・ 今年最後に、 ロッカ・リッチャルダ 春を待つ古代中世の小村

様々な自然災害、コロナ禍、酷い戦争が引き続いている今年も
いよいよ年の暮となりました。

考えずにはおれない事ばかりですが、ここでは控え、

クリスマスも楽しく過ごせ、大掃除も少しだけ済み、へへ、
来年への願い、抱負も持ち、今年のブログを終わらせたいと思います。


あれこれ「控え」もあったのですけど、雪景色の写真を探していて

雪の下のロッカ・リッチャルダは、もっと美しい
Rocca Ricciarda sotto la neve: ancora più bella

という、トスカーナの山奥にある小村の写真を見つけ、

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なぜかとてもこの美しい色の写真に魅かれ、そして記事を読み、
村の様子、歴史をウィキでも調べ、

このブログを書いておられるサンドロ・ファブリツィ・Sandro Fabrizi
ご自身が「なぜこのブログを始めたか」で、この小村から出たく、
フィレンツェに働きに出ていたものの、段々に疑問が沸き・・、

という様に、大変な生活であっても、じっと耐え、待つことも大事、
そして自分で出来る事を、という思いはどこにも通じるよね、と共感し、

今年最後のブログという事で、皆さんにもご覧頂こうと!


まずは、ロッカ・リッチャルダなる村がどこにあるか、地図をどうぞ。

フィレンツェからだと南に車で高速A1で、モンテヴァルキ・Montevarchi
から逆に北上し、という2時間20分程の位置。

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行政上はアレッツォ・Arezzo県で、Loro Ciuffenna・ローロ・チュッフェンナ
のコムーネに。

チュッフェンナ、という名は、村の奥に聳える1592mのプラトマーニョ山の
中腹から流れる川の名で、22kmの流れの後アルノ河に合流と。

アレッツォから行く時は北西上に辿り、50分程の距離。

この一帯はヴァルダルノ・Valdarnoと呼ばれ、つまりアルノ河の流域で、
トスカーナ南のオルチャの谷の様に派手な観光地ではありませんが、
あちこちにたくさんの見所がある様子。


これが村全体の地図で、村への道は西側をぐるっと回り北から入り、
ほらね、村の中の家の数が全部で22,3軒というのも分かりますね。

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後程、村の入り口にあるオステリーア・ラ・ロッカ・Osteria la Roccaの
ご案内もありますし、

左上の、要塞の考古学公園・Parco archeologiko della Roccaが
この小さな山上の村を1100年代から知られる村にしている要塞跡。

で、左端下には、古い墓地・Cimitero vecchio di Rocca Rocciardaが.


こちらが、プラトマーニョ山・Pratomagnoの山襞に抱かれた
海抜957mに位置する村の、遠方からの眺め。

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冬の晴れた日や、雪が降った後は本当に美しく、木々に隠れながらも
その魅力を伝えていると。



ほら、奥に見える道が、きっとフィレンツェから、アレッツォから村に連絡する
市道ロッカ・チユッフェンナ・SC di Rocca Ciuffennaでしょうね。

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太陽の陽が当たり輝く白い雪が一層風景を美しく見せてくれますが、

村の中では典型的な石造りの家々の間で、太陽の陽が届きにくく、
逆に写真を撮る意図的なもの、という様な示唆に富んだ様子に。

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ウィキ伊によると、村の人口は2011年で5人、となっていますが、
これは常住の人口が多分10人位だろう、という記事もあり、

逆に夏には、この村の家を相続しセコンド・ハウス的に住む人々が
多くなり、上記した村の入り口にあるオステリーアも、冬季は日曜のみが、
6月から9月は毎日オープンだそうで、
村の人々ばかりでなく、この一帯をトレッキングで訪れる人々も多いのだと。


村の南外れから下への道は、凍った雪の為に注意を払う事が必要で、

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なぜこの写真に魅かれたのかを考えると、きっと石の色、灰緑の色と
雪の白さ、そして木々の濃い緑などなどの対比の美しさだろうと。

絵の中でもそうですものね、白い雪景色を背景にすると、
どんな風景でも、失礼! 素晴らしく美しく見えますもの!



この村から一番下になる南端にある小さな家、の様に囲われているのは、
かっての古い墓地。 

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つまりこの囲いの中に掘られた2つの穴の中に、かっては男女の性別で
亡くなった人を葬ったのだそう。

きっと土地も狭く、その余裕もなかったのでしょうね。
でも、こうして家の様に造られた形に、故人への思いが秘められている様で。



ここから村越しにプラトマーニュ山の上に建てられた十字架を眺めることが出来、

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こういう山上にある十字架は、かってはこの土地を歩く旅人の護りでも
あり、きっと命を失くすことの多かった過酷な土地の祈りだったかも。



村を出る前もう一度見直し、

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出発する前にオステリーア・デッラ・ロッカに立ち寄り、
美味しい物の賞味を是非、とあり、


こちらがそのオステリーアの写真で、一見狭そうですが、

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左手がこの様に手前に張り出し拡張されており、

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素晴らしいパノラマを楽しみつつ、美味しい食事と、

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栗の粉で作った揚げ菓子を賞味できるそうで!

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同じサイトの記事に、日曜日、フィレンツェとアレッツォ間のおやつ処

そして、夏の村の様子
も覗いて見てくださいね。


第2次大戦時に、この村は一度村中が焼かれた事があり、その為に
黒くなったまま放置された家がある、というのは上の記事にあり、

16-1-Osteria-La-Rocca-facade-2021-08-2_GF.jpg

村の入り口に駐車場がある様子ですが、そのすぐ近くに岩が落ち、
村はまた小さくなった、とも。



と、かって1100年頃から存在したという、この村の上にあった
要塞、城についてのあれこれは、こちらの記事からで、

ロッカ・リッチャルダ、プラトマーニョ山中世の古い”城”
Rocca Ricciarda, un antico “castrum” medievale nel Pratomagno


ウィキ伊によると、
1191年の記録に残る古い城、現在は城跡があり、

現在の村の様子。 上の要塞跡からの眺めで、

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村が焼かれたり、の被害から修復された家々の屋根瓦は新しくなっていて、


こちらが2003年に開かれた、考古学公園の上の要塞遺跡。

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1997年にフィレンツェ大学が実施した発掘調査から長い研究があり、
それから城の遺跡と、その周囲の壁の修復、その後、城の再構築となり、
この様な想像図が。

19-laroccaguidingaeil-palatiumresidenziale (1)_GF.jpg


現在残る、要塞城の外壁で、左片側に鉄の階段が付けられていますが、

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かっては木の階段で、馬も上った、というので、きっと段差の低い階段で、
これが要塞、城への唯一の連絡口。

外壁に存在する突き出た脇柱により、一番上に張り出した櫓か、で
保護された門、扉があり、
そこから外壁自体の内側に入ることが出来、東端にあった塔と館には、
メルラトゥーラと呼ばれるレース飾りで仕上げられていた、と。


こちらは上の遺跡。

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そしてこんな15世紀の陶器の発掘も。

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現在の遺跡のみを見ても、素人には何が何だか分かりませんが、
上の様な図があると、説明を読みつつあれこれ想像でき、

かっての領主たちは夏の間にここに滞在する事を好んだ、というのも納得。


11世紀前半頃ウベルティーニ家・Ubertiniが徐々に力を蓄え大きくなり、
マルケ州にまで力を拡張、という程に迄なったのが、

結局は都市部の勢力争いに加わり、1280年のギベリン派の没落で追放、
その後に戦にも負け力を失くして行き、
最後はほんの少し残った領土をフィレンツェ共和国に売った、という様子。

その後の要塞はリカソーリ家・Ricasoliの持ち物となり、
最後の数世紀間は放置されての道を辿ったという事なのでした。


栗の木、ブナの林、そしてチュッフェンナの流れの残るこの山間部で、

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長い過酷な時代を延々と生き抜いてきたこの小さな村、そして人々!

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最初に私を引き付けた写真と記事のサンドロ・ファブリツィ氏
このコロナ禍の今もお元気で居られる様にと願います!!

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