クリスマスの日の午前に本当に久し振り、10年ぶり位になるのかな、
友人と訪れたポルデノーネ・Pordenoneの街。
フリウリ州になるのですが、我が町コネリアーノからだと電車で30分弱で到着の
いわば東のお隣で、でもあまり詳しくどころか殆ど知らないし、で、
友人と訪れたポルデノーネ・Pordenoneの街。
フリウリ州になるのですが、我が町コネリアーノからだと電車で30分弱で到着の
いわば東のお隣で、でもあまり詳しくどころか殆ど知らないし、で、
先回ご案内した街の中心通りのコルソ・ヴィットリオ・エマヌエレ2世に
立ち並ぶ、ロマネスクからゴシック様式の壁画装飾のある建物類、
あんなのがずらっとあった、というのも頭にまるで残っておらずで!
何度も行ったのに一体何を見ていたのでしょうね、この馬鹿はぁ!!
立ち並ぶ、ロマネスクからゴシック様式の壁画装飾のある建物類、
あんなのがずらっとあった、というのも頭にまるで残っておらずで!
何度も行ったのに一体何を見ていたのでしょうね、この馬鹿はぁ!!

という事で改めて、まるでブログで初めてご案内みたいになったのでしたが、へへ、
古いフレスコ画装飾の立ち並ぶコネリアーノの南にあるオデルツォ・Oderzo、
ローマ期のモザイクもしっかり残る町のご案内は、
オデルツォ ・ 3000年前、既にヴェネトの中心地
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462784598.html
ローマ期のモザイクもしっかり残る町のご案内は、
オデルツォ ・ 3000年前、既にヴェネトの中心地
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462784598.html
夏の夜、広場でオペラを ・ オデルツォ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461685683.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461685683.html
で、ポルデノーネの2回目、コルソ・ヴィットリオ・エマヌエレ2世の最後にある東側の
建物と、突き当りのパラッツォ・コムナーレ・市役所、そして街の聖堂のご案内を。
トップの写真ともども、こちらが通りの東側の最後の建物パラッツォ・リッキエーリ・
Palazzo Ricchieriで、現在は市の美術博物館。
Palazzo Ricchieriで、現在は市の美術博物館。

最初は町の端に位置する要塞的な建物として13世紀に建設されたのが、
ヴェネツィア共和国治世下において、リッキエーリ家に提供されたものと。
ヴェネツィア共和国治世下において、リッキエーリ家に提供されたものと。
で、掛かっている幟に見えるのが、この街出身の16世紀の画家、街の名を冠され
イル・ポルデノーネ(1483-1539)と呼ばれる画家の自画像。

ジョルジョ・ヴァザーリの「画家・彫刻家・建築家列伝・Le Vite delle più eccellenti
pittori, scultori, e architettori」の第4部に、
「歴史中の物語の発明、構図、技術の優秀さ、色の実践、フレスコ画、スピード、
大きな浮彫、その他すべての芸術において、大変にまれで優れた・・」と評しているそうで、
「ルネッサンス期におけるフリウリで最大の画家」と見なされます。
pittori, scultori, e architettori」の第4部に、
「歴史中の物語の発明、構図、技術の優秀さ、色の実践、フレスコ画、スピード、
大きな浮彫、その他すべての芸術において、大変にまれで優れた・・」と評しているそうで、
「ルネッサンス期におけるフリウリで最大の画家」と見なされます。
実際この一帯において彼の名と、彼の娘と結婚した弟子のポンポーニオ・アマルテオ・
Pomponio Amalteo(1505-1588)の作品には良くお目にかかりますし、
Pomponio Amalteo(1505-1588)の作品には良くお目にかかりますし、
大変に達者で饒舌、ちょっと庶民的な雰囲気を醸す絵の作家、という感じでしょうか。
ヴェネツィアにも勿論、クレモナのドゥオーモにも、ピアチェンツァにも彼の作品が残り、
フェッラーラにエルコレ・デステ2世に注文された綴れ織りのデザインを届けに行き、
謎の死を遂げています。
フェッラーラにエルコレ・デステ2世に注文された綴れ織りのデザインを届けに行き、
謎の死を遂げています。
このポルデノーネ市の美術博物館は、ジュリアーナもshinkaiもまだ一度も訪問
しておらず、開館時間を間違えない様に写真を撮って来ました。

つまり、見に行きにくい筈でして、はは、
水曜から日曜 の 午後3時から7時まで が開館時間 で!
水曜から日曜 の 午後3時から7時まで が開館時間 で!
チャンスを見つけてお出かけ下さいね。
コルソ・ヴィットリオ・エマヌエレ2世通りを塞ぐ位置にあるパラッツォ・コムナーレ・
市役所で、ゴシック式の13~14世紀にかけての建物。
市役所で、ゴシック式の13~14世紀にかけての建物。

前部の時計塔部分は16世紀に、上に出た画家イル・ポルデノーネの弟子で婿の
ポンポーニオ・アマルテオの設計だそう。
ポンポーニオ・アマルテオの設計だそう。
時計と、塔の一番上の鐘突きの2人のアップを。


むか~~し初めてポルデノーネに来た時に見て、いささか舞台設計じみた場所と
姿に驚いた事をよく覚えていますが、
街の栄えている時期の市民の意気と財力が窺えますね。

斜め背後にある街の聖堂の横から撮った、時計塔と小塔の後姿。
盾を持ってる鐘付きの2人がどこか大人しい印象で、天使かな、と思ったのでしたが。

時計塔の下がこのようにロッジャになっていて、ちょうど木彫のプレゼーペ展示中。

で、こちらが少し可笑しかった、時計塔の前のポルデノーネの像で、

体と脚の関係が微妙にずれていて、おまけに足元にあれこれ道具が散らばり、
蹴っ飛ばしたり踏んずけたりはしないかと、見る方が気になるのですがぁ、ははは。
蹴っ飛ばしたり踏んずけたりはしないかと、見る方が気になるのですがぁ、ははは。
いくら絵描きだとハッキリ分からせる為とは言え、こんなにパレットに絵の具を
ちりばめると、一体どこで色を混ぜるのかと心配になるやんかぁ。
ちりばめると、一体どこで色を混ぜるのかと心配になるやんかぁ。
で、この像は聖堂内にある柱に描かれた彼の絵を元にしていると分かったのですが、
こちらが聖ロッコを模しての自画像で、眼光鋭く、絵は断然の迫力でしょう?!

折角フリウリ最大の画家を模すのなら、も少しお金を払っても良い作家に頼み
良い像を作らないと、画家本人が泣くよねぇ、ははは。
良い像を作らないと、画家本人が泣くよねぇ、ははは。
笑ったのは、ふと見ると像の脚元に猫がいて! ポルデノーネは猫好きだった?!

これは現在の市美術博物館となっているパラッツォ・リッキエーリの
建物の角を南から見ている所で、

街の要塞替わりの建物だった、というのが分かる、街の塀、城壁にすると
大人しい、それに続いていて、奥に見えるのが塔なのかも。
で、右に切れて見えるのが、
街のシンボルでもある聖堂の美しい鐘楼。 オリジナルは13世紀ですが、
何度か地震や雷の災害で再建、修復されたりの様で、現在の姿は19世紀末修復の物。
煉瓦使用の高さ70mを越える、細身ですらっとしたエレガントな姿。
煉瓦使用の高さ70mを越える、細身ですらっとしたエレガントな姿。


駅前からもすぐに見渡せる高さと、通りを歩きながらも徐々に近寄り、屋根越しに
近くから見えた時は、ああ、美しいねぇ! というエレガントな姿で、
近くから見えた時は、ああ、美しいねぇ! というエレガントな姿で、
ちょうどクリスマスの朝のミサが終わって皆さんが出て来られる所に行き合わせ、
暫く後6つあるという鐘が鳴りだした時は聞きほれました。
こちらが街の聖堂の、ポルデノーネのドゥオーモと呼びならわしておりますが、正式名は
コンカッテドラーレ・ディ・サン・マルコ・エヴァンジェリスタ・サン・マルコ聖堂。
コンカッテドラーレ・ディ・サン・マルコ・エヴァンジェリスタ・サン・マルコ聖堂。

13世紀から建設が始まり14世紀に完成のロマネスク・ゴシック様式ですが、
内部はネオクラッシック調、というのも、何せ地震の被害が何度もで、とりわけ最後の
1976年の大地震の被害が甚大で、現在の正面や壁は鋼鉄で内部補強されていると。
内部はネオクラッシック調、というのも、何せ地震の被害が何度もで、とりわけ最後の
1976年の大地震の被害が甚大で、現在の正面や壁は鋼鉄で内部補強されていると。
ご覧の様に小振りな聖堂で、入口扉にかっての様子が残ります。

内部はご覧の様にネオクラシックに修復され、一廊式、左右に礼拝堂が
3つづつあります。
3つづつあります。

これは右側最初のミゼリコルディア礼拝堂・Misericordiaで、祭壇画はイル・ポルデノーネ。
(1515-16作)聖母がマントを広げ、慈悲を求める人を庇い、右にキリストを抱く養父の
ジュゼッペ・ヨゼフ、左に見える川渡しの大男はサン・クリストフォロ。
(1515-16作)聖母がマントを広げ、慈悲を求める人を庇い、右にキリストを抱く養父の
ジュゼッペ・ヨゼフ、左に見える川渡しの大男はサン・クリストフォロ。


これは力のこもった素晴らしい絵と思い、逆にティツィアーノがヴェネトの
地元に残した絵の事などもちらっと思い出したりで、はい。
ヴェネトの春、 そして ティツィアーノの家 n.1
http://www.italiashiho.site/archives/20170404-1.html
http://www.italiashiho.site/archives/20170404-1.html
ヴェネトの春、 そして ティツィアーノの家 n.2
http://www.italiashiho.site/archives/20170405-1.html
http://www.italiashiho.site/archives/20170405-1.html
説教壇。

そしてあれこれお世話で働いているのか、それとも神父さんなのか、
これはマルタ騎士団の赤十字ではないのかな、どういう関係?と思いつつ。
これはマルタ騎士団の赤十字ではないのかな、どういう関係?と思いつつ。

壁に残る古いフレスコ画。 やはり真ん中に聖クリストフォロがいて、
両脇の司教様は?

この天井画は、確か祭壇右脇、翼廊にある礼拝堂の物だったと。

やはり右脇奥にあった、洗礼堂。

主祭壇の祭壇画。

手前にある、これなんと言いましたっけ、大きなのに隠れ、肝心の絵が見えずで、
サイトを探しましたが見つからず、作者の名も分からず・・。
サイトを探しましたが見つからず、作者の名も分からず・・。
で、どうやら街のロザーリオ・Rosarioにあった古い教会、1812年に解体された、
からこちらに移されたものの様子、と分かりました。
からこちらに移されたものの様子、と分かりました。
こちらは左側の真ん中の礼拝堂にあったドメニコ・ティントレット、ヤコポ・
ティントレットの息子、の作品「聖シローラモ・ヒエロニムス」(1594-95)

信者の捧げるお灯明。

shinkaiはお灯明はつけませんが、教会内部で写真を撮らせて頂いた時は、
いつも心ばかりのお布施を捧げます。
いつも心ばかりのお布施を捧げます。
ポルデノーネの市の、ドゥオモのヴィデオをどうぞ。 細部も良く分かります。
https://youtu.be/caC2xg7ILh8
https://youtu.be/caC2xg7ILh8
聖堂のある位置は高くなっていて、市役所の後ろに広がるこの広場が見晴らせ、
こちらが実際にコルソ・ヴィットリオ・エマヌエレ2世通りのお終いですね。

敷き詰められた煉瓦模様に射し込む、クリスマスの朝の光。

広場にある泉。 夏の暑い日には、この泉から落ちる水で
鳩たちが頭を冷やすのを何度か見ましたっけ。

西側に繋がる最後の建物、装飾の壁。 名前謂れも見つからずで残念。

西の斜め奥の広場に見える大きなクリスマス・ツリー。

この左奥が大きな駐車場だったと。
広場を少し南に下ると、街の南を流れるノンチェッロ川・Nondello、
かっては川の港があり、街に繁栄をもたらしたという川が流れますが、
橋を渡って行くと、今見える小さな教会があります。 入った事なく残念ですが、
この時も電車の時間が気になり行かずじまいに。
この時も電車の時間が気になり行かずじまいに。

市役所の横にパトカーが何台か止まりお巡りさんも。 1人細身の若いお巡りさんが、
と思っていて、近づいてみたら女性でした、失礼をば!
と思っていて、近づいてみたら女性でした、失礼をば!

この時間、クリスマスのミサが終えて聖堂から出て来られた人々で通りが賑わい始め、
そろそろと道を戻り始めると、向こうからカラビニエーレの正装姿の3人が。
やはりとても煌びやかなのですよね、黒と赤、そしてマント。 左2人の帽子もね。

2枚ほど撮り、通りすがりに会釈しましたら、左の方がにっこりとね。
人の姿が見え始めた通りを戻りますが、


こうして見ると、結構道の高低差がありますね。
ヴィットリオ・エマヌエレ通りの最後の角に、こんな車が! カッコいいィ!!

さて駅に向かって戻りますが、大きく伸びた木々の枝。 快晴の空に美しく。

という、久しぶりのポルデノーネの街行き、ご案内でした。
フリウリ州の底力を感じさせる古い歴史の街、チャンスを見てお出かけ下さいね。
◆ 個展のお知らせ ◆
広島の絵の友人でもある 田谷行平先生が 1月25日から2月2日まで、
ギャラリーたむら にて個展を開催されます。
ギャラリーたむら にて個展を開催されます。

どうぞお出かけご高覧下さいます様、ご案内申し上げます。
ご訪問よろしくお願い致しま~す。
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色鉛筆+水彩画ブログには、
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