とね。


一般市民のみでなく、皇帝にも遊び心のあるニックネームが付けられ、

初代皇帝アウグストスの養子で、第2代の皇帝となったティベリオ

ティベリウス・ユリウス・カエサル・Tiberius Julius Caesar bc42-37

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彼がまだ兵役に就いていた時、彼の仲間の兵士達は養子前の彼の名前
ティベリウス・クラウディウス・ネロ・Tiberius Claudius Neroを

ビベリウス・カルディウス・メーロ・Biberius Caldius Meroと変え、
からかったと。

つまり大酒のみであり・gran bevitore、ホットでピュアなワイン・murum
を愛した彼の性質を表したものに。



レジョナーリ・Legionarius, レギオーナーリウス・ローマ軍団兵は、

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ローマの中心部を通る勝利した軍団パレードで歌う「カルミナの凱旋曲」で
凱旋将軍を嘲笑するのが大好きで、

紀元前46年の凱旋パレードでは、ローマ期を代表する大人物の
ガイウス・ユリウス・カエサル・Gaius Iulius Caesar bc100-44
もこの例から逃れる事は出来ませんで、ははは、

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軍団は、
「市民の皆さん、あなた方の女性に気を付けて。 禿の姦淫者を連れて来ます」と!

彼らの司令官の放蕩な生活と、顕著な禿頭にあてつけた訳で、

この逸話は日本語版ウィキにも載っており、はは、大いなる喧伝で!


またビチニア・Bitinia、古代の歴史的地名、小アジアの北西にあたり、
マルマラ海、トラキア、ボスポラス海峡、黒海に接する地、
の王ニコメデス4世・Nicomedes IV

との関係についても、悪意ある言及もあったそうで。 つまり、

「カエサルはガリアを征服し、ニコメデスはカエサルを征服した。」 と。


品性いささか劣るのを自覚しているshinkaiは、こういうのを読む、
知るのが大好きで、ははは、

後に政敵から「ビチニアの女王」と呼ばれた、とも! がはは。


如何にもローマ期の大人物、という評判が大きすぎる方なので、
そうか、彼にもこういう弱みがあったか、と・・、 う・れ・ち・いぃ。

がまた、こういった詩句には、おそらく勝利した将軍の過剰なプライドを
避ける目的もあったろうと。 醒めた目で傍らから見つめているのですね。


日本版ウィキに、「はげ男」と言われることを受け入れていた事は、
カエサルの寛容さを説明する際に引き合いに出される」とありましたが、

これは日本的な考え方、状態であり、こちらでは少々の攻撃では
ひるむ事無く、年上だから、上司だから、という行儀、遠慮も少ない様な
気がしますし、

ましてローマ期であれば、兵士達とその司令官との垣根は低かったのでは
ないか、という気がします。


また元の話の筋に戻り、

キケロは、その様な噂話の街では、誰も噂話から安全ではない、と言い、

公の場でのスピーチと、私生活の両方でユーモアを注ぎ込んだのは、
まさに彼の様な上流社会の人々であり、重力の管理者と推定されていたと。

背の低い娘婿のレントゥウス・Lentuloが腰に長剣を下げているのを見て、
「誰が私の婿をその鉄に縛り付けたのか?」と叫んだと!


また、自分は30代だと主張するかなり年配の上流社会のご婦人について話すと、
キケロは次の様に答えた。

「それはきっと真実だろう。私は彼女がそう20年間繰り返すのを聞いて来た」と。


初代皇帝アウグストゥス・Augusutoも、鋭いユーモアのセンスを持っており、

アウグストゥス  bc64-ac27 ローマ帝国初代皇帝

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背むしのガルバ領事が、間違いをしていたらと、訂正するよう彼に頼むと、

アウグストは「正すのは出来たが、真っすぐにする事は出来なかった」と。

これ、日本語に訳す言葉が難しいのですけど、
間違いをただす・correggereと、真っすぐにする・raddrizzare
とは別の言葉なので。



いじめ、意地悪となると、受け手に常に好評だったわけではなく、

オウィディウス・Ovidioの婿のコーネリアス・フィダス・Cornelio Fidoは、
元老院で誰かに「羽をむしられたダチョウめ・struzzo spelacchiato」と
やじられ、泣きだしたそうで、可哀そうにね。


また時に、人前で笑うのは危険な事もありますね。

ac192年、歴史家のカッシウス・ディオはエキセントリックな皇帝
コンモドゥスのパフォーマンスがアレーナで行われていた時、
何人かの上院議員と一緒におり、

コンモドゥス皇帝 161-192年 皇帝マルクス・アウレリウスの息子

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ヘラクレスに扮し、倒したライオンの毛皮を肩に、の皇帝。


皇帝はアレーナの中央でダチョウを殺し、頭を切り落とし、上院議員達の
方に向き、彼らが同じ様に終わる可能性がある事を理解させたのだそうで、

この余りにも芝居がかった見え見えのシーンは、議員達の間に幾らかの
笑いを引き起こしましたものの、大笑いを避けるため、

ディオーネは慌てて頭にかぶっていた月桂樹の王冠の葉を口にかみ、
笑いを耐え、仲間たちもすぐに真似をしたと。

笑いも場所を間違えると、そう、恐ろしい結果が待っていた時代もありました!



宮廷では支配者たちを楽しませる為の道化師が不足する事はなく、

アウグスト皇帝と彼のサークルのお気に入りは、ガルバ・Galbaという
道化師で、


ティベリウスは、道化師の中に小人を1人入れており、

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ドミティアヌスは、小さくて変形した頭蓋骨を持つ若い男と一緒に
剣闘士のショーに参加し、道化師は赤い服を着て彼の足元に座り、
一緒にシリアスとユーモアの狭間の会話を交わしていたと。


ティトゥス・フラウィウス・ドミティアヌス・Titus Flavius
Domitianus 第11代ローマ皇帝 51-95年

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最初は穏健に始まった治世が次第に暴虐となり、ユダヤ教徒、
キリスト教徒の迫害でも知られ、96年に暗殺。

占星術により自分の死を予告されており、警戒したものの
自邸内で暗殺されたと。



トラヤヌス・Traianoの時代、あるカピトリーノ(大頭)がジョークを担当
していたが、

マルティアリス・Martialisによると、彼はガルバより更に面白い、と。


マルクス・ウルピウス・ネルウァ・トラヤヌス・アウグストゥス・
Marcus Ulpius Nerva Trajanus Augustus  53-117年 

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文武両面で辣腕を振るい、帝国内の公共施設の強化、領土拡大に
成功し、ローマ帝国を史上最大に。

同時代から現在に至るまで、優れた君主として尊敬を受けるローマ皇帝。


ローマ皇帝のあれこれを短く記す為に、それぞれの名を検索していますが、
漸くに、「素晴らしく優れた皇帝」と記せ、shinkaiも嬉しいで~す!
こういう皇帝も歴史に存在して頂かないとね。



マルクス・ウァレリウス・マルティアリス・Marcus Valerius Martialis
40-102年 ラテン語詩人 12巻のエピグラム(警句)が有名。

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短くウィットに満ちた詩の中に、町の人々、知人たちの様々な行動を
明るく風刺している、とあり、
日本版ウィキにもその幾つかが。 大変面白く、ご1読をお勧めします。



ユーモアは、路上や居酒屋での会話の間違いなく主役で、

ポンペイの壁に描かれた落書きは、実在の人物のジョーク、罵倒、
似顔絵がたくさんあり、

その中の1つ、宿・ペンションに不満を持った客は次の様に。

「我々はベッドに小便をしました。告白します。宿の主よ、間違っていました。
 しかしなぜかと私に尋ねるのなら、答えます。 小便器が無かったからね」



ヴェンティディオ・バッソ・Ventidio Bassoが司法の最高位の地位に就いた時、
人々は驚きと共に、彼の出自がラバ引きだったのを思い出し、
で、誰かがローマの通りに書きました。

「急いで、皆さん、お目でとう、良いお知らせです! たった今、並外れた
 奇跡が起こりました:ラバの世話をしていた人が領事に選ばれました!」

って、間違いは無いにせよ、ははは、間の事柄を抜かすと、意地悪くも聞こえ・・。



上に出たマルティアリスの風刺的なエピグラムにもユーモアの痕跡があり、
彼の辛辣な機知で、同時代の人々の身体的、および性格的欠陥を
標的にするのが大好きだった、とし、

「クインタスはタイデが大好き。 どっちのタイデ? 片目のタイデ。
 タイデは片目がなく、クインタスは両方」

可笑しいですけど、返す言葉にね・・。



と綴って来ましたが、ジョークの真のコレクションを見つけるには、
西暦4~5世紀迄待たねばなりません。

それはギリシャ語で書かれており、文字通り「笑いの恋人」を意味する
フィロゲロス・Philogelos と題されており、

詩文の美しい物を集めた詞華集・アンソロジーには様々なタイプの
約270の物語も含まれているそうで。

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古代には卓越した馬鹿と見做されていたギリシャ北部のアブデラの住人を
主人公に、宦官、偽の占い師、ミソジミー・女性や女性らしさに対する
嫌悪や蔑視もあり、

つまり、特定の形式のユーモアは、どの時代でも一定である事を示す例で、

無能な占い師が男の未来を予言し、子供は持てないと告げる。
で、男が既に7人いると答えると、占い師は「でも、よく見ましたか?」と!

ははは、まさに、こういう一番平凡というか、馬鹿さ加減のジョークが
毒もなく、気軽に笑えますねぇ。



最後の版画は、
ギリシャの植民地ターラント・Tarantoに派遣されたローマ大使の
ルーチョ・ポストゥミオ・Lucio Postumioは、ギリシャ語を上手に話せず、
演説中に公然と嘲笑されました。

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可哀そうに、ははは。 shinkai、よく分かりますよぉ、その様子!
後ろでトーガを引っ張る男の、憎たらしくも笑える顔のいやらしさ、ははは。


お陰様で、今回の記事を読みご紹介した事で、ほとんど知らずだった
ローマ皇帝殿とも幾人か、ハリウッド映画以外に、ちょっとだけ、ははは、
かってに、お近付きになれた気がしています。 

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また何か興味ある事が見つかりましたら。


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