今回は、「アート・ジャーナル・Il giornaledellarte」という
サイトの中の「中世の小さな物語」項目内に見つけた、
サイトの中の「中世の小さな物語」項目内に見つけた、
ああ、そうか、という興味深い納得もあり、皆さんにも。
マリリン・モンローも、バービー人形もブルネットで生まれましたが、
ブロンドとして成功を収めました。 と始まり、
ブロンドとして成功を収めました。 と始まり、

中世の図像では、おそらく茶色の髪だった多くの女性聖人に
同様の運命を与えました、と。
同様の運命を与えました、と。
つまり中世の画家たちは、幾人かの殉教した女聖人たちを
金髪に描き、後世の崇拝者たちの信仰心を高めた、と。
金髪に描き、後世の崇拝者たちの信仰心を高めた、と。
ははぁ、成程ね、と思ったのは、shinkaiめも大きな驚きの経験が
ありまして、
トスカーナはアンギアーリ・Anghiari の博物館で、聖母マリア像・
かなり有名な彫刻家作でしたが、間違えてはいけないので省略し、
その木製像、上半身像が金髪だったのですね。
大体マリア像に限らず、聖女性像はベールをかぶっていますよね、
それが無かったか、肩に落ちていたか、金髪そのものが見え、
あの薄暗い博物館内で、かなり強烈な印象を受けたのでした。
それが無かったか、肩に落ちていたか、金髪そのものが見え、
あの薄暗い博物館内で、かなり強烈な印象を受けたのでした。
で、今回これを読み、やはり金髪というのは目立ち、人目を引き、
男性達のみでなく、その美しさに誰もが目が奪われるのだ、と。
男性達のみでなく、その美しさに誰もが目が奪われるのだ、と。
となると、それを描く男性画家たちは、自身の憧れも勿論、
依頼者、教会であろうとも! の共感を得、画家としても評判を
高める為にも、
依頼者、教会であろうとも! の共感を得、画家としても評判を
高める為にも、
それはもう、金髪に出来るなら金髪に描くよね?!と。
という事で、明らかに金髪の美しさが描かれている女聖人の例を。
プラート・Prato、フィレンツェの北に位置する町の市美術館、
ジョヴァンニ・ダ・ミラーノ・Giovanni de Milanoの祭壇画の
カテリーナ・ダレッサンドリア・Caterina d’Alessandria(287-305)
ジョヴァンニ・ダ・ミラーノ・Giovanni de Milanoの祭壇画の
カテリーナ・ダレッサンドリア・Caterina d’Alessandria(287-305)
こちらは殉教のシーンで、長く解けた金髪を首の片方に流し、
処刑人に首を差し出す、というエレガントな彼女の姿を。
処刑人に首を差し出す、というエレガントな彼女の姿を。

全体はこの様な大きな祭壇画で、1355年、上中央に聖母子像
が描かれ、その下段中央に受胎告知、両脇に従う聖人達の
殉死場面、最下段は、キリストの生涯を。

上段一番左に唯一見える女聖人が、アレッサンドリアのカテリーナ。
左手を車輪の上に置いていますが、
これは彼女のアイテムで、上の処刑場面にも車輪が見え、
手足を車輪に結び付け転がす、という拷問を命じられたものの、
車輪はひとりでに壊れ、斬首刑にされたというもの。
車輪はひとりでに壊れ、斬首刑にされたというもの。
上の全身像に見える上半身はこの様で、金髪が美しく。

この図は、「プラートの祭壇画・ジョヴァンニ・ダ・ミラーノ」
という本の出版案内で、
この抄訳を読み、ジョヴァンニ・ダ・ミラーノが僧侶であった事、
当時一流の画家として認められていた事、
この祭壇画は当時のプラートの巡礼者、貧者、病人の救済所で
あった病院建物の拡張時に注文されたもので、
当時一流の画家として認められていた事、
この祭壇画は当時のプラートの巡礼者、貧者、病人の救済所で
あった病院建物の拡張時に注文されたもので、
彼にとっても、生涯で重要な仕事となり、病院の支払い記載
にはないものの、何年後かに、病院内の目録に記載ありとの事で、
やれやれ、良かった!
にはないものの、何年後かに、病院内の目録に記載ありとの事で、
やれやれ、良かった!
こちらはカルロ・クリヴェッリ・Carlo Crivelli描く、少し時代が下がり、
1430-1440、やはり金髪のアレッサンドリアのカテリーナ。
1430-1440、やはり金髪のアレッサンドリアのカテリーナ。

伝説上の人物で、実在したかは非常に疑わしい、と言われるものの、
大変な信仰者を集めたと言われる、
アンティオキア・シリアに近いトルコ最南部の、聖マルゲリータ・
Margaritaも、1540年代には金髪となり、

ピエモンテ州のヴィッラフランカのサンタ・マリーア・ディ・ミッシオネ・
Santa Maria di Missione a villafrancaにある、
Santa Maria di Missione a villafrancaにある、
画家はデュサイモ・Duxaymoと呼ばれるイタリアの画家アイモーネ・
ドゥーチェ(記録があるのは1417-1444)が描いたもので、
彼は国際ゴシック画家として活躍した様子。
ドゥーチェ(記録があるのは1417-1444)が描いたもので、
彼は国際ゴシック画家として活躍した様子。
神聖な処女の殉教者のみならず、聖母は頻繁に金髪で描かれ、
はぁ、上記したshinkaiが見たものも嘘ではなく、はは、
いくつかの「黒い聖母」さえも、12世紀にはオロパ・Oropaの
聖域の黒い聖母も金髪に!
聖域の黒い聖母も金髪に!

少し驚きですが、顔の回りのカーヴした金色の流れが金髪で、
その上からヴェールを被り王冠で、子のキリストも金髪に!
その上からヴェールを被り王冠で、子のキリストも金髪に!
「黒い聖母」像は、スペインのピレネー山中に点在するとか、
私めもフリウリのカステル・モンテの山上の教会にあるという
絵葉書を見たり、
私めもフリウリのカステル・モンテの山上の教会にあるという
絵葉書を見たり、
カステルモンテ ・ スロヴェニアとの国境に近い、信仰の村
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462968910.html
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462968910.html
このヴェネトの山沿いの教会のマリア様のお顔が少し黒い、
というのも見た記憶があり、
古い信仰の残る教会には、今も居られる様で。
付属の驚きは、オロパの聖域、という場所ですが、
トリノから北に90km程の山中で、車で1時間半ほどの位置。
で、こちらが正面広場で、奥の中庭に面して古い教会があり、

その奥祭壇に「黒い聖母子」で、現在もたくさんの信者達が
集まる様子が、一目瞭然!
集まる様子が、一目瞭然!
さてフィレンツェのウッフィツィ美術館にも、世界に有名な金髪の
聖母がおられますが、
聖母がおられますが、
シモーネ・マルティーニの「受胎告知」1333年 聖マリアですね。

今回読んで、初めて、そう言えば金髪だっけ、と気が付いた程で・・!
全体はこんな様子で、両脇に聖人がおられ、中央左に受胎を
告げる天使ガブリエレと、受ける恥じらいのマリア像。
告げる天使ガブリエレと、受ける恥じらいのマリア像。
全体すべてが金色輝く中で、

天使ガブリエレも金髪。

彼の衣装は、白金色に金の押し模様という、

これでもか、という程の技巧の幅を見せるシモーネ・マルティーニ
ですが、下品さは欠片もなく、見るこちらをも天国に誘い、
これはまさに極地にある絵画なんだなぁ、と納得を。
最後はマグダラのマリア・Maria Maddalenaの金髪を。
彼女の髪は、改心しキリストに従うようになった後も、しばしば
目立つ金髪に描かれ、
こちらはマサッチョ・Masaccioによる1426年の、磔刑図での
マグダラのマリーア。
マグダラのマリーア。


そして12年後1438年のフラ・アンジェリコによる彼女。
貞節な女風に描かれていますが、やはり金髪ぅ!
貞節な女風に描かれていますが、やはり金髪ぅ!

そしてルーカ・シニョレッリ描く、1504年のマリア・マッダレーナ。
金髪どころか、如何にも豊満な肉体を感じさせますねぇ。
金髪どころか、如何にも豊満な肉体を感じさせますねぇ。

ご存じの様に北ヨーロッパでは当たり前に金髪なのでしょうが、
イタリアでは殆どが茶~黒の髪ですから、
イタリアでは殆どが茶~黒の髪ですから、
ローマ生まれのグレゴリウス1世教皇(540-604)は、
若い金髪の奴隷が売りに出されているのを見て驚き、
「全ての住民が金の髪で輝いている」ブルターニュから来たと
説明され納得したとの事ですが、
説明され納得したとの事ですが、
やはりイタリア女性も、勿論男性も金髪に(青い目にも)
憧れるようですし、
憧れるようですし、
傍から見ても、やはり騎士物語には、現代のロマンス映画にも
金髪、が似合う気がします。
おまけに「もっとも純粋な金でさえ見栄えが悪くなるほどの、
光沢のある金髪」という言い回しがある様で!
光沢のある金髪」という言い回しがある様で!
詩人が謳った女性は自然に金髪で、ペトラルカのラウラも、
チーノ・ダ・ピストイア、知りまへん、の最愛の人も、
その三つ編みは、辺り一面を黄金色に、と!
その三つ編みは、辺り一面を黄金色に、と!
長い時代、多くのブルネットの女性が、様々に金髪になる方法を試し、
ヴェネツィアでは、キャップを切りとった帽子の広いつばに長い髪を
広げ、顔の白さを保護しつつ、太陽に晒し金髪にしたり、
広げ、顔の白さを保護しつつ、太陽に晒し金髪にしたり、
たくさんの染料も試されたらしい過去の世紀ですがぁぁ、
まぁ、今では簡単なヘアーダイがありますからね、
そんなこんなで、
ブルネット、黒髪におさらば、しょうと決めた全ての人に、
幸あれかし!!
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